月、火、水、この三日間で体重が4.5キロ増えた私。つまりこれは、体重が増える=脂肪が増えたわけではないどころか、短期間で増えた体重というものは「どれだけ飲み食いしたか」で決まるということが分かる。
そして体重増加は、物理的な食べ物の量が反映されているわけだが、その引き金となっているのは「メンタル」以外の何ものでもない。
よく、失恋して落ち込んでいる女子が、
「食欲がない」
と嘆いているが、これもやはりメンタルからくるもの。そして想いの丈を友達に吐き出した後に、
「もうやけ食いしちゃう!」
これもやはり気持ちの変化からくる食欲だ。つまり、ある程度気持ちがスッキリすると、人間は腹が減るものなのだ。むしろ次へのステップが見えた時こそ、漲る食欲に包まれる。
しかし内臓のことを思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる、嘘ではない。にもかかわらず、この三日間はとにかく食べた。肉、米、パンケーキ、菓子、野菜などなど種類を問わず、食い物であればすべて胃袋へと流し込んだ。
そしてこういう時こそ、なぜか暴飲暴食の機会に恵まれるから不思議だ。どこからともなく食糧が送られてきたり、誰からともなく飯に誘われたり、あるいはデパートで美味そうな食べ物を見ると片っ端から買い占めたり。
そのくせ、自宅に保存してある食糧は早めに平らげなければならないわけで、腹いっぱいで帰宅した深夜にガサゴソと小さな冷蔵庫から食糧を漁り、再び食べ始めるのだ。
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自分で自覚する限りでも、食欲と睡眠に波がある。食べるときの凄まじさと、食べないときの冬眠具合いの落差は驚くほどデカい。
食べるときはちょうど今のように、起きている時間はほぼすべて、何かを食べることに費やされる。そして食べないときは、コーヒーや水以外は一切口に入れない。
問題なのは、固形物をまったく食べないことで生活に支障が出ると思いきや、どんなに激しいスポーツをしようがまったく影響がないため、改善しようともしない悪循環となることくらいか。
同じく睡眠についても、一日のほとんどの時間寝ている日もあれば、30分ほどの睡眠でも活発に動けるときもある。これに関しては仕事に支障が出るため、一日中寝ることは理性を奮い立たせて阻止しているのだが。
そしてこれらの波は毎月訪れる。さらに、食欲と睡眠のアンバランスが重なることはない。つまり、どちらかの欲求が常に優位に立っており、週単位でそれらの荒波に揉まれて生きていることになる。
「そんな食生活してたら、病気になるよ」
まっとうな意見をしょっちゅういただく。無論、自分自身で生活習慣病を気にしていないわけではない。いつ異変が起きるのか、常にビクビク怯えながら暮らしている。
過去に何度か血糖値の検査を受けたことがある。数値が異常、あるいは高めだから要注意と言われる覚悟で、深紅の血液を抜かれ検査結果を待った。
――今日からは食生活を改めよう。自分だけが特別だなんて、決して思わないようにしよう。内臓に負担をかけてはいけない、うぬぼれるな、猛省しろ。
こうして絶望を抱えながら検査結果を聞きに病院を訪れると、診察はあっさり3分で終了。どの数値も異常なし。ただし毎回、一つだけ注意を促される項目がある。それは「クレアチニン値」というやつだ。
クレアチニンは、体に不要なものの一つです。筋肉を動かすためのエネルギーを使うと発生します。血液に含まれるクレアチニンは、腎臓でろ過されて、尿として排出されます。(腎らいぶらりより引用)
さらに血液中のクレアチニン値が高い場合は、腎臓の働きが悪くなり尿が作れなくなる恐れがあるとのこと。あぁ、ついに人工透析の未来が待っているのか――。
ただし補足がある。
「若い男性など筋肉が多い方はクレアチニン値は高く、女性や高齢者など筋肉が少ない方は低くなります」
これは血液検査のたびに、毎回ドクターから言われるセリフだ。私のカラダを舐めるように見回して、
「あまり気にしなくていいでしょう」
と、意味深な発言をする。そういえば過去に、血液に筋肉の破片が混じっているということで、再検査をされたことがある。あの時もイヤらしい目つきで私のカラダを観察しながら、
「激しい運動後で筋肉量が多い場合に起こることなので、問題ありません」
と、若いドクターが言った。
話が逸れたが、とにかく体に気を使っていないわけではない。それでもつい、暴飲暴食をしてしまう期間が定期的に訪れるのが私。
などと正当化しながらも、焼き芋メーカーが出来上がりを告げたので、サツマイモの様子を確認してこよう。
サムネイル by 希鳳
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