注意すべきは、電子レンジの取っ手

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不注意というか、不慣れなこと・・いや、ありきたりな動作を舐めた気持ちでこなすと、痛い目に遭うということを思い知った。

 

たとえば、道路に設置されている縁石ブロックの上を歩くとき、大した段差ではないにせよブロックから落ちないようにと、バランスをとりながら歩くだろう。ところが、同じサイズの白線の上を歩くときは、走ろうがスキップしようが落ちることがないので気楽に踏むことができる。

とはいえ、白線から外れたところで実害はゼロだし遊び半分でやっているのだから、「舐めた気持ち」という表現は当てはまらず、これらを例えに挙げるのは間違っているか・・・。

 

ではいったい、わたしはどんな痛い目に遭ったというのか。それは、一言でいうと「電子レンジの取っ手に指を挟んだ」のである。

 

わが家のレンジはアイリスオーヤマのオーブンレンジ。料理をしないわたしは、価格重視で家電製品を選ぶため、多機能低価格のアイリスオーヤマには昔から世話になっている。

そんなアイリスの電子レンジは、ドアの取っ手をしっかりと握って開閉するタイプなので、ちょっとやそっとの力ではびくともしない。

(これならば、レンジの中で爆発してもドアが吹っ飛ぶことはないだろう)

そんな安心感に包まれたレンジなのである。

 

普段レンジを閉めるとき、ついついドアを勢いよく叩いてしまうわたし。なぜなら、中途半端な力でドアを送り出すと、バインッ・・と跳ね返ってきて顔面を強打したことがあるからだ。しかも何度も。

そのため、「家電は大切に扱うべき」ということは承知のうえで、心を鬼にしてドアを叩きつけていたのであった。

 

ところが今日、ふと「勢いよく叩きつけるのではなく、取っ手を掴んで押し込むように閉めればいいんじゃないか?」と思い立った。

日頃からそうすればいいのは言うまでもないが、確実性からいくと"勢いよくバタンッ"のほうが間違いなくドアがロックされるため、時間短縮も含めて乱暴な扱いを余儀なくされていたのだ。

しかし、取っ手を掴んで押し込んだならば、それはそれで家電に優しい閉め方といえるわけで、試す価値はある——。

 

というわけでわたしは、成城石井の「具だくさん海老パッタイ」をレンジから取り出すと、取っ手を深く握りしめてドアを押し閉めた。

——バタンッ

一発で仕留めるべくやや強めに押し込んだため、レンジ自体が少し奥へとズレた。だがとりあえず、ドアはしっかりとロックされた。・・よし、成功だ。

 

(なんだ、大したことないじゃないか。こんな簡単なことならば、バタンッと力一杯叩くことなどなかったわけで、これからはレンジの開閉は丁寧にやろうじゃないか)

 

そんなことを思いながらリビングへ向かおうとした、その瞬間——、

「いてぇぇっ!!!!」

なんと、指が取っ手に引っ掛かったまま、レンジを引きずるかのように一歩踏み出してしまったのだ。

大きく手前へ引きずり出されたレンジは、危うく棚から落ちそうになったが、さっきドアを閉めるときに押し込んだマージンが役に立った模様で、大事には至らなかった。

 

それよりも、わたしの薬指と中指の爪がレンジの取っ手に挟まれて・・というか、指が抜けずに圧迫されて瀕死状態となったことに驚いた。

どうやら、取っ手の隙間から指を抜くには、閉めた流れでスルッとやるのは無理がある。もちろん、閉めてからその場で指を抜けばいいのだが、わたしのように歩きながら指を抜こうとすると、ちょうど引っかかるようなスペースなのだ。

しかも脱力した状態で、指の先端というか爪だけが引っかかる仕組みになっており、レンジの全体重を中指と薬指の爪で支えるという、拷問に近い痛みを知ることとなったわけだ。

 

(いってぇ・・・二度と丁寧に閉めてやるもんか!!)

 

こうしてわたしは、レンジを閉めるときは力強くバタンッとやる・・ということで結審したのであった。

 

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