なぜ、社労士目線の「いつ」が重要なのか

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わたし自身、時間にルーズだしスケジューリングは適当だし、褒められたものではない。

ざっくり考えておけばどうにかなるだろう、というタイプなので、本当にざっくり足りなかったり間に合わなかったりすることが多く、いつになっても失敗とおさらばできない。

 

だが唯一、このズボラで有名なわたしが、唯一徹底しておきたいことがある。

それは「いつ」の部分だ。

 

「来週の水曜日でどう?」

 

たとえばこの質問。今日が月曜日から土曜日ならば成立する。

だがもしも今日が日曜日だった場合、果たして相手は3日後の水曜日を指しているのか、それとも10日後の水曜日を指しているのか、微妙なラインである。

 

今日は日曜日、つまり週の頭ということで、来週の水曜日はかなり先の話ということでいいのだろうか?

それとも、相手の中ではまだ今日は先週であり、月曜日からが週の始まりと考えているのだろうか?

 

このように、どちらともとれるような紛らわしさを含む場合は、必ず日付も付け加えることにしている。当たり前といえば当たり前のことなのだが。

 

そしてこれは仕事においても同じ。なかでも、確認しないと痛い目に遭うのが「9月から」という言い方についてだ。

 

一般的には「9月から」といえば、9月1日からを指す。

「9月から学校が始まります」「9月からスケジュールが変更となります」いずれも、細かいことまで書かれていないが、自然と「9月1日からそうなるんだろうな」ということが分かる。

無論、「9月1日が日曜日だから、2日から適用となる」など、運用上の誤差はあれど、言いたいことは間違いなく伝わっているという点で問題はない。

 

だが社労士としてこの会話は危険である。なぜなら、相手が何をもって「9月から」と言っているのかによって、始期が変わるからだ。

 

労働者は、毎月決まった日に給与が支給される。たとえば、月末締めの翌月10日払いや、15日締めの当月25日払いといった具合に。

そして事業主がわたしに、

「9月から昇給させることにしました」

と言った場合、これは9月1日からの労働分、つまり10月支給分からの昇給なのか、それとも9月支給分からの昇給なのか、微妙なことが多い。

 

一般的には「9月から昇給」イコール「9月1日から昇給」となる。だが、事業主の頭の中では、給与支給月ごとに考えている場合もあるため、「9月から」イコール「9月払いの給与から」となるケースも多々あるのだ。

そのため、わたしはしつこく何度もお願いをしている。「何月何日から昇給させるのか、教えてください」と。

 

相手にとったら、

「なんだよ、9月からって言ってんだから、9月1日に決まってんだろ!」

と思うか、

「なんだよ、9月からって言ってんだから、9月支払いの給与からに決まってんだろ!」

となるかのどちらかである。だが、こちらにとったらそこが重要なポイントとなるわけで、嫌われようがウザがられようが、ここは斬り込んでいくしかないのだ。

 

同様に、退職日に関しても悩ましいことが多い。

「今月末で退職します」

というセリフ、これも注意が必要。なぜなら、相手にとっての月末が、かならずしもカレンダーの月末とは限らないからだ。

 

たとえばシフト制で働いていた場合。9月最後のシフトが29日であれば、そこがその人にとっての「月末」となる。・・といった具合に。

 

過去にこんな失敗談がある。とある社長から電話がかかってきて、

「そういえば、山田が先月末で退職しました」

と言われ、「わかりました」と了承してしまったわたし。

念のため日付まで確認しようか迷ったが、社長自身も現場に出て働いているため、余計な時間を取らせては申し訳ないと思い、そのまま「カレンダーでの最終日(31日)が退職日」という扱いで、保険関係の喪失手続きを行った。

 

すると数日後、

「先生、山田の退職日は31日じゃなくて30日です」

という電話がかかってきた。

どうやら山田は、30日までの勤務シフトだったらしい。よって、彼にとっての「月末」は30日だったのだ。

 

本件はシフトの関係で30日が退職日となったが、なかには計画的に30日を退職日とする場合もある。

そう、社会保険料が発生するかしないかを考慮した上での退職日だ。

 

社会保険の喪失日は、退職日の翌日となる。よって、31日退職であれば翌日の1日が喪失日となるため、退職日の月は丸々社会保険に加入したことになり、当然ながら社会保険料も発生する。

しかしカレンダーが31日の月で30日退職の場合、翌日の31日が社会保険の喪失日となる。さらに同日、国民年金と国民健康保険に加入しなければない。

つまり、その月の最終日(31日)は、国民年金と国民健康保険の加入者ということになり、発生する保険料は「国民年金と国民健康保険」なのだ。

 

社会保険料は会社と被保険者が折半する形で徴収されるため、事業主にとっての負担も大きい。無論、被保険者本人の負担も給与の15%ほどとなるため、決して軽視できない存在である。

そのため、退職日をあえて暦の上での最終日ではなく、一日早めて退職するケースもある。

法律上の問題はないので、あくまでも本人次第ではあるが。

 

こういったことからも、「いつ」に固執するわたしは、日付をまたいだ時刻における「明日」とか、日曜日における「来週」という言葉に、ナーバスにならざるをえないのだ。

 

とはいえ、そこまでシビアに確認したにもかかわらず、その日時に遅刻をする件に関してはノーコメントでお願いしたい。

 

サムネイル by 希鳳

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