突然だが、
「ブラジリアン」
「ハーフバック」
「フルバック」
これらの名称を聞いて、何を思い出すだろうか。
そう、パンツの種類だ。決して「ブラジリアン柔術」ではないのでお間違いなく。
*
わたしは昨日、ブラジリアンショーツをオンラインで購入した。
ブラジリアンショーツとは、簡単にいうと「布面積の少ない、エロいパンツ」のこと。そしてパンツの種類はティーバック、ハーフバック、フルバックと様々だが、わたしはティーバックを好んで履く。
なぜなら、尻がデカいためフルバック(尻全体を布が覆う形)では布が伸びてしまうからだ。ハーフバック(尻の半分を布が覆う形)でも若干ビローンとなるため、だったら元から伸びる要素のない「ティーバック」がエコだろう、という考えに基づく。
そのくせ、こだわりがある。パンツたるもの、ジャストフィットでなければならない。特に男性諸兄に想像してもらいたい。女性のパンツがビロビロに伸びていたり、オバハンが履いてそうなデカパンだったりしたら、百年の恋も一時に覚めるのではなかろうか。
この意見には激しく同意。パンツはピッタリ、もしくはややくい込むくらいがちょうどいい。ましてや、ブラジリアンショーツのような布面積が少ないパンツがユルユルだったら、それこそ「ミニいったんもめん」ではないか。
パンツへのこだわりの強いわたしは入念にサイズを確認。さすがは海外サイト、XSからXLまで幅広く展開されている。わたしの尻はデカい。それゆえ、日本人サイズならばLとなるが、海外サイズならばMで十分だろう。
それにしても外国人の尻のデカさには面食らう。むしろ尻がデカい方が価値があるという文化なのだから、敵わない。
最終的に気に入ったデザインのパンツを3種類、合計17枚購入した。なにも大量に購入したかったわけではない。1種類が5枚セットや7枚セットのため、必然的に枚数が増えてしまうのだ。
そして本日、パンツが到着。早速段ボールを開梱し試着。
(・・・・ん?)
パンツを手にした瞬間、なんだかダラッとした台拭きのような様子。
――これはパンツだよな?しかも布面積の少ない、セクシーなブラジリアンショーツだよな?
訝(いぶか)しがりながらも取り合えず試着。すると、引き上げたパンツが腹の上まで到達するではないか!!!ましてやティーバックゆえ、わたしのデカい尻に引っかかることなく持ち上がり、胃袋あたりまで伸びている。
――し、しまった!!
時すでに遅し。すべてのタグを外し終えた17枚のデカパンは、日の目を見ることなく「使い捨て」される運命となった。
せめて一度は着用してあげよう、せめてもの優しさとして――。
*
「誰かにあげれば?」
考えなくもなかった。だが未使用とはいえ、タグも付いていないパンツをもらうのは抵抗があるはず。ましてやわたしにとってデカいパンツを、普通に履けるような体格の女性がいるだろうか。いたとしても、なんと言って渡せばいいのか。
「ちょっと大きかったから、よかったら使って」
「それって、アタシが太ってるってことだよね?」
間違いなくこうなる。
結果的に「使い捨てパンツ」となってしまったおニューのブラジリアンショーツ。いや、むしろ履いていても履いていないのと同じくらいユルユルだから、履かなくてもいいのでは?とまで思い始めた。
とは言え、このままでは腹の虫がおさまらない。早速サイトを開くと、今度はSサイズのブラジリアンショーツを探し出す。
――さすがに同じものを再購入するのも癪(しゃく)だから、ちょっと違うデザインにしよう。
こうして新たに選ばれしティーバックは13枚。今回は5枚+5枚+3枚の組み合わせだ。今度こそ、ピタピタでドセクシーなパンツが届くに違いない。
*
海外製品を購入する際、サイズはかなり注意が必要。大概「デカい」のだ。日本でMサイズの人ならばUSサイズはXSでもいいくらい、外国人のボリュームは桁違い。
「サイズチャート」を参考にするだけではジャストフィットにたどり着けないことを、身をもって知った深夜であった。
サムネイルは、石垣島初の「女性専門尻トレ教室」の講師、関口あきこ先生の美尻!
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