ショート・ショート
「荒本の家はどこにあるの?」 たまたま近くに立っていた、同僚の荒本に声をかける。荒本がどこに住んでいようがどうでもいいことだが、我々二人はミーティングに遅刻したため、参加のタイミングを見計らっ...
「荒本の家はどこにあるの?」 たまたま近くに立っていた、同僚の荒本に声をかける。荒本がどこに住んでいようがどうでもいいことだが、我々二人はミーティングに遅刻したため、参加のタイミングを見計らっ...
毎日顔を合わせていると、気がつかない変化というものはある。とくに男は、女の髪型やメイクが変わったことなど気づきもしない。毎朝顔を合わせる妹でさえ、髪染めただのグロス変えただのいわれても、分かるはずがない。興...
4月に入り、外はめっきり春めいてきた。とはいえ朝晩の寒さは健在なため、服装が難しい季節でもある。しかしながら、春だというのに冬物を着ることは女のプライドが許さない。そこでほとんどの人間、いや、ほどんどの女性...
美容師歴20年の友人が、満を持して個人経営から法人経営にステップアップした。個人事業主として長らく美容師を続けてきたが、事業拡大とインボイス制度を見据えて、新たな一歩を踏み出したのだ。 所得税...
突然だが、ピーラーという道具をご存じだろうか。そう、野菜や果物の皮をむく調理器具のことだ。料理をしない人には馴染みのないネーミングかもしれないが、案ずるなかれ。我が家にもピーラーは存在しない。 さらに包丁す...
先日、わたしが書いた「慢性遅刻症候群に悩む女性の話」を読んだ友人から連絡があった。 「あれってさ、結局じぶんの遅刻を正当化するために書いたよな?」 もちろんそんなはずはない。ADHDに悩む架空の女性を主人公...
遅刻をしない風景って、どんな感じなんだろう――。 ここ何か月、いや、何年も何十年も考え続けたことだった。私はADHD(注意欠如多動症)を抱えながら生きている。今でこそADHDは一般的な病気として認知されてい...
接客業というのは大変だ。客側は「もてなされて当然」の前提で入店するので、予想以下の対応であればこれみよがしに横柄な態度でクレームをつけてくる。 いやいや、そんな偉そうにしてるオマエだって、仕事中は上司にペコ...
現代人にとって避けては通れない病気の一つに、ドライアイが挙げられる。原因としては、スマホやパソコンをじっと見続けるあまり、瞬きの回数が減っていることや、一年中エアコンフル稼働の生活環境であること、さらにコン...
今日は後輩の旅立ちの日。13時までに羽田空港へ向かわなければならない。と、ここで考えた。私は遅刻がデフォルトの人間、よって遅刻せずにどうやったら空港までたどり着けるのか――。 これまでも数々のアイディアを元...
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