この場合の「股部」の洗い方とは?

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疑問を持たなくなった時点で成長は止まる・・というのがわたしの持論である。

何に関しても疑問を持ち、納得できるまで調べるなり質問するなりして、ある程度スッキリしなければ先へ進めないタチのわたしは、そういえばかつて疑問に思っていた「とあること」を、友人の一言で思い出したのだ。

 

 

「海外のホテルで天井から出てくるシャワーあるじゃん?あれって、股とかどうやって洗うんだろうね」

——そう、天井から出てくるシャワーすなわち「オーバーヘッドシャワー」とか「レインシャワー」と呼ばれるアレは、豊富な湯水が頭上から降り注ぐため、体全体を温めるのに最適。

さらに、常に両手がフリーとなるため、広範囲から降り注ぐ土砂降りのお湯を浴びながら、ラジオ体操やヨガのポーズをとることもできるのだ。

 

しかし、天井からのみ吐水するわけで、髪の毛を洗ったり体の表面を流したりするには好都合だが、たとえば尻や股間を洗い流すとき、果たしてどうやって流水を当てるのだろうか。

その昔、この疑問をイギリスの友人にぶつけたことがある。彼女は「手のひらにお湯を溜めて洗う」と答えてくれたが、そんなちょっとの湯量では何回も繰り返さなければならないし、そのうち面倒くさくなって洗い流す行為自体を放棄してしまうのではなかろうか——と心配したことを思い出す。

 

まぁ、完全に余計なお世話なのだが、それでも実際にオーバーヘッドシャワーしかないホテルに宿泊したときには、やはり「洗いにくさ」を感じるわけで、欧米人はどうやってこの不便さをクリアしているのか本気で知りたいのである。

日本のホテルでも、最近はオーバーヘッドシャワーが設置されているところが増えてきた。しかし、必ずといっていいほどオーバーヘッドシャワーとは別に、ホースが付いている通常のシャワーも用意されているわけで。

おまけに、オーバーヘッドシャワーの下でじっとしていると、その強力な水量と水勢により息苦しさを感じるので、個人的にはさほど気持ちのいい湯浴びにはならないのだが。

 

「お尻ならさ、こうやって突き出すようにしてお湯を当てることもできるじゃん?」

実際にポーズを取りながら、淡々と疑問を説明する友人。たしかにその通りだ、尻を突き出してちょっと手でサポートすれば、なんとか湯水で洗い流すことができる。だが股のど真ん中はどうやって当てればいいのだろうか——。

 

アクロバティックな体勢ならば、ブレイクダンスの「ヘッドスピン」か「ウインドミル」、あるいはブラジリアン柔術の「インバーテッドガード」のポーズだろう。あれならば天地が逆転するわけで、天井から降り注ぐ湯水をダイレクトに股部で受け止めることができる。

とはいえ、一般人や高齢者にはかなり難易度が高い上に、シャワールームの床は当然ながら硬い。それゆえ、そんなところでそんなポーズをとる変わり者は、滅多にいないだろう。

 

・・そういえば、イタリア・ナポリの隣り町で出会った"とあるトイレ"は、広い空間(トイレの個室だが、6畳分くらいはある)に便器が一つドーンと設置されていた。しかも2段ほど段差を上ったところに、まるで玉座のように便器が祀られており、その光景にさすがのわたしもひるんでしまった。

なぜかって、便器が玉座であることはまったく構わないが、それよりも、便座がないことに絶句してしまったのだ。

便座のない便器——。

 

あの時もやはり、ネットで調べたり地元の友人に聞いたりして、「専用ポーズ」を知った。これがベスト!というものではなく、中腰で空気椅子のようにやる者もいれば、片足を便器に載せて階段を上るかのようなポーズをとる者もいる。

さらに、足場としてはかなり不安定だが、便座のフチに両足を載せた、いわゆる「ウンチングスタイル」をキメる強者もいるのだそう。

 

だが三つ目のポーズに関しては、もしも間違ってバランスを崩したり靴底が滑ったりしたら、いろんな意味でそれはもう大惨事となるわけで、とてもじゃないが試す気にはなれない。

そこでたしは、空気椅子と片足載せの二パターンで用を済ませたが、できればもう遠慮したいと心底願ったものだ。

 

 

ナポリのトイレとは違い、オーバーヘッドシャワーはそこまで困ることこともないし、死活問題ともいえないので、どうでもいい問題といえばそれまでだ。

とはいえ、できれば股部の洗い方を明確にしたい・・という欲望を満たしたいのが、正直な気持ちである。

 

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