冬の代名詞、ホットジュース

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わたしが最近ハマっている趣味は、「コールドドリンクを温めて飲む」というものである。

どんな飲み物でもマグカップに注ぎ、レンジの「あたため」ボタンを押すことで、普段とは一風変わった味わいを楽しむことができるわけで、清貧なりの"密かな贅沢"ともいえるのだ。

 

そして不思議なことだが、どんな飲み物でも温めたほうが美味いということを、わたしは知っている。

よく"白湯(さゆ)"が体にいいと聞くが、その理由として「白湯を飲むと体温が上がり内臓を温めることで、血液の流れがよくなる」「血流がよくなることで、体内の老廃物が排出されやすくなる」「代謝が上がることで、浮腫みにくくなり脂肪燃焼効果もある」「内臓が温められることで消化が促進され、腸内環境が改善される」などなど、デメリットやリスクなど皆無。まさに、いいこと尽くしなのだ。

 

予てからわたしは、食べるものがない時は水をレンチンして白湯をつくって飲んでいた。ただの冷たい水を飲むよりも、温かい白湯を胃袋へ流し込むほうが、なぜか満腹感に近い満足を得られるからだ。

こうやってひもじい思いを凌いできたわたしは、白湯というかホットドリンクとの相性がいい。だからこそ、どんな冷たい飲み物でも温めて摂取することで、ホット一息つける・・というわけだ、なんちゃって。

 

では、どのようなコールドドリンクを温めればいいのかというと、意外や意外、なんでもいい。個人的にはヤクルトやピルクル、ヨーグルト飲料といった乳製品を推奨するが、言うまでもなく緑茶や麦茶、紅茶、ウーロン茶といったティー系も抜群の相性である。

とはいえ、やはりオススメはジュースだ。中でも"ホットオレンジジュース"と"ホット葡萄ジュース"に関しては、最高傑作と胸を張れる出来栄え。

 

ジュースの温度が高くなると甘みも酸味も増す。普段ゴクゴク飲み干しているアレとは全く異なる、どこか高貴で上品な味わいに生まれ変わるのだ。

味覚を空間で表すのもおかしな話だが、まるで幾層もの味覚が折り重なり、厚みのある果汁感を堪能することができる。そして冷たいときよりも濃厚な喉ごしと舌ざわりが、まさか1リットル280円の紙パックジュースとは思えないほどの高級感を演出してくれるのだ。

——あぁ、なんともまろやかで落ち着く味である。

 

本日のジュースはオレンジジュースと葡萄ジュース、そして白桃ジュースにアーモンドミルク、おまけに飲むヨーグルトの合計およそ5リットル。

これだけの量にもかかわらず、スーパーやコンビニで一リットルパックを購入すれば大した金額にはならない。それでいて、ひと手間加えて極上のホットドリンクに変身するのだから、こんなお手軽贅沢は他にないだろう——。

 

もはやわたしは、ジュースの味を満喫するよりもホットジュースの研究に夢中になっていた。一つの味だけではもったいない、あれもこれもミックスしてレンジにぶち込んで、なんとも気高いホットドリンクを完成させ続けたのである。

 

こうなると美味い不味いは二の次だ。なんせ、果汁というのは温めればすべて美味くなるわけで、ぜひとも常温ではなく「ホット」で飲むことを試してもらいたい。ホットにすることでジュースのポテンシャルが最大限に発揮され、今までにない果汁との出会いが体験できるからだ。

さらには、ポカリスエットやピルクル、おまけに野菜ジュースも、ホットにすることで素材の味を存分に生かすことができる。要するに、冬場のコールドドリンクはすべてホットにするべきだ・・と、コンビニに提案してやりたいところである。

 

 

こんな慎ましやかな冬の楽しみが増えたことで、わたしの胃袋も心も満たされるのであった。

 

サムネイル by 希鳳

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