遂にキタ、iPhoneにマイナンバーカードが搭載される未来

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——結局、こうなることは分かっていたはずなのに。

ここ数年間の茶番劇にピリオドが打たれようとしている。ポイント還元やらなんやら湯水のように国費を投入し、政府がとるべき政策とは到底思えない、浅はかで卑しい"バラマキのパフォーマンス"を散々見せつけてきた我が国・日本。

そしてわたしは、マイナンバーカードを未だ手にしていない。

本音を言えば、2万円分のポイントは喉から手が出るほどほしかった。だがそれよりも、申請後に役所へカードを取りに行かなければならない・・という手間を考えると、どうしても"めんどくさい"が勝ってしまったのだ。

 

とはいえ、マイナンバー制度自体に異論はない。今現在、われわれは基礎年金番号や雇用保険被保険者番号、健康保険証の記号番号、運転免許証番号、住民票コード、パスポート番号、在留カード番号などなど、さまざまな数字で管理されている。

しかし、それぞれの管轄省庁が異なるため、横の連携が取れないというお粗末な事態。そんな、アナログな管理体制にメスを入れることとなるのが、このマイナンバー制度なのだから。

 

それほど重要かつ利便性の高いシステムだが、なぜ「カード」の形態で所持しなければならないのか理解に苦しむ。

マイナンバー(番号)に意味があるのは間違いない。だが、わざわざ物理的なカードで交付をする意味が、どこにあるのだろうか。

そして挙げ句の果ては、ポイント還元では飽き足らず、健康保険証とマイナンバーカードを一体化させることで、強制的にカード申請を促す悪手を打つ始末——。

 

それでもわたしは、決してマイナンバーカードの申請をしなかった。なぜなら、必ずやスマホにその機能を搭載する時期がくる・・と確信していたからだ。

 

2024年5月26日現在のマイナンバーカード交付枚数は99,459,506枚で、人口に対する割合は79.3%となっている。同日付での申請受付数は1億件を超えており、国民の8割以上がマイナンバーカードを保有するのも時間の問題だ。

そして今のところ、健康保険証についても継続利用できるよう検討されているため、マイナンバーカードを保有していないと不都合あるいは不利益を被る心配はない。

 

そんな中、昨年5月からAndroid端末において、マイナカード機能の一部を利用できるようになった。とはいえ、マイナンバーカードを持っていなければ、スマホ用電子証明書の利用ができないため、結局のところマイナンバーカードの申請が必要ではあるが。

その理由は「スマホ用電子証明書は、対面交付されたマイナンバーカードによる電子署名に基づき発行されるため、(マイナンバーカードを持っていないと)利用できません。」ということで、この辺りもいずれどうにかなると踏んでいる。

 

おまけに、健康保険証のみならず運転免許証とマイナンバーカードの一体化が今年度中に実現予定のため、そうなると既存のカード二枚が不要となり、マイナンバーカード一枚で足りるようになるのだ。

そしていよいよ、日本人大好きiPhoneにもマイナンバーカード機能が搭載されることが、正式に発表された。2025年春の後半を目途に、Appleウォレットにマイナンバーカードの情報を追加し、物理的なカード同様に使用できるのだそう。

 

こうなると、少なくともマイナンバーカード、健康保険証、運転免許証を物理的に持ち歩く必要がなくなる。おまけに、国家資格のデジタル化も今年度中に実施される予定のため、該当する有資格者はマイナポータルにて資格の有無を証明できるようになる。こうして、どんどん物理的な書類が不要な社会が実現していくのだ。

・・・であれば、だ。

であれば、いっそのことマイナンバーカードの申請など停止にしたらどうだろうか。

この流れは確実にカード廃止の方向に向かっている。そうなれば、マイナンバーカードで管理あるいは処理できる情報はすべて、スマホで対応できるようになる。なおかつ、近い将来そうなるのならば、もういい加減にカードを作らせる行為を止めたらどうなんだ。

 

繰り返しになるが、マイナンバー制度は大賛成だし、マイナンバーカードという存在自体を否定するわけではない。だが、カードがなければ利用できないサービスが多すぎる上に、カードの受け取りにわざわざ役所へ出向かなければならない・・という手間が、わたしにとってはかなりの負担でありストレスなのである。

いずれはカードの存在すら消滅するだろう。だったら、こんな手間暇かけてカードを作らせるよりも、限定郵便かなにかで強制的に送りつければいいじゃないか。そこまでして、マイナンバーカードを保有させたいのならば、だが——。

 

 

ヒトが不自然に感じることは、たいてい何か裏がある。無論、この世は正義だけでは回らないが、それにしてもカネが絡んだ汚いやり方というのは、嫌でも違和感を覚えるし、喜んで賛同しようとは思えないのだ。

それでも、目先の欲に左右されるのがニンゲンの本質。よって、ポイント還元をチラつかせたら目の色変えて飛びつくのが、貧乏な国・日本の現在を象徴する結果なのだろう。

 

(とはいえ、2万円分のポイントをみすみす逃がしたのは、なんというか失敗だった・・・)

 

そう、もはやわたしは後戻りできないのである。

 

Illustrated by 希鳳

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