強度近視にとっての「高級メガネの価値」

Pocket

 

先日、久しぶりにオシャレメガネを購入した。

オシャレというか、正確には"高級メガネ"というべきか。なんせ、フレームだけでン万円するわけで、レンズと合わせたら二桁を超える勢いであり、これはもう後生大事にしなければなるまい。

 

ちなみに、過去に購入した高級メガネは、日本が誇る福井県・鯖江市に本店を構える、金子眼鏡(かねこがんきょう)の黒縁メガネだった。

重厚感のある分厚いセルフレームに、これまた強度近視ならではの分厚いレンズがはめ込まれた、それはそれは立派な逸品である。

 

余談だが、わたしはメタルフレームのメガネを持っていない。なぜなら、どう頑張ってもレンズの厚みを抑えることができないため、その結果、フレームとのバランスが不安定になるからだ。

今回も、レンズとフレームとのバランスについて店員と話していた時に、

「このフレームならば、レンズがはみ出ることはありませんよ!」

と自信たっぷりに断言してくれたが、実際にはフレームからはみ出てしまったわけで、内心「わたしの度数を舐めないでもらいたい!」と苦笑したのである。

 

そんなこんなで、メタルフレームではレンズの安定が保てないため、セルフレーム・・しかも極太のデザインを選ばざるを得ない、というのがわたしの"メガネ事情"なのだ。

そして立派なフレームは当然ながら重量がある。そこへ分厚いレンズをはめ込んだならば、さらに重たいメガネが出来上がる。

そのため、自宅でメガネをかけると30分もすれば耳や鼻が痛くなるのだが、こればかりはどうしようもない現実であり、受け入れるしかないのである。

 

ちなみに、外出する際はコンタクトレンズを装着するため、自宅以外でメガネ姿を披露する機会はほぼない。だが、いつどこでメガネが必要になるかは分からないので、一張羅を所持しておいて損はないだろう・・ということで、その当時、金子眼鏡で立派な逸品を購入したわけだ。

そして今回、ひょんなきっかけというかご縁があり、高級メガネのファッションリーダー的存在Lunettes du JURA(リュネット・ジュラ)のメガネを購入することとなった。

 

そもそも、ジュラのメガネを知ったのはインスタだった。カラフルで変わったデザインのメガネだな・・という好奇心から、フォローしたのがキッカケ。

それがなんとも意外で奇妙な出会いを経て、グーンとジュラに急接近することとなったのだ。

(これもなにかの縁だろう。よし、一本買っとくか・・・)

 

正直、メガネはコンタクトを外している間しかかけないので、寝起き前後くらいしか必要としていなない。おまけに、あれほど絶賛していた金子眼鏡だが、じつは引き出しの奥で健やかに眠っている。

なぜなら、先にも触れたとおりメガネ自体が重いため、長時間装着することができない。そこでわたしは、Zoff(ゾフ)で1万円程度のお手頃メガネを購入した。

Zoffのなにが素晴らしいって、安物だからかは分からないが、とにかく軽い!! もう、メガネをかけたままゴロゴロしてしまうほど、気を使うことなく自然体でメガネをかけられるのだ。

 

(フレームが曲がったり取れたりしても怖くない。なんせ、安いんだから!)

・・などと貧乏人のくせに不謹慎なことを考えながら、「メガネは安価に限る」と決め込んでいたわたしが、再び、満を持して高級メガネに手を出すこととなったのである。

 

 

ジュラのメガネは、とにかくカラーとデザインが豊富で奇抜・・おっと、その前にブランドの語源について触れておこう。

フランスのジュラ地方は、日本でいうところの鯖江のような存在で、ヨーロッパにおける"メガネの中心的産地"なのだそう。そして、フランス語で「リュネット」はメガネ、「ジュラ」は地名のため、リュネット・ジュラは『ジュラ(地方)のメガネ』という意味になるのだ。

 

そんなメガネの聖地・ジュラ地方で作られた、カラフルで楽しいフレームを日本で手にすることができるとなれば、これは高価であっても買って損はない。

——というわけで、表参道ヒルズにあるジュラの店舗を訪れた。

 

今だから言えるが、社交辞令的に展示されているメガネを物色したわたしは、じつのところ入店してすぐにお目当てのフレームを決めていた。

こういうときはアレコレ迷わず、ファーストインプレッションに乗っかることにしているため、一通り見まわった後でお目当てのメガネへと直行した。

 

それはHENAU(エノウ)という、ベルギーのメガネブランドのフレームだった。

灰色というか、蕎麦に白を混ぜたような不思議なアイボリーに、フォックスタイプの両サイドがつり上がったフレームは、見ているだけで気分がアガるオシャレメガネ。

(このシャレたフレームに、度のキツいレンズを入れたら、やはり残念なことになるだろうな・・)

 

繰り返しになるが、わたしの度数は一般的ではない。むしろ、わたしより強度な近眼の人とは出会ったことがないくらい、残念だが貴重で珍しい度数なのだ。

そのため、どんなにオシャレなフレームであっても、牛乳ビンの底のようなレンズがはまっていては、どれほど気張ったところでオシャレには見えないのである。

 

・・とはいえ、これは今に始まったことではない。よし、パンチの効いたイカしたフレーム君に、気分をアゲてもらおうではないか!

 

 

ということで、リュネット・ジュラで手に入れたエノウの高級オシャレメガネをかけながら、このコラムを書いているわたし。

だが、メガネをかけたところで視力は0.6程度なので、自分の顔を鏡で見たとてよく分からない。そしてわたしがこのメガネを見るときは、いつだってコンタクトを装着した状態で眺めるわけで、そうなると"シャレたメガネ"の状態でしか、わたしが視認することはないのだ。

(・・よかった、イカしたメガネで)

 

メガネ姿のわたしを見るのは、わたしではない。なぜなら、他人がわたしを見るだけだからだ。

そしてわたしがメガネを見るときは、このメガネだけを愛でる・・という楽しみ方でいい。なぜなら、それもまた一興だからだ。

 

Pocket

2件のコメント

いつもながらに,
楽しいメガネのお話❣️ありがとうございます。

リカちゃんの使い方なら、メガネは消耗品であっても、消耗しない,
いわば資産価値の減らない金の指輪のようなものですね。

使用頻度が少ないのはちょっと残念に感じるかもしれないけど、
メガネフレームって、同じファッションでも服や靴などど違うのは、
軽く10年くらいはお気に入りのまま使えてる、termの長いファッションアイテム
なのです。
それにそのフレームなら、時間を経る程に魅力が増していくような気がしますね。
兎に角その素敵なフレームを選んだのはすごいセンスです。

こちらこそ、素敵なメガネとの出会いをありがとう!
こういうのって、運というか偶然の積み重ねで引き寄せられるものだと思う。だからこそ、このメガネとの出会いを大切にしようと思うよ(といいながら、高級メガネをつけたまま寝るという暴挙をお許しください笑)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です