髪の毛の奇妙な冒険
流行りの漫画を読んでいると、目の前で起きていることや自分が置かれている状況が、現実か否か区別がつかなくなることがある。そして、倫理観が欠如していたり精神的に幼かったりすると、現実を忘れて漫画の登場人物になり...
流行りの漫画を読んでいると、目の前で起きていることや自分が置かれている状況が、現実か否か区別がつかなくなることがある。そして、倫理観が欠如していたり精神的に幼かったりすると、現実を忘れて漫画の登場人物になり...
「あぁ、私は生きている!」と実感するのはいつだろうか? 私の場合、怪我や病気にかかった時だ。体が健康でなに不自由なく動けるときは、それが普通で当たり前だと思い込んでいる。 だがひとたび、足を骨折したり十二指...
自宅での作業中に、ふとコーヒーが飲みたくなった。早速、ウーバーイーツのアプリを起動しようとタップするも思いとどまる。 (1分歩けばスタバがあるじゃないか) 窓の外は青空が広がる。 人間にとって...
(お、いよいよその時がくるか?) 一瞬、わたしは軽く身構えたが、相手にその気はなさそうだったので、そのままそっとドアを閉じた。念のためドアレンズから外を覗くも、エレベーターに乗り込み一階へと去って行く男の姿...
突然だが、私は喪服だ。 ひとり一着は持っていなければならない、究極のマストアイテムである喪服。制服の学校に通う生徒ならばいざ知らず、いい歳した大人が喪服の一つも持っていなければ、笑い者どころか常識知らずの恥...
人間は自分の死期を前もって知ることはできない。よって、一分後には死んでいる可能性も十分ある。天変地異など予測できたところで防ぎようもなく、そうなったら運を天に任せるしかない。 そのくらい、人の命など短くて儚...
(オレはもう二度と、遅刻などしないだろう) そんな確信に近い手ごたえをひしひしと感じた。JR中野駅から数百メートルほど離れた道端で、オレは小さくガッツポーズをした。 * &nbs...
お気に入りの服や靴を買ったはいいが、滅多に着用せずにしまい込んだり、誇らしげに飾って眺めたり、そんなタイプはいないだろうか? わたしは逆にお気に入りばかりを着用するため、すぐダメにするタイプだ。とくにダメー...
これだから現金なんて持ち歩かないほうがいいんだ――。 私はいま台場のスタバにいる。そしてベンチのようなソファに腰かけて仕事を進めているのだが、さっきから私の左30センチ横にチラチラ光るものがあ...
東京は摩訶不思議な都市だ。なかでも新宿は魔界である。 * 大学入学と同時に静岡から上京してきた俺は、都内の外国語スクールに就職して7年が過ぎる。人付き合いが得意なほうではないため、飲みに誘われても断り続けた...
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