柿食へど 腹は減るなり ほぼ水分

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わたしを知っている人からすれば「またそんなくだらないことを…」という話だが、まぁ聞いてもらいたい。

 

食欲の秋とはよくいったもので、ここ最近の食欲がアウト・オブ・コントロールで困っている。自分で言うのもなんだが、まるでバキュームカーのように食べ物を吸い込んで胃袋へと収めるのだ。

さらに不思議なのは「物理的に空腹だから食べているわけではない」ということ。流れとしては2パターンある。

 

パターン1:ふと食べ物をイメージする→全然食べたくないけど、もし食べたらどういう気持ちになるんだろう?→その食べ物を注文する→わりと美味い

 

パターン2:目の前に食べ物がある→腹はまったく減っていない、むしろ満腹→それでも食べたらどうなるんだろう?→食べてみる→意外と入る

 

というわけで、必要に迫られて食べているわけではなく、ただ単に興味本位で限界に挑戦しているだけなのだ。それでもゴゥゴゥ吸い込まれていく食べ物を見ていると、わたしの胃袋はどうなっているんだ?と疑問に思えてくる。

 

そして例外なく体重に反映される。大量に食糧を送り込んで体重が増えないはずがない。よく、

「そんなに食べてないのに、太っちゃう」

などとほざくぽっちゃり系がいるが、一日に口にしたものをすべて書き出してみろ。確実に食べているから。

 

人間というのは都合の悪いことを忘れるようにできている。これは長い歴史からすると、健全なメンタルを構築するために必要な方法なのかもしれない。だが度が過ぎると「嘘つき」か「バカ」と呼ばれるようになるから、注意しなければならない。

 

そこでわたしは考えた。過度な食事制限をせずに体重を落とす、いや、食欲を抑制する方法を。そして編み出したのが「胃の調子を悪くすることで食欲をなくす」というやり方だ。

 

ちょうど数日前、大量のおけさ柿が送られてきた。柿の効能を調べると、

「ビタミンC、食物繊維、タンニン、カリウム、βカロテン、ビタミンAなどが含まれており栄養豊富で、免疫力アップや腸内環境の整備、二日酔い防止、肌荒れ改善などが期待できる」

と、いいこと尽くし。

 

しかし大量に食べると「胃石」ができる可能性があり、放置すると胃潰瘍や腸閉塞を引き起こす危険がある。他にも「下痢や腹痛」「(逆に)便秘」「貧血」「頻尿」などの症状が現れるとのこと。

とくに「柿胃石」になると、初期段階で食欲不振や胃痛、嘔吐がみられるらしい。

 

そこでわたしはコレを狙った。

 

過信はよくないが、わたしの胃腸の丈夫さは折り紙つき。食べ物ではないものを食べても腹をこわさない。ホットケーキミックスを生のままボウル一杯食べた(舐めた)ところで、「おいしい!」という以外に体調の変化はみられない。

つまり一般的に嘔吐や下痢といったレベルは、わたしにとったら「食欲不振」程度なのだと予想し、そこを狙ってみようという作戦だ。

 

シンプルに考えても、柿はそのほとんどが水分でできている。たくさん食べたところで、糖質と食物繊維以外は尿として排出される。失敗したとて、スナック菓子やケーキを食べての失敗に比べると、はるかに安牌といえる。

そこでわたしはおもむろに段ボールを開けると、食べごろとなった柿をわしづかみし、Tシャツの裾でキュキュッと拭いて口へと運ぶ。

(う、うまい!!!)

単純なつくりで出来ているわたしは、フルーツを食べたらどれも「うまい」のだ。それ以外の形容詞など浮かぶはずもない。

 

(これは無理にたくさん食べようとしなくても、どんどん入るぞ)

なんだかラッキーな気分に浸りながら、黙々と柿にかじりつく。渋みもなくちょうど食べごろの柿は、皮も中身もそれはそれは美味い。

わたしのポリシーとして「フルーツは完熟より半熟がいい」と結論づけているため、まさにこの柿はそのルールに則っている。

 

次から次へと柿に手を伸ばし、シャツで拭いてはかじりつく。

 

そんなことを繰り返して早二日が過ぎた。たしかに食事のメインは柿だが、柿だけでは腹持ちが悪いので、それなりに他の食べ物も口にしている。

その結果、食欲不振や吐き気が起きるどころか、快便・快腸・絶好調。体重計に乗るまでもなく、体育座りをすれば後ろへコロンと転がる始末。

 

そろそろ段ボールの柿も底をつく。本格的に食事制限をしなければならない時期が訪れそうだ。

 

 

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