海外で食に困ったらマクドナルド神話

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10年前、メキシコを訪れた。

外務省に勤める友人がメキシコ赴任となり、ちょっと行ってみるかという軽いノリで海を渡った。

 

 

私は海外へ出かけているほうだと思う。

ただし、観光で海外に行ったことはほとんどナイ。

 

海外旅行と聞くと、家族や友達と観光目的で旅行することを思い浮かべる。

だが私はそれをしたくない派だ。

 

例えば、パリは何度も訪れているが、エッフェル塔や凱旋門の半径1キロには近寄っていない。

たまたま入ったカフェから、遠くに米つぶほどの凱旋門が見えたという記憶はあるが。

 

ロンドンは一番訪れた回数の多い街。

にもかかわらず記憶に残っているのは、ホテル近くの公園で朝から寝そべり、昼過ぎに野良犬に囲まれて目が覚めたことだ。

(公園の入り口で買ったリンゴとお菓子狙いで野良犬に囲まれていた)

 

観光地や観光名所を避ける理由は一応ある。

観光地を堪能するというより「観光地に来ている自分大好き観光客」が多い(偏見)。

そのはしゃぎっぷりや自撮りに必死になる姿がバカらしく、視界に入れたくないので観光地へは近寄りたくない。

 

 

海外のなかでもビザが必要な国へ、割と行っている。

ビザ取得の際に日本にいながら治外法権を味わったこともある。

とくに恐ろしかったのはロシアとインド(大使館)。

 

そして海外の僻地へ行くと必ずチェックすることがある。

 

マクドナルドの食べ比べだ。

 

これは現地の食事が口に合わなかったとしても、マクドナルドならば安心だろうという意味も含む。

 

 

マクドナルドのおかげで温かい気持ちになれた国といえばベラルーシ。

 

マイナス20度の寒空の下、スターリンを眺めながら、さほど好みではない食べ物ばかり食べていた。

 

食に対するしびれを切らした私は、マックを探した。

 

ーーあった!

 

なんともホッとする、赤と黄色の「M」の文字を発見。

店内に入ると日本でよく見るマックのメニューが並ぶ。

 

が、私はロシア語が読めない。

ズドラストビーチェ(こんにちは)しか発言できない私は、マックの注文ができない。

 

しかも日本とは注文のシステムが違っていて、本当にわからない。

後ろに列ができて焦る私は、とりあえず適当にバーガーを指さして終わらせようとした。

 

(あれ、ポテトがない)

 

なんと、ベラルーシのマックにはポテトがない。

 

極寒の地にいる私はアツアツのポテト(エルサイズ)を買うぞ、と意気込んで入店したはず。

しかし、

 

「ポテトはありますか?」

 

とロシア語で聞けないせいで、ポテトを手にすることができなかった。

 

というより、写真入りのメニューにもポテトはなかった。

もしかするとベラルーシのマックでは、ポテトは置いてないのかもしれない。

 

 

適当に注文したハンバーガーはバンズもパティも日本とは違った。

そして味の話ならば、日本のほうが美味い。

 

それでも、マイナス20度の異国の地で食べるマックは私の気持ちをホッとさせた。

 

純粋に美味かった。

 

 

私はいま、メキシコシティへ到着した。

実はここへ到着するまでにひと悶着あった。

 

毎度のことだが、アメリカ(LAX)のイミグレーションで捕まった。

私はかなりの確率で、アメリカへすんなり入国させてもらえない。

 

今回、税関職員に言われた言葉は今でもハッキリ覚えている。

 

「You are suspicious」

(意味…オマエは怪しい)

 

なんの根拠もなく怪しいと言われ、すごすご引き下がる人間がいるだろうか。

 

キレた私は税関で大げんかとなった。

(以後省略)

 

 

本来乗るべき飛行機に乗れず、それでもなんとかパナマ共和国へ入った。

そこでさらにトランジットをし、念願のメキシコシティへたどり着いたのだ。

 

私の到着が遅れたせいで友人を大幅に待たせてしまった。

そのせいでルチャ・リブレ(メキシコの国技、覆面プロレス)の試合にも遅れた。

本場のルチャ

(すべてLAXの税関職員のせいだ)

 

ルチャ・リブレを見終わると時刻は22時過ぎ。

我々は宿泊先のレストランで食事をすることにした。

 

そこで食べた食事は、事件と言えるほど明らかに不味かった。

日本と比べてどのくらい不味いのかと聞かれれば、

 

「天と地の差(日本が天国)」

 

というほどの圧倒的な差だ。

 

あまりの不味さに、お口直しとしてフルーツの盛り合わせを頼んだ。

グレープフルーツやメロン、イチゴなどが派手に盛り付けられた器が私の前に置かれる。

しかし、きらびやかなフルーツたちに何かがふりかかっている。

 

ーー恐ろしい予感

 

とりあえず口へ運んでみる。

 

「やっぱり唐辛子!!」

 

そう、メキシコの料理にはデフォルトで唐辛子がかかっている。

そしてフルーツにも例外なく、唐辛子が山盛りで振りかけられていたのだ。

 

発狂しかけた私は翌朝、最終手段に出た。

 

ーーマックだ

 

味覚の「み」の字もないメキシコで、私の胃袋を満たしてくれるのはマックしかない。

 

ベラルーシの教訓を生かし、スペイン語が話せる友人を連れてマックへ突入した。

今度はポテトもちゃんとある。

 

ーーここでようやくまともな食事にありつける

 

 

・・・・・。

 

 

語彙力のなさが悔やまれるが、ただ一言、

 

不味(マズ)い。

 

これ以外の言葉は思いつかない。

 

テーブルにはよくわからないスパイスが大量に置いてある。

そんなものは不要なほどにチリソースがかかっており、水を片手にヒーヒー言いながらでないと食べられない。

 

ちなみに、私の大好きなポテト。

ジャガイモというほぼ原材料でできているはずの料理が、どうしたらこのマズさになるんだというほどの不味さ。

 

いや違うーー

これは多分、私が行ったマックがハズレだったのだ。

 

メキシコシティのマックがどこも不味いとは言わない、たまたま不味い店舗へ入ってしまったのだ。

 

きっとそうに違いない。

 

そうでないと、

 

「海外で食に困ったらマック神話」

 

がメキシコで崩壊することになる。

 

もしかすると崩壊なのかもしれないがーー

 

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2件のコメント

各国のマックを食べ比べるなんて発想なかった‼️
どこも同じ味って訳でもないのかな…?
またの調査報告を期待します!!

ドミノピザも、くそまずかった。。
久々にジョイア・ミーア行きたいなー。

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