「ケーキを等分に切る」という難しさ
今から三年前に、とある一冊の本が注目を浴びた。 その名も「ケーキの切れない非行少年たち」。著者であり、立命館大学大学院人間科学研究科教授の宮口幸治氏は、過去には児童精神科医として、医療少年院や精神科病院に勤...
今から三年前に、とある一冊の本が注目を浴びた。 その名も「ケーキの切れない非行少年たち」。著者であり、立命館大学大学院人間科学研究科教授の宮口幸治氏は、過去には児童精神科医として、医療少年院や精神科病院に勤...
私は都内で塾を営む、バツイチ四十代の男である。 だが塾と言っても学習塾ではない。男塾の現代版のようなもので、立派な社会人を養成するための「人間塾」を開いているのだ。 なに、大したことは教えてい...
コップを洗いに流し台へ向かったわたしは、目の前で起きている恐ろしい状況に言葉を失った。 ここはオフィスの給湯室。事件が起きるような場所ではない。なのに今、わたしが見ているものが事件の一部でなければ、いったい...
(なんだよこの長蛇の列は) 洒落たカフェの窓伝いに、暇そうな女どもが並んでいる。前のババァらは子どもの受験話に花を咲かせているし、後ろの女子は無言でケータイをいじっている。 まぁすることもない...
人生で土下座をした経験がある人は、どのくらいいるだろうか。私は一度だけある。しかも池袋駅のホームという、大都会の公衆の面前で。 だが案ずるなかれ。土下座しろと言われてしたわけではない。自ら率先...
「URABEさん、戦争がはじまりますよ」 突然、悪友からLINEが届く。彼はフィリピンのミンダナオ島に拠点を持ち、日本と東南アジアを股にかけてビジネスを展開する、違法臭プンプン漂う悪い奴である...
流行りの漫画を読んでいると、目の前で起きていることや自分が置かれている状況が、現実か否か区別がつかなくなることがある。そして、倫理観が欠如していたり精神的に幼かったりすると、現実を忘れて漫画の登場人物になり...
「あぁ、私は生きている!」と実感するのはいつだろうか? 私の場合、怪我や病気にかかった時だ。体が健康でなに不自由なく動けるときは、それが普通で当たり前だと思い込んでいる。 だがひとたび、足を骨折したり十二指...
自宅での作業中に、ふとコーヒーが飲みたくなった。早速、ウーバーイーツのアプリを起動しようとタップするも思いとどまる。 (1分歩けばスタバがあるじゃないか) 窓の外は青空が広がる。 人間にとって...
(お、いよいよその時がくるか?) 一瞬、わたしは軽く身構えたが、相手にその気はなさそうだったので、そのままそっとドアを閉じた。念のためドアレンズから外を覗くも、エレベーターに乗り込み一階へと去って行く男の姿...
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