ボウリングの玉を抱えてみて感じたこと

Pocket

 

いつの間にか、友人がボウリングのトップアマに成り上がっていた。

 

彼がボウリングを本格的に始めたのは、今から3~4年前のこと。

会話の中でボウリングの話題が増えてきたな・・という程度の認識だったが、気付けばホームグラウンドでのハンデは「ゼロ」。

ボウリングのハンデというのがとの程度のものかは分からないが、ゴルフで考えるとゼロハンデは恐ろしく上級者である。なんせ、パー72のコースを72で回り切るのだから!

 

そして友人は、全国の腕自慢ボウラーを押しのけて、KUWATA CUP2022→2023の全国予選を突破したのだ。しかも昨年の12月24日、クリスマスイブに叩き出したスコアということで、最高のクリスマスプレゼントを自作自演したことになる。

おまけに、来る2月25日の準決勝で上位3位に食い込めば、翌日行われる決勝へと進むことができるのだそう。

現時点で、予選を突破した上位64名に入ったというだけでも狭き門だが、あわよくば全国の頂点に立てるかもしれないということで、友人であるわたしはソワソワが止まらない。

 

そもそもKUWATA CUPとは、かの有名なサザンオールスターズ桑田佳祐氏が発起人の、子どもから大人まで誰もが参加できるボウリング大会の名称である。

ご存知のとおり、桑田氏本人もプロボウラー並みの実力をもつ。2020年にはパーフェクトスコアである「300」を記録するなど、還暦を過ぎてもなお成長著しい、驚異のシニアボウラーなのだ。

 

KUWATA CUPは、2019年の第一回を皮切りに、コロナ禍による中止を経て今回が三回目の開催となる。

友人は前回、惜しくも予選突破ならずだったため、今回は満を持しての参戦となるわけで、周囲の期待もひとしお。

 

では彼は、いかにしてアマチュアトップボウラーへと上り詰めたのだろうか。

いったいどれほどの投資をして、その腕を磨いたのだろうか――。

 

「Google先生ならぬ、YouTube先生だね」

 

なんと彼は、プロやインストラクターの指導を受けたこともなければ、ボウリング教室に通ったこともない。夜な夜なYouTubeで、世界のトップ選手の投球フォームをチェックしては、ラウンドワンで試していたのだ。

 

もちろん、それだけで誰もがハイスコアを叩き出せるはずもないので、彼自身のセンスや素質による部分が大きいのは間違いない。

だが今のご時世、もはやスクールに通わなくても技術が身につけられるようになったのだ。YouTubeという、ボーダレスのインターネットサービスによって――。

 

「オレ、今度の準決勝はマイボウル6個持っていくよ」

 

マイボウルとは、ボウリングの玉のことだろう。あのデカくて重たい玉を、6個も持っていくだと??

ど素人のわたしには理解不能だが、どうやらボウリングボールには癖や特徴があるらしく、トップ選手になると何パターンも用意しておくのだそう。

 

「ボールの選び方は、レーンのオイルコンディションとか、あとはその時の気分によってかな」

 

詳しく話を聞くうちに、ふと思い出したことがある。

そういえば昔、ピンに向かって転がしたボールが戻ってくると、備え付けの布で拭いていた。個人的には、周りがそうしていたから真似しただけで、いわば単なるカッコつけである。

しかしあれは、レーンに敷かれているオイルがボールに付着するため、それを拭き取ることでボールコントロールを維持するための作業だったようだ。

 

(両手でゴロゴロ転がすわたしにとって、カーブもスピードも関係ない。よって、オイルが付着していようがいまいが、結果に影響はなかったというわけか・・・)

 

実際に、友人の「マイボウル」を持たせてもらった。そのズッシリとした重厚感からは、殺人事件の匂いが漂う。

(こんなもので頭をかち割られたら、おしまいだな・・・)

なんてことを考える健全ボウラーはいないわけで、わたしは一生、ボウリングが上手くなることはないだろう。

 

とにかく、YouTubeのおかげでゼロハンデにまで到達した友人が、さらに全国の頂点に立ったら大快挙である。

そんな「イマドキ」の奇跡を楽しみにしている。

 

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。