本日は所用で、上野・・というか御徒町にある「PARCO_ya(パルコヤ)上野」へ向かわなければならなかった。わたしにとって上野界隈は疎遠な地域であり、御徒町などさらに未知の土地といえる。そんな「山手線右上エリア」を訪れるとあり、土地勘のなさに懸念を抱きつつも、自宅からパルコヤ上野までの行き方を確認してみた。
(銀座線の上野広小路駅から徒歩一分か、アクセスしやすいな・・)
JRの最寄り駅は御徒町駅だが、パルコヤ上野までの最短経路となるのは東京メトロ・上野広小路駅か、都営地下鉄大江戸線・上野御徒町駅である。この辺りは出口によって距離が変わるため、いずれも「パルコヤ上野に近い出口から出た場合の距離」という点に注意しなければならない。
なんせ、大江戸線は地下深くまで下りる必要があり、地上出口がいくら目的地から近かったとしても、地上へ上がるまでの距離を加味しなければならず、数字上の距離や時間を鵜呑みにしては危険なのだ。
・・そんなこんなで、諸々の可能性を鑑みて安全確実な「銀座線・上野広小路駅A1出口から徒歩一分」を選択することにした。
パルコヤ上野のアクセスマップを見ても、グーグルマップで確認しても、どこをどう見ても上野広小路駅のA1出口からパルコヤ上野までは目と鼻の先。
ちなみに、パルコヤ上野は道路を挟んでお向かいさんである「松坂屋・上野店」と地下・3階・6(7)階でつながっている。だが、TOHOシネマズ上野はパルコヤ上野の7階にあるので、建物としてはパルコヤ側を目指す必要がある点に注意が必要。
ところで、なぜわたしがここまで神経質に出口の確認をしているのかというと、案の定、待ち合わせ時刻に遅刻しそうだったからである。とはいえ、上野広小路駅からダッシュすればギリギリ間に合う可能性があるので、とにかく最短経路を信じて進むしかないわけだが。
(まずは、溜池山王駅で一本はやい銀座線に乗れないだろうか・・)
乗り換え検索アプリは、普通に歩いて乗り換えができる時間で案内してくれるため、当然ながら最短距離をダッシュした場合の案内はしてくれない。だがわたしは知っている、"溜池山王駅における、南北線と銀座線の乗り換えは、30秒あれば可能"ということを。
南北線・浦和美園方面行きの最後尾のドア前に立ちはだかるわたしは、溜池山王駅に到着するや否や全力でダッシュした。そして階段を上りきった左手に、銀座線・浅草方面行きの車両が停車していることを確認し、ギリギリ滑り込んだ。
もしもこの乗り換えに失敗すれば遅刻は確実となる。それゆえに、一秒の無駄も許されない状況下で、日曜日ということも相まってまばらな乗客を縫うようにクリアしたのである。
(さて次は、上野広小路駅のA1出口への最短経路を確認しなければ・・)
せっかく一本早い銀座線に飛び乗ったはいいが、出口へ直行できなければ時間ロスで遅刻が確定してしまう。よって、ここからが真剣勝負となるわけだ。
銀座線に揺られながら上野広小路駅の構内図を見たところ、A1出口へ無駄なく向かうには後ろから二両目、または三両目あたりで降りるのがベスト。目の前に改札があるので、そこを突破して右折するとA1出口直結のエレベーターがある様子。
現在わたしは最後尾に乗車しているため、一つ隣りの車両へ移動しておこう——と思った瞬間、とんでもない落とし穴に気がついた。
(こ、これは渋谷方面行きのホームの配置ではないか!!)
そう、A1出口は渋谷方面ホームからは繋がっているが、わたしが乗っている浅草方面行きのホームからは、さらに地下へと下る階段を使って線路をくぐり、渋谷方面ホームを経由しなければたどり着かないのである。しかも、その連絡通路は車両前方から伸びているため、最後尾のここからでは時間的なロスが大きい。いずれにせよ、前方へ移動しなければ——。
正直、これはとんでもない罠である。電車を降りてすぐに出口がある・・と勝手に思い込んでいたわたしは、絶望のあまり頭を抱えた。
(まずい・・このままでは遅刻が確定してしまう)
しかし、ふとあることに気がついた——なにもA1出口にこだわらなくてもいいのではないか?いったん地上に出てから、地上経由でパルコヤ上野へ向かう経路を探せば、間に合う可能性があるのでは。
再び、上野広小路駅の構内図に目をやると、なんとわたしが乗っている最後尾車両の目の前に、ポツンと改札が存在するではないか。そしてそこから「地上へ」と書かれたエレベーターのマークが描かれているのだ。
何番出口・・という名前はないが、地上へ脱出できることは確実とみた。であれば、地上に上がってから横断歩道なり歩道橋なりがあれば、そこをダッシュすれば間に合うかもしれない——。
続いてグーグルマップを開くと、上野広小路駅の周辺をガンガンピンチアウトし、パルコヤ上野と上野広小路駅「地上へ」出口との間を走る「中央通り」に、横断歩道があるかどうかを確認をした。
(・・・あった!)
なんと奇跡的にも、地上出口の目の前に横断歩道が描かれているではないか。信号の状況にもよるが、タイミングが合えばむしろA1出口よりも早く到着するかもしれない。
(フフフ、勝った)
わたしは勝利を確信した。ダッシュで飛び乗った銀座線といい、謎の地上出口の存在といい、地上へ上がった瞬間に横断歩道があることといい、まるでわたしのために用意された最短経路といえる。そう、この世に神はいるのだ!
上野広小路駅に到着した途端、わたしはダッシュで飛び降りると改札を走り抜けた。そしてエレベーターのボタンを連打し、地上へとたどり着いた。すると・・・
(なんじゃこの雨は!!!)
家を出た時は曇りだった空から、大粒の雨が降り注いでいるではないか。とてもじゃないが、傘がなければびしょ濡れになる雨量・・・クソッ!こんなところで無駄足を踏むのか——。
ところがわたしは、重さ70グラムの超軽量折りたたみ傘を常備していることを思い出した。あまりに軽すぎてついつい忘れてしまうのだが、バッグの底を手であさると、ちゃんとその存在に触れることができた。
しかも横断歩道の信号は青で、あと少しで赤に変わる・・という局面。こうしてわたしは、傘を広げながらダッシュで横断歩道を渡り切ったのである。
*
パルコヤ上野の入り口を探すのに手間取ったため、結果的に2分のタイムロスとなってしまったが、それでも約束の時間ピッタリに到着することができた。
とはいえ、じつはこの「約束の時間ピッタリ」はすでに15分の遅刻を考慮した時刻だったため、個人的には間に合ったが客観的には思いっきり遅刻していたのだ。
・・というわけで、最寄り駅からの経路は出口の確認とともに、ホームと出口の関係性もチェックすることをオススメしよう。
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