空白の5秒間
滅多に使うことのないJR代々木駅で降りたわたしは、友人からの連絡を待っていた。 それにしても、この代々木駅というところは予想以上にヒトで賑わっている。大したランドマークがあるわけでもなさそうだが、新宿の隣だ...
滅多に使うことのないJR代々木駅で降りたわたしは、友人からの連絡を待っていた。 それにしても、この代々木駅というところは予想以上にヒトで賑わっている。大したランドマークがあるわけでもなさそうだが、新宿の隣だ...
「それ、ウチの旦那と同じこと言ってる」 友人は、口を尖らせながら不満げにそう答えた。なんの話かというと、いわゆるバーモントカレーのような「日本特有のカレー」において、カレールーにとろみがあって、むしろボタボ...
本日の最終列車である、東海道新幹線ひかり666号に滑り込んだわたしは「間違いなくツイている」と確信した。なんせ、666はわたしの本質を示す数字であり、たまたま間に合った新幹線の列車番号がこれであることが、何...
——マズい・・いや、気まずい。 なぜこのようなドンピシャのタイミングで、われわれは集まってしまったのだろうか。しかも、しばらくの間はこの場にとどまらなければならないとあり、なんとも微妙な空気が漂っている。 ...
(これが最後のチャンスかもしれない) カフェに入ってから何度この言葉が頭をよぎったことか。そして、ことごとくタイミングを逸してきたわたしのつま先は——深緑色のビーチサンダルから覗く十本の指は、まるで死んだタ...
海外の土産物は、たまに意味不明なものがある。あちらさんも、特に意味のあるものを作ったつもりはないのかもしれないが、とりあえず「置き物として飾る」くらいの用途しか思いつかない物体がゴロゴロしているわけで——。...
「人生とは、こうやって帳尻がとれるようになっているのだ」と、タクシーを降りたわたしは感慨深げに呟くのであった。 * 動物的本能丸出しのわたしは、命をつなぐための必需品ともいえる「...
目的地へ向かうにあたっての「最適な経路」というのは、じつは非常に難しい側面がある。 それが通い慣れた場所であれば、いつもの交通手段でいつもの出口を目指せばいいのだが、殊に初めて行く場所や慣れていないエリアと...
知らず知らずのうちに「依存症」となっているものの一つに、スマホが挙げられる。ふと画面を見ると、スクリーンタイムの表示が出ていたのだが、なんと11時間22分という驚異の数字を叩き出していた。 (一日の半分もの...
白金高輪駅発19時20分の南北線は空いていた。 すでに帰宅ラッシュの時間帯が過ぎていただけでなく、この電車が始発ということもあって、乗客全員が座れる快適な状態で電車は動き出した。とはいえ、次の停車駅となる麻...
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