「レズビアン」の真理

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レズビアンの友人と久しぶりに会った。

 

彼女と初めて会った当時、彼女には彼氏がいた。

しかし彼氏の話題には乗り気ではなく、今思うと彼氏はいなかったのかもしれない。

 

そんな彼女は見た目ボーイッシュ、スラッとした長身の美人。

性格もサバサバしており、男子からも人気が高かった。

 

 

ある日、共通の友人が妊娠を機に結婚した。

その後、無事に元気な男の子が生まれた。

 

 

それから、だ。

彼女がそのママちゃんの家へ頻繁に通うようになったのは。

 

最初はベビちゃんのお世話を手伝ったり、旦那さんがいない時間に家事の手伝いをしたり、なんていい子なんだと思っていた。

 

そんなある日、「旦那さん」から相談を受けた。

 

「なんか変なんだ」

 

旦那さんが帰宅すると、ベビちゃんを旦那さんにまかせて2人でお風呂に入るのだそう。

そりゃ変だ。

ご飯を食べるときも、ベビちゃんに食べさせるかのように、お互いにアーンと食べさせたり。

 

 

私はなにも言えなかった。

 

**

 

 

「で、まだ続いてんの?」

 

「・・終わった」

 

友人は、泥沼の恋愛に終止符を打ったようだ。

そもそも人妻に手を出した時点で先はなさそうだったが、それでもまぁよくやった。

 

せっかくなので、レズビアンのプライベートについていろいろ聞かせてもらった。

 

友人の家に遊びに行ったとき、シューズクローゼットに大量のアダルトグッズが詰め込んであるのを発見し、衝撃を受けた。

ついでにあれらの使用方法についてもレクチャーを受けた。

 

 

まず、レズビアンには「タチ」と「ネコ」という役割が存在する。

タチは男役、ネコは女役。

もともとはゲイ用語からきている。

 

そして、必ずしも「物理的動作」を伴わずとも、彼女らは “快楽を堪能できる” のだそう。

かつ、満足度も男性相手より “格段に上” らしい。

 

実際、男女の営みにおいては “種の保存” が根底にあるため、「快楽を追い求めて」とか「究極の愛情表現として」という目的は ”放出” とともに終了する。

 

しかしレズビアンは、”途絶えることのない快楽” を永遠に探求することができるのだ(体力が持つ限り)。

 

 

レズビアンの中には、真正のレズビアンと、男性恐怖症からレズビアンになった人とがいる。

男性恐怖症の場合、行為で使用するグッズに注意が必要。

「男性」というものを想起させてしまう形状物は、絶対にNG。

なかには色がカラフルだったり、カタチがかわいかったりすれば大丈夫、という人もいるようだが、基本的にそういった形状のグッズは使わないそうだ。

 

さらに多くのレズビアンが、一般的な男女の営みで繰り返される「動き」なしでも、十分に快楽を得ることができる。

 

相手の全身をくまなく執拗に愛撫すること。

相手の全身を指先でソフトに撫でまわすこと。

相手の耳元で熱量たっぷりに言葉攻めをすること。

 

「愛情表現の際たるもの」とでもいうのだろうか。

たったこれだけのことで「物理的動作」は不要なのだ。

 

 

グッズは形状を見れば一目瞭然だが、それなりに工夫されたラインナップだと感心する。

 

女性同士で不足する部分や、さらに行為を楽しむための道具が続々と開発されている。

今では Amazon・楽天などは当たり前。

業務用品通販サイトで購入可能なアダルトグッズまでもお目見えしている。

(実物が確認できる点ではドンキがベストだと思われる)

 

 

とにかく、

「触れずして絶頂へ導く」

その手法は、男女問わず見習うべき技術(精神)だと思う。

 

友人はこうも言っていた。

 

「脳が支配している感じ。

触れたり動かしたりするんじゃなくて、脳が直接つながってる感じ」

 

リアルに深い。

だがそのくらいお互いを思いやるからこそ、の感覚なのだろう。

 

これはもはや卑猥で低俗な話題ではない。

貞実で高尚な「真理」である。

 

 

 

ぼろ雑巾のようにズタズタに傷つき疲れ果てた友人は、

 

「彼女は私のこと、本当に好きだったのかな。

今となってはもうわかんないや」

 

と言って泣いた。

 

 

私は何も言わなかった。

 

 

**

 

一つだけ、友人に言えなかった秘密がある。

 

レズビアンの友人と会う直前、お相手だったママちゃんと私は会っていた。

 

そして「離婚するか、彼女と別れるか」を迫られた末に「失恋」を選択したのだそう。

 

別れ際、ママちゃんは泣きながら、

 

「アタシ一生彼女のこと忘れない。

自分が自分じゃなくなるなんて、もう二度と味わえないと思うから」

 

と、吐き捨てるように去っていった。

 

 

**

 

生物はオンナから生まれる。

空母とか母なる大地とか、なにかを産み出すのはオンナなのだ。

 

 

オンナがオンナを味わうと、それは出口のない迷路の始まりなのかもしれない。

 

 

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