シュー皮が持つ「フタ」と「受け皿」の役割

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生クリーム、ホイップクリーム好きの私は、シュークリームについて思うところがある。

 

シュークリームは、上下に分かれたシュー生地の間にクリームが挟まった形状でできている。

 

最近ではシュークリームの皮が、パイ生地やタルトでできたものもあり、こちらは許せる。

つまり、私が好きじゃないのはシュー皮なのだ。

 

シュー皮(シュー生地)は、イタリア生まれフランス育ちらしい。

1553年、イタリアのメディチ家の王女カトリーヌ・ド・メディシスが、フランスの伯爵のもとへ嫁ぐ際、自国から製菓職人を連れて来たことがきっかけでシュー皮が伝わり、美食文化の国フランスで改良された結果、1760年にシュークリームが完成した、という説が有力。

 

フランス語で「pâte à choux」と表現されるシュー皮、「シュー」はキャベツを意味する。

たしかに、キャベツっぽい見た目ではある。

 

しかし私は、あのクシャっとした感じが、どうも好きではない。

どうせならもっと歯ごたえのある、パイ生地やタルト生地であってほしいのだが、「シュー生地」などという言葉がある時点で、私の考えは邪道なのだろう。

 

 

私の中でシュー生地は、柏餅をくるんでいる柏の葉っぱと同等だ

もしくはハードチーズの表面を覆っているワックス。

 

つまり、食べないものなのだ。

 

あんこが嫌いな私は、だんごやまんじゅうといった和菓子に付着するあんこを排除し、皮をきれいに洗ってから食べる

 

これと似た感覚、いや、逆の感覚で、シュー皮は食べない

 

 

シュークリームを自ら買うことはほぼないが、真ん中に挟まっているクリームが魅力的な場合は購入してしまう。

そんな時いつも思う、本当にもったいないからシュー皮を取り除いて売ってもらいたい。

 

シュークリームという名前からも、メインはシュー生地なのだろうが、私にとってのメインはクリームに他ならない。

 

 

似たような状況で、牛丼がある。

私は、牛丼屋の牛肉が食べられない。

食べられないというか、好きじゃない。

もちろん牛肉は好きだが、食べられない牛肉もある、ということ。

 

よって、自ら牛丼屋に入ることはないが、付き合いでしぶしぶ入るときはいつでも、

 

「牛丼、ご飯大盛り肉なしネギだくつゆだく」

 

を注文する。

 

(牛丼を注文しておいて、肉なし?)

 

店員は怪訝な目で私を見るが、別に構わない。

どうせ肉を残すなら、はじめから取り除いてもらうほうがフードロス対策と言えるだろう。

 

 

話が脱線したので、シュークリームに戻す。

シュークリームは牛丼と違って、シュー皮を剥がして売ってください、は、不可能

 

そこで、心の底から申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、クリーム食べたさにシュークリームを購入する。

 

クリームの受け皿とフタであるシュー皮・・・

 

ーーそうか、つまりシュー皮がお皿とフタの役割を果たしているのか

 

それならそれで、問題はない。

私は、シュークリームの真ん中に挟まっているクリームに興味があり、あれだけを堪能したいと思っている。

だから、できるだけシュー皮は薄くて小さいものがちょこんと乗っかってるくらいでいい。

 

 

 

ある日、コンビニでプリンを買った。

Bigプッチンプリンの倍の大きさの、Happyプッチンプリンだ。

 

早く食べたくて、近くの公園へ寄った。

Happyプッチンプリンのフタをはがして、早速食べようとしたその時、

スプーンがないことに気がついた

 

Happyプッチンプリンのフタを剥がしたまま、コンビニへスプーンを取りに戻るのは納得がいかない。

かといって、スプーンの代用となるものも見当たらない。

 

ここは公園、あるものといえは木が生えているくらい。

 

ーー木

 

私はハッとした。

 

ーー木を使ってスプーンを作ればいいんだ

 

 

と、思うであろうか。

さすがに私もそこまでヒマじゃない。

 

目を付けたのは、木に生えている葉っぱだ。

葉っぱのかたちはスプーンに似ている。

あれならプリンをすくえる。

 

しかしさすがに葉っぱの耐久性では、プリンの重さに耐えられないだろう。

 

ではどうすればーー

 

 

そのときふと、脳裏にシュークリームが浮かんだ。

 

(そうだ、シュークリーム作戦でいこう)

 

私は、剥がしたプリンのフタをたたみ、折り曲げ、ひねり、スプーンらしきものを作り上げた。

プリンのフタはアルミ製のため、プリンごときの重さではへこたれない。

 

こうして私は、手作りスプーンを使って見事にプリン380グラムを完食した。

 

 

思い返すと、シュークリームを食べるときはいつも、上に乗っかっている「フタ」をつかってクリームをすくって食べている。

最近では、わざわざスプーンを付けてくれるところもあるが、スプーンがなくても問題ない。

 

シュークリームのいいところはそこだと思う。

 

シュークリーム自体に「食べるための道具」が装備されており、親切で機能的なお菓子といえる。

フタ(上のシュー皮)を使い、上品にクリームをすくって食べる。

最後は受け皿(下のシュー皮)をきれいに舐め、フタを閉めて終わり。

 

 

あれがタルト生地だったら最悪だろう。

タルト生地では折れる可能性があり、スプーンの代わりは務まらない。

パイ生地など悲惨だ。

粉々になって迷惑しかかけないだろう。

 

つまり、シュー皮にしか果たせない実用的な機能があり、それゆえ、シュー皮が存在するのだ。

 

 

ーーシュークリーム。

フランス語で ”クリームの入ったキャベツ” 。

じつに戦略的な洋菓子だ

 

 

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9件のコメント

Happyプッチンプリン 380g

めっちゃうけましたwww

こんなものが世の中に存在するんですね。

電車の中で読むと危険なので、(天気の時は相変わらずロードバイクですが。。。)次回電車通勤時はworkカテゴリーを選択しますw

カスタードクリームを自分で作れば解決❗

低カロリーから濃厚なものまで自由自在❗

シューもクリームも好きなので目から鱗な発想!
あのシューの蓋には確かに助けられてる😆

横から失礼m(__)m

50年くらい前「ケーキ屋けんちゃん」というテレビドラマがあってね…
その主題歌で
「シュークリームね、蓋ですくってたべるんだ」
と歌われていたんだよ。

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