暖房をつけなくても服装によって体温調整ができるここ最近、わたしは逆に「困った現象」に見舞われている。
日中など起きている時間帯はどうにでもなるのだが、寝ている間の温度調節が非常に・・いや、微妙に難しいのである。
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今月に入ってから、部屋着をロンティーとスウェットパンツに変えたわたし。場合によってはその上にパーカーを羽織るなどして寒さを凌いでおり、それでもダメな場合はエアコンやセラミックヒーターで強制的に暖をとる方式を採用している。
それにしても、11月だというのに日中の気温は20度まで上がるため、外を歩くと半袖姿の者もチラホラ。にもかかわらず、夜は一桁まで冷えるという寒暖差に、やはり夜間はエアコンを付けずにはいられないのである。
そんなわけで、就寝時もエアコンを付けっぱなしにするわたしは、さほど寒くない室内でタオルケットと羽根布団を掛けて寝ている。
ちなみに、寝る時の服装は部屋着のまま・・つまりロンティーとスウェットパンツなので、いくら睡眠時に体温が下がるとはいえ、羽根布団では暑すぎる。そこで、メインとなるタオルケットをかぶり、少し寒くなってきたら上半身だけ羽根布団を載せる、という作戦で体温調節を行うのであった。
(さ、寒い・・)
悪夢により目を覚ましたわたしは、全身がまるで凍った鰹節(削る前の硬いカツオ)であるかのような寒さと固さを覚えた。さすがにタオルケットだけでは寒すぎる、羽根布団をかぶろう——。
それにしても羽根布団は温かい。しかも、グースダウンのちゃんとした商品を選んでいるため、保温機能だけでなく軽さも快適さも抜群。今度こそ、いい夢が見れそうだ。
(・・あ、暑いっ!!!)
しばらくすると、首から汗が垂れる感覚に目が覚めた。タオルケットに包まっただけでなく、さらにその上から羽根布団で覆ったことにより、完璧な保温状態が完成していたのだ。
わたしは慌てて羽根布団を蹴り飛ばすと、汗が空気に触れてひんやりするのを感じた——あぁ、涼しくて気持ちいい。
しばらくして汗がひくと、改めてタオルケットをかぶって目を閉じた。どうせまた、寒さで目を覚ますのだろう・・と思いながら。
(うぅ、寒い!!)
案の定、すぐに体が冷えて目が覚めた。というか、もはや「じゃあ一体、どうやって寝ればいいんだ?!」と叫びたい気分である。
ロンティーにスウェットパンツ、そこへタオルケットだけでは寒くて目が覚める。ならばと羽根布団をかぶれば汗だくになって目が覚める。これではいつまで経っても眠れないではないか!!
その時、ふと真夏の夜を思い出した。冷房フル稼働で過ごしていたあの頃、あまりの寒さに羽根布団へともぐりこんだ記憶がある——そうか、室温が低ければ汗をかかないのか。
(いや、ダメだ。それはできない・・)
だが、すぐにその案は却下された。たしかに、これだけの重装備で身を・・体温を守っておきながら、さらにエアコンで室温を保つ必要などない。しかも、活動時間帯にはエアコンを消しているのだから、寝ている間だけ部屋を暖める意味が分からない。
しかしながら、翌朝のことを考えると夜間のエアコンは必須なのだ。朝というのは、夜間の気温低下によって最も寒い時間帯といえる。それなのに、温かい布団から出なければならない・・という苦行を強いられるわけで、あまりの温度差でショック死する可能性も。
そう考えると、夜間に室内を温めておくことは必要な行為のだ。冬場に車を暖気するように、ニンゲンも急に寒いところで活動するのは無理がある。そう、エアコンを付けっぱなしにするのは、体を労わっての配慮なのだ。
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その結果、わたしは何度も「暑い」「寒い」を繰り返すこととなり、快眠を得ることはできなかった。
もしかすると、就寝時の服装を薄着にするとか、この時期専用の掛布団を買うとかすればいいのかもしれないが、いかんせん面倒くさい。よって、汗だくになったり冷凍鰹節になったりしながら、寝不足で朝を迎える日が続くのだろう。




















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