「安西先生 バスケがしたいです」

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ちょっとした失敗をしてしまった。

悪意など微塵もなかったのだが、こういうことに心組みも遊び心も意味はなく、結果こそがすべて。完全に私の落ち度ゆえ、モヤモヤした気持ちは募り罪悪感に苛まれる。

 

「大切な人を怒らせた」

友人に吐露する。

「過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ」

グッとくる反面、「大人の特権」に引っかかる。

しかし状況的に真面目な話をしている最中で、とっさにアニメのセリフなど出てくるはずはない。念のため、誰かの言葉なのかを確かめる。

「うん、ガンダムユニコーンのフル・フロンタルのセリフ」

 

(・・・・・・)

 

たとえ一瞬でも、「胸に刺さる名言だ」などと涙腺が緩んだ自分を恥じる。

 

 

そういえば、驚くほど斬新な名言を吐いた選手がいる。

某オリンピック競技で全日本選手権を10回制覇するなど、名実ともに日本の頂点に立つ選手が、真剣な表情で言い放ったセリフだ。

「俺を否定するやつらは所詮ド三流。陰口たたく暇あれば出て来いよ、格の違いってやつを見せてやるから」

なんてカッコいい言い回しだろうか。さすがトップクラスは言葉の重みも表現も、凡人とはひと味もふた味も違う。

 

尊敬の眼差しでその選手を見つめる私の視界に、一冊のマンガ本が目に留まった。「鋼の錬金術師」という奇抜でキャッチーなタイトル。何気なく手に取りパラパラとめくった後半、思わず二度見するページがあった。

主人公のエドワード・エルリックが敵に対して述べたセリフ、

「降りて来いよド三流、格の違いってやつを見せてやる」

 

こ、これは・・・。

 

 

日本が誇るアニメの「名ゼリフ」は多い。

 

その代表格として「機動戦士ガンダム」が挙げられる。ガンダムシリーズはまさに名言の宝庫。

「まだだ!まだ終わらんよ!」(クワトロ・バジーナ)

「あえて言おう、カスであると!」(ギレン・ザビ)

坊やだからさ」(シャア・アズナブル)

「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを」(シャア・アズナブル)

この辺りは、ガンダムを知らない人でもどこかで目にしたことのあるセリフではなかろうか。

 

共感を覚えるセリフが多いのは「宇宙兄弟」。

「俺の敵は だいたい俺です」(南波六太/ムッタ)

「迷ったときはね、どっちが正しいかなんて考えちゃダメ。『どっちが楽しいか』で決めなさい」(金子シャロン)

「もし諦め切れるんなら そんなもん夢じゃねえ」(南波日々人/ヒビト)

「死ぬ覚悟なんていらねえぞ 必要なのは”生きる覚悟”だ」(ブライアン・J)

実生活に直結する名言も多く、何かに挑戦することをあきらめた大人たちに読んでもらいたい一冊。

 

もう一つ、車好きのバイブル「頭文字(イニシャル)D」も、専門性の高い、熱いセリフが飛び出す。

お前に教えてやる これは講習会(セミナー)だ」(須藤京一)

「一万一千までキッチリ回せ 勝ってこいよ」(藤原文太)

「お前の理論の正しさを立証してみたければ、オレに勝ってみろ!それができなければ、机上の空論だ」(高橋涼介)

車は移動手段としての道具ではなくドライバーと一体化した「足」だということを、このアニメを通して知ることができる。

その影響により、ダミアンヌ(スカイラインHR30)を迎え入れることとなったのが、この私だ。

 

 

人を傷つけること、不快な思いをさせること、感情を逆撫ですることは、なるべくなら避けたいし避けるべき。

 

笑わせるための行動が一転、裏目に出て怒らせてしまうようでは「人間として未熟」の一言に尽きる。ましてや大切な人であればなおさら、節度ある関係を維持しなければならない。

 

「分かった事一つ。廊下で転ぶと鼻血が出て、 人生で転ぶと涙が出るんだ」

(とらドラ!/櫛枝実乃梨)

 

 

Illustrated by 希鳳

 

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