縁もゆかりもない岸和田(というか、南海電鉄)ディスリ合戦

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久しぶりにポールとの会話でも。

 

ポールは最近、歌を歌わなくなった。

ポールの熱唱回顧録を待ちわびるファンがいるにもかかわらず、あの微声を聞かせてはくれない。

もはやプロ失格だ。

 

さて、関西在住のポールと南海電鉄について意見交換をした。

そもそもの発端は、岸和田に住む私の知人が、高校時代に聞いた南海電鉄の車内アナウンスが秀逸だった、という話からだ。

 

「岸和田ヤバイけど、むかしの南海電鉄も相当ヤバイらしいよ」

 

われわれ東京の人間からすると、井筒監督の作品である「岸和田少年愚連隊」が岸和田(南大阪)のイメージだ。

そのイメージを上書きするかのように、岸和田の友人による南海電鉄エピソードは強烈だった。

 

「オレが高校んとき、南海の車内放送でウケたんが

『連結部でサンマ焼くのは止めてください!』

やで?そんなことあるか?ありえへんやろ!」

 

この車内放送を聞いた知人は、早速、連結部へ確認に行った。

 

すると、

小汚いオッサンが七輪を置き、うちわでパタパタやっていたのだそう。

ついでに、サンマの焼けるいいニオイもして。

(ゴクリ)

 

しかしそのオッサンは次の駅で、七輪ごと電車からつまみ出されたらしい。

 

当たり前だが、炭に火をつけた状態で七輪にサンマを乗せて電車に乗り込むなど、東京では考えられない。

そこまでして、移動中にサンマが食べたかったのか。

 

よく、「大阪は日本じゃない」と聞くが、ここまで自由奔放な土地だったとは、まさに驚愕だ。

 

 

するとポール、

 

「俺かて、南海電鉄のヤバイ話くらい知っとるで!」

 

と、なぜか対抗心を燃やしてきた。

 

「連結部でしょんべんしてるヤツ、何回も見たことあるわ!」

 

ハイハイ。

つぎ、私のターン。

 

「シルバーシートが空いてないとき、シルバーシートの目の前で老人が地べたに座るんだって。

それで、

『おどれらよう平気な顔してけつくさって座ってられんのぉ、おお、こら』

って嫌味言うんだって。

そしたらシルバーシートに座ってた老人が、

『あんたみたいな乞食、地べたがお似合いや!』

って返すんだって。

『なんやて?誰が乞食やねん!』

で、そっから年寄り同士のとっくみ合いの喧嘩が始まるらしいよ、車内で」

 

焦りを隠せないポール、

 

「あ、でもな、南海はフライングスタートすんねんで!

ドアが締まる直前に電車動き出すわ、止まる直前にドア開くわで、もうめちゃくちゃやで!まぁ運転手が楽しんでやりよるんやけど。

もう流石にやってへん思うけど、20年くらい前は”南海のフライングスタート”やいうて有名やったわ!」

 

ハイハイ、わかったよポール。

 

岸和田に住んでおらず、南海電鉄にもお世話になっていない者同士が、なぜか岸和田(というか、南海電鉄)のディスリ合戦で火花を散らすという、よくわからない状況が続いた。

 

 

毎回、サムネでお世話になっている希鳳さん、彼の本業は美容師だ。

大阪市西区でヘアサロンを営んでいる。

 

そんな希鳳さんに、大阪のオッサンの近況を尋ねてみた。

 

「阪神タイガースのハッピ着て、自転車に旗さして、ハンドルにスピーカー付けて、ユーロビートガンガンかけて、商店街をぐるぐるまわってるおっさんおるで」

 

 

ーー大阪はやっぱり、日本ではないのかもしれない

 

 

Illustrated by 希鳳

 

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6件のコメント

(*_*;「紳士、上品、思慮深い、バカ話はしない」―わたしの知ってるポールを返して~~~!!www

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