冤罪

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今どきのマンションは、24時間浴室換気システムを稼働させておくのが常識となっている。

これはいわゆる「換気扇」とは違い、緩やかな換気が24時間続くもので、湿気の排除に有効。そのおかげで、風呂場にカビが生えることなく快適に暮らすことができるのだ。

 

しかし換気システムを24時間つけっぱなしにしたら、電気代がとんでもないことになるのでは?と、不安がよぎる。

ところが消費電力は13~20W程度のため、一か月に300~400円しかかからない。最新の省エネタイプならば100円を切る電気代で済むらしい。

 

カビや結露のリスクを考えたら、月に数百円程度の出費などまったく気にならない。これからもガンガン回していこう。

 

しかし我が家の浴室乾燥機は、3か月に一度のペースで「フィルターを掃除してください」という警告が発せられる。

シャワーや湯船につかる際に換気扇を回すか、その他は24時間換気システムを回している程度で、浴室乾燥機の機能は使っていない。

にもかかわらず、そんなに汚れるものなのか?と不審に思いながらも、言われたとおりにフィルターを外すとジャブジャブと洗った。

 

実際のところ、フィルターはさほど汚れていない。薄っすらとホコリが発見できる程度で、警告を発せられるほどの詰まり方はしていない。

とはいえ、こうやって定期的に掃除をすることで、身も心も洗われる気がするので一石二鳥である。

 

(しっかし、エアコンの風がぬるいな・・・)

 

壁掛け式のエアコンが、壁に埋め込まれている我が家は、エアコンの恩恵に与ることができない。

送風口から出る風のほとんどが、壁の内側で消費される構造のため、エアコン本体の周辺は設定温度となる。だが、座っている私のところへはその風は届かないため、冷房を19度強風に設定したとて室内は蒸し暑いのだ。

 

新しいエアコンに取り換えて2年が経過する。そういえば、この2年間で一度もフィルターの掃除とやらを行っていないことに気がつく。

 

(風呂場のフィルターは3か月に一度掃除してるのに、24時間365日フル稼働のエアコンを放置していいのだろうか・・・)

 

いいわけがない。かのダスキンはこう言っている。

 

毎日使っている場合は、2週間に1回を目安に(フィルター掃除を)行うのが理想です。」

 

2年に一度どころか、2週間に一度とは言い訳のしようもない。放置され続けた我が家のエアコンは、さぞかし激怒していることだろう。

私は慌ててエアコンフィルターを外すと、シャワーでバシャバシャと洗ってやった。たしかに、フィルターの網目がホコリでキレイに塞がれている。これじゃ空気も出てこないわ・・・。

 

新品同様に生まれ変わったエアコンフィルター。しばらく乾かしてから本体に戻してやると、さっそくリモコンのスイッチをオンにした。

(さて、どのくらい変わるかな)

これまでも数々の挑戦をしてきた私は、エアコンというマシンへの信頼はほぼゼロ。さほど期待もせずに、フィルター掃除後の「19度強風」の塩梅を味わうことにした。

 

(・・・・・寒すぎる)

 

エアコン送風口の目の前にシーリングファンを設置したり、送風口の角度を水平に固定したりと、不便ながらも最善の方法をとり続けた4年半。

冬は寒くて大結露、夏は暑くて熱中症。そんな役立たずのエアコンが今、凍えるほどの冷気をガンガン吹きつけてくるではないか。

まるでこれまでの鬱憤を晴らすかのように――。

 

 

結局のところ、タンクトップに短パンという薄着ならば、設定温度26度で十分快適であることを、今日知ったのである。

エアコンに謝罪しなければならない。

 

サムネイル by 希鳳

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