外は寒いが太陽の日差し十分な本日の東京。
私は優雅に、そしてオシャレにチルアウトを満喫しようと、表参道のカフェに入った。
カフェでオシャレに過ごすには窓際は外せないわけで、さっそく青空を臨む開放的なテーブルにつく。
注文したのはドリップコーヒーとホットチョコレート。
これまた、冬の醍醐味ともいえるオシャレドリンクだ。
ハードカバーの本でも片手に熱いコーヒーを楽しみたいものだが、残念ながら文字を読むのは得意ではないため、外をぼーっと眺める私。
外はあんなにも寒かったが、ガラス一枚でこんなにも暖かいのかーー
そんな当たり前のことを思いながら、青空を見上げる。
最初の1分くらいは素晴らしかった。
真冬の青空ほど、透きとおった美しさを見せるものはない。
だが、
雲一つない青空は言い換えると「日光を浴び放題」なわけで、まぶしい。
今サングラスなど持っていない私は、悠長に外を眺めている場合ではない。
ちょうど向かいのビルにより日陰が形成される席があるので、そそくさとそちらへ移動する。
ーーおぉ、快適だ
今度こそ、直射日光をビルで遮りながらも美しい青空を拝める、最高のスペースを確保した。
そう思った数分後、
直射日光など比にならないほどの強烈な光が私を襲う。
光の正体は太陽。
ビルの陰のはずなのに、なぜ?
なんと、向いのビルが鏡張りでできており、太陽の位置が少しズレたと思ったら、ちょうど反射する場所に私が陣取っているのだ。
ーークソッ、まぶしくて目も開けてられない
優雅にチルアウトが突如サバイブと化した。
私めがけて照射してくる反射光を遮るため、顔の角度や向きを変えるもロックオンされている。
席を移動しようにも、窓側はすでに埋まっている。
かといって奥へ移動するのも癪(しゃく)だ。
ここで私は究極の遮光方法をひらめいた。
これは過去にも実践した方法だが、あのときは寒さをしのぐための苦肉の策だった。
だが今日は、日光を遮るための有効策と言える。
ーーマスクだ
そもそも「アイマスク」というものが販売されているわけで、目にマスクをすること自体、おかしなことではない。
そして本日、あいにく手ぶらで外出した私の所持品は、財布とスマホとマスクしかない。
財布を日よけに使えば良いのでは?
ノーノー、だったら手で十分だろう。
しかもそんなことで片手を占拠されては、優雅なカフェタイムにならない。
あくまでリラックスした状態でコーヒーをすするのがオシャレなわけで、そこに苦労が加われば優雅さに泥を塗ることになる。
私はいま外を向いて座っている。
道行く人がわざわざカフェを覗くようなことはしない。
あわよくば、カフェのガラスが反射して外から中は見えないかもしれない。
だったら私がどんなカッコをしていようが、誰も気にすることはない。
そう結論付けた私はさっそく、マスクを目にかぶせた。
ーーおぉ、最高に遮光されている
そこから30分ほど、私はセレブになったつもりでゆっくりとコーヒーを堪能した。
これがオシャレエリア・表参道のカフェでの優雅な過ごし方だ。
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