999.9(フォーナインズ)が見つかる0.1%の可能性
(・・そうだ!スニーカーの中だ!) 長い昼寝から目覚めたわたしは、シューズボックスへと走った。おっと、見栄をはってしまったが、二、三歩あるいただけで届く距離にあるので、走ったりしたら玄関のドアに激突するだろ...
(・・そうだ!スニーカーの中だ!) 長い昼寝から目覚めたわたしは、シューズボックスへと走った。おっと、見栄をはってしまったが、二、三歩あるいただけで届く距離にあるので、走ったりしたら玄関のドアに激突するだろ...
(・・・おぉ) 近所のカフェで優雅にコールドブリューを味わっていたところ、ガラス張りの壁の向こうを一枚の枯れ葉が舞った。 まだ9月の半ばだが、もう秋が近づいてきたのか——。 タンクトップに短パ...
(・・これは目玉か) 友人からプレゼントをもらった。年がら年中誕生日イベントを開催しているわたしは、いつでもどこでも誕生日プレゼントを受け付けている。とはいえ、今回のこれらはべつに誕プレというわけではなさそ...
腹がはち切れんばかりに膨らんでいる。いやいや、残念ながら妊娠ではない。だが、胃袋ばかりか大腸や小腸までもが膨らんでいるのか、腹全体が飛び出ているから臨月を迎えた妊婦さながらである。 そもそもわたしは大食いで...
山手線での帰宅途中、二度と会わない多くの人間に紛れて、わたしは目黒駅を目指していた。 時刻は23時を過ぎている。この時間にこれだけの老若男女が乗っているというのは、仕事帰りなのか飲み帰りなのか、いずれにせよ...
わたしは今日、初めて「三つの音」を聞き分けることができた。いや、弾き分けることができるようになった。今までも同じ曲を弾いてきたのに、なぜか突然、弾き分けられるようになったのだ。 正直、嬉しさよりも驚きが大き...
「ちょっといいかしら?」 目の前をゆっくりと進んでいた白髪の老婦人が、いきなり振り返りわたしに話しかけてきた。 高齢ゆえに歩みもゆっくりなので、追い越すのをなんとなく躊躇していた時、その迷いを察知したかのよ...
——とうとうこの時期がやってきた。 なんともいえない感慨深さとともに、わたしは手のひらをじっと見つめる。・・そう、わたしの手のひらは黄色い。それは半年前まで毎日、大量のミカンを食べていたせいだ。 最近すこし...
アメリカがわたしの入国を拒む話をしたが、今回はその逆に、出国を拒まれるかのような事件が起きた。 いつの間にかマッカラン空港が、ハリー・リード空港に名称変更していたラスベガス国際空港。わずが10...
わたしはアメリカに嫌われている。入国審査の際にゲートを閉じて通訳が呼ばれるくらい、なぜか拒まれるのである。 いまから10年以上前、メキシコ赴任となった友人を訪ねるべく、ロサンゼルス空港へ降り立...
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