灰色の毎日

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いま、わたしの日常がとんでもなくつまらない状態になっている。

事あるごとに「こんな毎日で、生きていて楽しいのか?」と問いただしたくなるほど、凡庸で味気ないルーティンの繰り返し——。とはいえ、そんな生き方を自ら選んでしまったのだから、今さら愚痴をこぼしたところで自業自得ではあるが、それにしても毎日の楽しみであり生き甲斐であった「カフェ案件」を制限されることで、こんなにも灰色の人生になってしまうとは、体験してみてビックリの結果なのである。

 

「おぉ、ついにカフェへ行く回数を減らしたのか?!」

残念ながらそれはない。むしろカフェを利用する回数は増えているが、オーダーするドリンクに異変が起きているのだ。

なぜなら、内臓脂肪を減らすべく始めたダイエットは半月が経過したが、食事管理アプリによるPFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)バランスをみると、不思議と「脂質」の数値が超過しておりAIのお姉さんに怒られる・・という失態を繰り返していた。

そこでわたしは、飲み食いするものの脂質をカットするべく厳しいチェックを行うようになった。その結果、サラダはドレッシングなしでダイレクトに食べるようになり、それどころかすべての食べ物から調味料(納豆やめかぶに付いているソースなど)の存在を消し去り、ミルクやヨーグルトは無脂肪や脂質ゼロのみをチョイスするようになったのだ。

 

このような”徹底した鋼の意志”をもってカフェを訪れれば、当然ながらブラックコーヒー中心の注文となること必至。とはいえ、それだけでは実際のところ商品が限られてしまう——そう、ドリップコーヒーにアメリカーノ、そしてアイスコーヒーという3点に絞られてしまうため、加えて無脂肪乳のカフェラテやカプチーノで帳尻合わせをするわけだ。

しかしながら、これのどこが「人生をつまらなくさせているのか」というと、わたしはこれまで、むしろカフェラテ系を好んで飲んでいたことに気が付いた。しかも、そこに使われる”ミルクをアレンジ”するのが楽しみだったのだ。

たとえばソイラテやオーツミルクラテ、アーモンドミルクラテに抹茶ラテ。時にはミルクを変化させて、ブレべミルク(牛乳とホイップを混ぜ合わせた、濃厚で滑らかなミルク)で優雅なひと時を過ごすことも——そんな日々の楽しみを、脂質制限ダイエットという鬼軍曹が奪い去ったのだ。

 

目の前に並ぶ黒い液体の数々を見降ろしながら、わたしは思った。

(これはこれで悪くはないが、ラテの楽しみを失った日常はどこか陰のあるくすんだ人生に感じる)

とはいえ、ブラックコーヒーにもひと手間加えて「アレンジ」を心がけている。たとえば、ドリップにはちみつを垂らしたり、アメリカーノのエスプレッソをブロンドに変更したり。だが、そんな小手先のごまかし程度では、カフェイン中毒のわたしを満足させることはできない。あぁ、ブレべラテが恋しい——。

 

ダイエット開始当初は、固形物の摂取を控えた分ドリンクの量が増えた。それに伴いカフェへ通う回数も激増したのだが、空腹を紛らわせようとしたのかラテ系の飲み物を無意識に注文していた。そして正直にそれらの申告をしたところ、なぜか毎回「脂質がかなりオーバーしていますね」と注意を受けていたのだ。

そして、わたしが飲み食いしたものの脂質ランキングを見てみると、いつも上位にラテ系が並んでいた。もちろん、ドリンクのサイズが大きいことも影響しているのだが、脂質のみならずカロリーも他の食事と比べてぶっちぎりで高く、これは明らかに控えるべきメニューであることが露呈されてしまった。

 

無論、未来永劫”脂質”を制限するつもりはない。だが、ダイエットを開始してすぐに体重はガクンと落ち、それが一週間ほど続いたところで急に元の重さへと跳ね上がり、そのまま高水準の体重を維持しているという現状。

日々の摂取カロリーはおおそ1300キロカロリーと、今までのわたしの一食分しか取り込んでいないというのに、なぜ体重が減らないどころか増えているのか理解に苦しむ。その結果として、AIお姉さんに注意されている「脂質」に着目したのである。

脂質というのはダイレクトに脂肪となるため、炭水化物のような動力源としての価値は少ない。であれば、むしろ脂質をカットするべきなのではなかろうか——ということで、脂質を制限することに尽力する日々を送っているのである。

 

それにしても、ダイエットのお供といえば「豆腐」が真っ先に思いつくが、こいつは意外にも脂質が高いことに驚かされた。素人考えでは、「小腹が空いたらナッツをつまみ、豆腐やヨーグルトでヘルシーな食生活を送っていれば簡単に痩せるだろう」となるのだが、これらはいずれも高脂質な食べ物であることを生まれて初めて知った。

もちろん、少量を食べ続ける分には効果的だが、体内の脂肪を減らす目的で食事管理をするならば、どう考えても脂質を制限しなければ埒が明かないわけで。

 

(そんなことは分かってる。分かってはいるが、毎日が灰色で味気ないんだよ!!)

 

あんなにもわたしを笑顔にしてくれたカフェラテ・・いや、様々なミルクの存在を奪われた今、わたしにとって生きる喜びはほぼ皆無。あぁ、頼むから内臓脂肪よさっさと消えてくれ——呪文のようにブツブツと呟く午前4時過ぎなのであった。

 

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