消える印影
ーーハンコを完全に不要にしてもらいたい、今すぐ。 そう思いながら、みるみる流れていく文字と印影を眺める。為す術もなくただ見守るだけの状況で。 * 書類の申請に某所を...
ーーハンコを完全に不要にしてもらいたい、今すぐ。 そう思いながら、みるみる流れていく文字と印影を眺める。為す術もなくただ見守るだけの状況で。 * 書類の申請に某所を...
日曜の赤坂は、ある意味にぎやかだ。 オフィスや飲食店は軒並み閉まっているが、その分、平日ではお目にかかれない「特別なパレード」を鑑賞することができる。 その名も、街宣車。 わたしがいるビルの目...
友人に子どもが産まれた。かわいらしい女の子だ。 彼女から妊娠の報告を受けたのが昨年9月。それ以来音信不通だったため、不安と期待と半々で新たな続報を待っていた。 わたしより若いとはいえ、出産適齢...
友人は「バックシャン」と呼ばれ、後ろ姿が美しい女性とされる。 過去にプラチナ通りで背後から抱き着かれた経験があり、最近でも背後からナンパされるらしい。 「でも顔みたらオバサンだから、みんなガッ...
記事を書く材料として、わたしの所属するジムで柔術を習う「アラフォー・アラフィフ」たちにインタビューを試みた。 そもそもアラフォー以降から格闘技を始めることについて、その世界に携わったことのない...
料理という行為において、アドバイスをもらう度に感じることがある。 それは「なぜああも平気な顔で、無理難題を言ってくるのか」ということだ。 たとえば「少々」とか「適量」とか、ハッキリと数字で示し...
「お茶というのは老人が飲むものだ」 小学生のわたしは、憎々しげに目の前の湯飲みを睨みつけていた。なぜ子どもが朝からアツアツのお茶など飲まなければならないのか。 まぁお茶に罪はない。朝っぱらからお茶を飲ませよ...
歯科医が尋ねる。 「トレーニングでマウスガードしてる?」 わたしは答える。 「はい。スパーリングでは着けてます、最高のやつを」 すると歯科医がこう続ける。 「スパーリングだけじゃなく、筋トレやランニングなん...
わたしには変なクセがある。クセというか生活習慣の一部というか。 * 昨夜、うまく眠れなかった。 午前4時過ぎ、ベッドへ横になるとアラームをセットした。起床が早いので寝坊はできない...
肋軟骨骨折から5週間、本日より練習に復帰した。 数日前から軽いスパーリングで様子をうかがってきたが、クラスに参加できるレベルまで回復したので、いよいよ、古巣であるトライフォース溜池山王のベーシッククラスに乗...
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