無毛地帯の悲劇

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わたしは女性なので、女性にしか分からない話を書こう。

男性がこの記事を読む場合、女性の見えない努力の裏側を、しかと脳裏に刻み込んでもらいたい。

 

 

先日、10回目くらいのVIO脱毛に行ってきた。

毛というのは季節によって活発に生えたり弱々しくなったりするものなのだろうか。そんなはずはないが、春の陽気に誘われて、わたしの毛が一斉に主張を始めた。

 

わたしが取り組んでいるのは、医療脱毛ではなく美容脱毛。メリットとして、医療に比べて桁違いに痛みがないこと。さらに、毛根(メラニン色素)へ光を当てる前に塗布する「ジェル」に美肌効果があるので、脱毛するたびに肌の手入れもできること。

 

医療脱毛=永久脱毛と呼ばれるが、「永久に毛が生えてこない」ということではナイ。人間の生命力を舐めるべからず。早い人だと5~10年で永久脱毛した箇所から再び「新芽」が生えてくる。

つまり、「この一回で一生楽できる!」などという魔法ではないので、ツキイチでも気長に取り組めるサロン脱毛のほうが、精神衛生上健康的であると断言できる。

 

 

VIO脱毛の前、当然のことながら毛の処理を行う必要がある。毛根(メラニン色素)へ光を当てるには、毛を剃った状態でないと光が届かないからだ。

そのため、サロンへ行く直前にシャワーを浴び、全身隈なく毛を剃り落とす。とくにVIOを処理をするとき、こちらの真剣な表情とは裏腹に間抜けなカッコをするわけで、全国の女子がやっているとはいえ、他人には見られたくないポスチャーだ。

 

とはいえ剃毛に羞恥心など感じていると、施術をするお姉さんに、

「ちょっと残ってますね、シェービングしますね」

とチクリと苦言を呈され、剃り残しの処理をしてもらうことになる。「毛の処理すらできねーのか!」と暗に言われた気がして、こっちの方がよっぽど恥ずかしいのだ。

 

そして、剃り残しと同じくらいに恥ずかしいのが、トイレットペーパーがくっ付いているとき

これはVIOの処理(ツルツルに限る)をしている人あるあるだが、トイレに行ったとき、トイレットペーパーで水分を拭き取ろうとすると、無毛地帯にトイレットペーパーが付着してしまうことがあるのだ。

 

用を足した後、ウォシュレットでキレイに水洗いし、トイレットペーパーでポンポンと水分を吸収させて終わらせるのが一般的。

しかしトイレットペーパーは水に溶けやすくもろいため、ポンポンとやっただけでもペーパーが崩れて皮膚に貼りついてしまうことがある。

こちらもポンポンした後にのぞき込んでまで確認しないため、いざお姉さんの前でパカっと足を開いた時、自分ではなくお姉さんがトイレットペーパーの残骸を目の当りにすることとなる。

 

これについて、施術者のお姉さんに尋ねた。

「んー。それは普通のことなので、私は何とも思いません」

恥ずかしがる様子もなく、強い口調でそう答える。

 

たしかに、我々が他の女性のデリケートゾーンをまじまじと見る機会など、ほぼない。しかし脱毛サロンで働く女性にとってはそれが仕事であり、トイレットペーパーの一枚や二枚、なんてことないのだ。

 

「だってくっ付いちゃうものですから。当たり前のことなんです」

クスッともせず、真面目な表情でそう続けるお姉さん。

ーーそうか、自分が知らないから恥ずかしいと思うが、これが当たり前の人にとってはなんでもないことなんだ。

 

そんなことすら気付かなかったわたしは、別の意味で自分を恥ずかしく思った。

 

 

とはいうものの、できればお姉さんにトイレットペーパーの破片など見せたくない。とそのとき、ふと思い出した言葉がある。

「あなたは何のためにパンツを履いているの?」

そうだ。あれはインドへ行ったとき、インド人女性からパンツについて説教された時の彼女のセリフだ

 

水で洗ったお尻を拭くのにトイレットペーパーなどいらない。だってパンツを履いているじゃないーー。

 

わたしを真っすぐ見つめながらそう言い放った彼女。

そうか、もしかするとそういうことなのかもしれない。トイレットペーパーはたしかに肌に付着しやすい。だったらウォシュレット後に、そのままパンツを上げてしまえばいいのではないか。

 

「何のためのパンツだと思ってるの?水分を拭き取るためのものでしょ?」

 

これこそが正解である気がしてきた。さすがはインド、今さらながら脱帽の思いだ。

 

 

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