全URABEライフル協会(NRA)

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散弾銃を所持するわたしは、3年に一度の更新を迎えた。肋軟骨骨折を理由に銃検査も同時に行ってもらい、大満足。

さらに警察署へ到着すると、一階の入り口まで生活安全課の警察官が出迎えに来てくれるではないか。

「大丈夫ですか?肋骨」

まぁ、肋骨と肋骨はふつうに聞き間違えるので仕方ない。

 

3階の生活安全課に到着すると、今度は保安係が総出で待ち構えている。そして、最終的にいただいた課長からのお言葉は、

「腰、大丈夫ですか?」

ということで、だれ一人として私のケガを正しく把握している人はいなかった。

 

 

銃の更新では身辺調査というものがあり、親族、仕事関係者、友人知人へ電話による聞き取りを行う。そのため、前もって数人をピックアップし、警察へ伝えておかなければならない。

ここで問題なのは人選だ。わたしの友人はなぜか変わり者が多く、下手なセレクトをするとこちらが痛い目にあう

 

そして友人らはことごとく、

「いつも銃チラつかせて脅されてます、って言っとくわ」

「最近はケガのせいか変なこと口走ってますよ、って言うわ」

「近所でいつも暴れてます、って言うわ」

などなど、ろくでもない対応しかしなそうなラインナップ。

 

さらにここで問題となるのは電話番号だ。

そもそも「電話」をすることがないため、友人らの番号を知らない。普段はSNSでのチャットか通話で済ませており、いざ電話番号を聞かれるとほとんど知らないことに気付く。

 

大至急電話番号が必要なわたしは、平日の午前9時すぎにせっせと友人らへLINEをする。(仕事中は)LINEなど見ないかもしれない、という不安を抱きながら。

 

ついでに、ここで送る文章というのもなかなか難しい。

「警察から電話いくから、番号教えてもらってもいい?」

こう一言で済ませたいが、上手くはいかないだろう。まずは番号が必要な理由を伝えなければならない。かといって「警察」というワードを出すと警戒される。口頭で説明できればいいが、既読にならないーー。

 

10人以上にメッセージを送った結果、最終的に返信のあった4人の電話番号を警察へ提出。

とりあえず、電話口で余計な情報を提供しないかと今からビクビクしている。

 

 

生活安全課課長との面談。

簡単な自己紹介の後、先月、富山で起きた警察官の発砲による死亡事件の話題に。

「拳銃を撃ったことのない人にはわからないですよね、あの結果の意味は」

わたしが問いかける。

「おっしゃる通りなんです。私たちは絶対に被疑者以外にあててはならない。その上で、あの結果をどう捉えるのか難しい部分ではあります」

課長が答える。当然のことなのだが、これがどれほど「当然」といえるのか、感覚的に分かる日本人はどのくらいいるだろうか。

 

バレルと呼ばれる銃身には「ライフリング」という螺旋状の溝が彫ってあり、それにより真っすぐ弾を飛ばすことができる。

しかし拳銃は、携帯性や取扱いの面からもコンパクトにできており、銃身が短いゆえライフリングがほとんどない。

 

さらに実弾を発射するためには、弾のお尻=雷管に強い衝撃を与え、火薬を爆発させなければならない。

「強い衝撃」を起こすには、引き金を引くことで圧縮していたバネが開放=撃鉄が落ち、その反動で雷管を叩き火薬を爆発させることになる。

 

これらの動作の起点となる引き金は、ある程度の重さで設定されており、極度の緊張下では「ガク引き」の恐れがある

ガク引きとは、なんらかのプレッシャーにより指に力が入り、引き金を引く瞬間に銃口があらぬ方向を向くことを指す。

 

ましてや職務といえど、人間に向かって発砲する心理状態など、わたしを含め一般市民に分かるはずもない。

ただでさえ命中率の低い拳銃で、被疑者のみにあてる技術、いや、精神力は相当なものだ。

 

つまり、6メートルも離れた場所から的確にあてることは難しく、結果的に被疑者死亡となったが、拳銃の使用が適正だったのであれば逆に称えるべき職務執行といえる。

 

そのくらい、拳銃を人間に向けること、弾をあてることの「意味」は重く、良し悪しの範疇を超える行為だと感じる。

 

 

話に花が咲くが、そろそろお暇(いとま)する時間だ。

「毎回言っておりますが、銃が『重い』と感じたら返納してください」

と、課長。

「重いとは、重量のこともありますが、一番は『責任が重い』と感じた場合に・・・」

眠くなりそうな講話が始まった。対面にもかかわらず、閉じそうなまぶたを必死に維持するわたし。

 

やはり警察官は「説諭」がお好きなようだ。

 

 

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