人によって異なるが、毎日の楽しみといえば何が思い浮かぶだろうか。私の場合はコンビニでアイスを選ぶことだ。とくに運動後のアイスは最高だ。
季節が暖かくなったから「アイス」と言っているわけではない。北風が吹こうが大雪が降ろうが、私にとって寒さがアイスに影響を及ぼすことはない。
ただし夏と冬とでアイスの好みが変わることは否定しない。冬はバニラやチョコといった、まったり系のアイスが重宝がられる。しかし真夏の灼熱地獄にピノやパルムはさすがに選ばない。なぜならコンビニを出て1分もすれば、表面のチョココーティングがメルトスルーを起こすからだ。
溶けたチョコが指やカバンに滴ったり、サンダルに零れ落ちたりすると、その後の予定をキャンセルしたくなるほどの絶望感に襲われるわけで、夏場にチョコ系が嫌厭されるのは致し方ないことだろう。
その点、「ガリガリ君」は優秀だ。正直、アイスではなくかき氷(氷菓)の立ち位置だが、春夏秋冬いつでも我々を満足させるラインナップで待ち構えていてくれる。
言うまでもなく、夏と言えばガリガリ君のソーダとコーラが冷凍ショーケースで幅を利かせる季節。グレープフルーツや白いサワーも負けてはいないが、やはり王道のツートップには敵わない。ガリガリ狂の私はソーダとコーラを両方食べるが、同時に食べて相性がいいのもこの2つである。
そしてガリガリ君は、外はシャリシャリ内はガリガリの二層構造になっている。これのどこが優秀かというと、外側のアイスキャンディーが溶けはじめたら、底の部分をチュウチュウ吸うことでメルトスルーを止められる点にある。決して噛りついてはならない。溶け出た水分だけを吸い尽くし、最後に唇でギュッと圧着すれば、その後もしばらくはキープできるからだ。
昨年、生誕40周年を迎えたガリガリ君。「君」なんて呼ぶには失礼なほど、立派な中年になった。にもかかわらず、年間の売上げ本数は驚異の4億本。これは需要が夏だけではないことの裏付けといえる。
ソーダ・コーラの勢いそのままに、もう少しすると夏の風物詩「梨」が登場する。その後、寒さが増すと同時に「大人なシリーズ」の季節がやってくる。大人なバナナ、大人ないちごなど、パッケージも高級感溢れる大人なイメージが漂うが、食べてみればなんのその。普通にガリガリ君である。
さらに今はもう発売されていないものもあるが、「リッチシリーズ」は変わり種の宝庫。黒みつきなこもち(桔梗信玄餅監修)、コーンポタージュ、塩ちんすこう、ピスタチオなどなど。あいにく私は食べたことがないが、たまご焼き味やナポリタン味、温泉まんじゅう味なんかもあったようで、いくらガリガリ狂の私とはいえ遠慮させてもらうラインナップだ。
最近のお気に入りは「明治ブルガリア フローズンヨーグルトデザート」。読んで字のごとく、明治ブルガリアヨーグルトがフローズンされているのだ。濃厚なコクとヨーグルトの爽やかさが見事にマッチした逸品で、アイスにもかかわらずスッキリとした後味が、氷菓にも近いサッパリ感を演出してくれる。
そして半袖の季節に忘れてはならないのが、「ガツン、とみかん」だろう。いわずもがな、ガリガリ君が出世頭である赤城乳業の裏番長的存在は、ミカン具合いがとにかくすごい。冷凍ミカンを食べるのと同じくらいにみかん果肉が味わえるのだ。
そういえば私はアイスではなく、冷凍フルーツを買うこともある。マンゴーやパイン、ブドウ、イチゴなどが一口サイズにカットされたものが、コンビニの冷凍ピラフ付近に陳列されている。これこそが天然フルーツ氷菓、この上なくジューシーで美味いのだが、いかんせん歩き食いには向いていない。
そもそも買ったばかりでは、冷凍果実が固すぎて咀嚼できない。できたとしても冷たすぎて味が分からない。さらに食べ頃になると、溶け出たベタベタが袋の内側にべっとり塗りたくられるため、袋をひっくり返してトントンしながら果実を口へと流し込むと、その勢いでベタベタもこぼれ出て顔や服を汚すことがある。
これらをカバーするのが「ガツン、とみかん」といえる。天然のフルーツ感を保ったまま、棒アイスとして歩きながらも手軽に楽しめる商品だからだ。
そして今日、私が選んだアイスは「アイスボックス濃い果実氷・マスカット」だ。筒状の容器に、一口サイズのマスカット味の果実氷がゴロゴロ詰まっている。フタを開ければ片手で口へと放り込めるので、帰宅途中の歩き食いにもってこいの氷菓である。
さて、明日はどのアイスにしようかな。
サムネイル by 希鳳
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