ヒトならざるものからの提案

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思えばこの一年、コロナのせいで「ヒトと話す」機会が減った。

 

本日、久しぶりにWebミーティングに誘われた私は、俄然やる気で颯爽と参加した。

だが「ヒトとの会話」に慣れていない私が絶好調でマシンガントークした結果、初対面の男性コンサルタントを泣かせる羽目に。

 

非常に申し訳ないことをした。

 

 

コンサルの兄ちゃんは私に意見を求めた、こう前置きした上で。

「あの、強く言わないでください、僕そういうのダメなんで」

そう言われたら、返す言葉がない。

 

確かに顔を見ているからと言って、その人の持つ「空気感」までは伝わらないのがWebの落とし穴。

たとえば直で対面しながらミーティングの最中、私が瞬きもせず固まっていたらどうだろうか。

「どうしたの?」

「大丈夫??」

となるだろう。

もちろんわざとだが、話題や議題がつまらない場合にフリーズすることで「退屈」を示す、私なりの高度な表現方法だ。

 

しかしこれをWebでやったらどうなるか。

多分、どうもならない。

「電波が悪いのかな?」

「画面が固まってるよ」

こんなトンチンカンなことになり、逆に恥ずかしいわけで。

 

つまり、対面しているからと言ってWebという見た目を投影するだけの手段では、やはり伝わらない人間性はある。

 

自分で言うのもなんだが、

私は決して、怖い人でも悪い奴でもない。

 

口調はきついし態度も悪いが、直接会えば分かるはず。

「あぁ、ちょっと特殊なんだな」

という程度だと。

 

そして何より、

Webだと話す相手と目が合わない、ということが痛恨。

 

目から伝わる情報(テレパシー)はかなり多いので、レンズ越しでは不可抗力。

とくに私のように誤解されやすい人間は、どうしたって直接会わない限り、正しい評価には繋がらず損をする。

 

コロナ禍でフィジカル接触が減った今、文字やWebを通じて意思疎通を図ることがデフォルトとなりつつある。

もちろん、情報を正確に伝達するという意味ではこの方がいいだろう。

そして時間節約の観点からも、自由度が増すわけで推奨すべき。

 

ただ「人間性」という本質的な部分については、やはり目の前に相手を置く必要がある。

ヒトには、ちょっとしたしぐさや体臭、笑いジワや瞬きなど、画面上ではとらえきれない多くの「クセ」がある。

 

初めて会ったとある男性が、表情はゆったりとしているが、テーブルの上で頻りに小指を動かしていた。

初対面の私にビビってるんだ、とすぐに分かった。

だからこそ、彼になじむ話題を振ったり表情を変えてみたり、少しでも近づく努力をした。

 

だがWebでは手元まで写らない、もしくは写さない。

凛と構える立派な顔しか、私には届かない。

内心ガクブルしていることが、伝わらない。

 

 

ところが先日、Webで対話をした人事のスペシャリストは、初対面にもかかわらず彼のイメージがそのまま動いている印象だった。

画面越しに仲良くなれる雰囲気を感じ、今後も良い関係性が構築できると確信した。

 

なぜそうなったのか、改めて考える。

 

思うに私は、SNSでもどこでも臆せず素顔を晒して歩いている。

時には失礼な態度や言動もあるだろうが、「自分」というキャラを盛ることも偽ることもしない。

 

とはいえ、素で暴れつつも最低限の礼儀とマナーは弁えているつもりだ。

それはSNSでもリアルな社会でも同じこと。

 

前出の人事のスペシャリストは、やはり素でSNSを歩く人。

それゆえ、私たちは違和感なく打ち解けることができたのではなかろうか。

 

何が言いたいかというと、だからこそSNSでは素の自分をさらけ出した方がいい、という説教ではない。

SNSの捉え方、扱い方によっては、素を見せていない(見せられない、見せ方が下手な)人間も大勢いるわけで、それらを見分ける能力を身につける必要があるということ。

 

とくに私の場合、自分が素でぶつかるのは勝手だが、それによって相手を委縮させてしまってはビジネスとして上手くはない。

本日のコンサル兄ちゃん然り。

期待する成果物や質問内容ではなかったにせよ、彼の懐(ふところ)に入って話をするべきだったし、彼を立てるべきだった。

むしろ、彼の「素の色」を引き出せなかったのは、私のミスだ。

 

会話を掘り下げ、建設的な課題につなげるチャンスをつぶしたのが自分だったことを、深く反省する。

 

 

私と話す際はぜひとも、私がヒトであるという観念は捨ててもらいたい。

 

なぜなら、私が「ヒト」じゃなければ会話はフィットするはずだから。

 

 

Illustrated by 希鳳

 

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