妖艶な肉体
時刻は午後10時過ぎ、適度に混みあった南北線車内に不穏な緊張が走った。 私が乗っている車両の座席は、2人分を除いてすべて埋まっている。ところが、その2人分が空いているというのに、立っている客が4人・・いや、...
時刻は午後10時過ぎ、適度に混みあった南北線車内に不穏な緊張が走った。 私が乗っている車両の座席は、2人分を除いてすべて埋まっている。ところが、その2人分が空いているというのに、立っている客が4人・・いや、...
勉強嫌いなわたしは、授業を受けるのが苦痛でしょうがなかった。その名残は今もなお健在で、勉強会やシンポジウム、セミナー、ワークショップなどに参加しなければならないとなると、それが決まった時点で気分がどんよりと...
ピアノのレッスンを終えたわたしは、歩道へ出ると少し離れたところにある信号のほうを見た。 車道の信号は赤、そして歩行者の信号は青——。ここから信号までダッシュして15秒、そのまま渡り切れば最短20秒で向こう岸...
(また膝を痛めたか・・・) 一か月ほど前、柔術の練習中に右膝を負傷したわたしは、歩けないほどの痛みから抜け出した後も、微妙な違和感というか鈍痛を抱えながら日常生活を送っていた。 これはもはや古...
愛しの我が子を将来有望な人材に育て上げるべく、親子二人三脚で宿題に取り組んだり、英語の読み聞かせをしたりすることを、一概に「悪いこと」だとは言わない。だが、目に余るほど母親が口出しをするのは、いかがなものだ...
まさかこんな偶然が起こるのだろうか・・と、しばし呆然とする出来事に見舞われた。それは、ウォシュレットの水を飲むという、まさかの事件だった。 言うまでもなく、ウォシュレットの水を飲もうとしたわけではない。さら...
ガラスというのは、時としてもう一つの「顔」をのぞかせることがある。その結果、ガラス越しに都市伝説が誕生することとなるのだ——。 * 行きつけのスターバックスのカウンター席で、ガラ...
わたしは、自分に対して興味を持たれたり深掘りされたりすることが不快でたまらない。たしかに昔から悪目立ちするし、相手側からしても「こっちだって、気にしたくてしてるわけじゃない!」と反論されるかもしれないが、一...
ヒトは誰しも「心地よい」とまではいかずとも、耐えられる程度の距離感というものを持っている。そのため、赤の他人にグイグイ詰め寄られると、嫌悪感のみならず恐怖すら感じるもの。 とはいえ、状況的に致し方無い場合は...
数日前、洗面所の電球を交換しようと照明カバーを外したところ、異臭を放つ大量の水が降ってくるという事件が勃発した。そこで管理会社に連絡をして、設備会社による状況確認が行われた。 わが家は最上階な...
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