しろてぃーにいろてぃー

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今日は暑い。よって、水分補給に余念がない。

 

しかしわたしは、ペットボトルやボトル缶との相性が悪いらしい。

いや、容器との相性というより「内容物の祟(たた)り」とでも言おうか。

 

 

最初の悲劇はボトル缶コーヒーだった。

最近はプルタブの缶コーヒーに代わり、飲み口の広いスチールやアルミのボトル缶コーヒーが増えている。

 

プルタブは飲み切らなくてはならないが、キャップ式ならば後で飲むことが可能で便利。

さらに飲み口が広いことで、コーヒーの芳醇な香りを楽しむことができる。

 

とはいうものの、そもそも缶コーヒーが好きではないわたし。

だが人からもらったものを飲まないわけにはいかず、渋々キャップをねじ開ける。

 

プシュッ

 

これはコーヒーを酸化させないために充填してある、加圧した窒素ガスが解放された音だ。

さすがに、缶をカシャカシャ振って吹きこぼすようなドジな真似はしない。

 

とりあえず飲み口を顔に近づけ、コーヒーの香りを確かめる。

(うん、缶コーヒーの匂いだ)

まぁ所詮、缶コーヒーだからな。

 

そしてゆっくりと缶をくちびるに当てながら傾ける。

なかなかコーヒーが流れ込んでこない。

もう少し傾斜を急にする。

 

ドボッ!!

 

ほぼ口の中へ入ったが、飲み口が広いせいで口の両端からコーヒーがこぼれた。

ーーシマッタ!

 

なんと今日、わたしは白いTシャツを着ているではないか!

 

慌ててアゴに手を当てるが、時すでに遅し。真っ黒いコーヒーはアゴを伝って、胸のあたりにポタポタとこぼれた。

 

ーー最悪だ!!

 

すぐさまおしぼりでトントンするが、さすがにコーヒーは黒い。若干薄まったところで、明らかにコーヒーをこぼした痕跡が残っている。

 

こんなことなら、飲み口の狭いプルタブ式の缶コーヒーでよかった。

こんなリスクを負ってまで、なんで好きでもない缶コーヒーを飲まなきゃならないんだ。

 

クソッ!

 

 

2回目の悲劇はペットボトルのほうじ茶だった。

 

「もう二度と缶コーヒーなど飲むか!」と心に誓いながら、お口直しに冷たい飲み物を買いにコンビニへ立ち寄る。

 

梅雨の底力でジメジメしているが、気温は高いので喉が乾く。

飲み物を物色するうちに、キンキンに冷えたほうじ茶に目が留まった。

 

(お茶はあまり飲まないが、試しにほうじ茶にしてみよう)

 

抹茶好きのわたしだが、お茶系が好きなわけではない。抹茶が好きなだけで、むしろ飲み物としてはカルピスやヤクルトなどの乳製品が好み。

しかしこうも暑いと「乳製品!」という気分にはならない。ここはサラッとお茶系だろう。

 

コンビニを出ると早速、キャップをひねって口へと押し当てる。

そして冷たいほうじ茶をグビグビ飲み干す途中、

 

ブシャッ!!

 

歩きながら飲んでいたせいで、ほうじ茶が逆流した。そしてペットボトルから出てくるほうじ茶と、中へ向かっていくほうじ茶とがぶつかり、わたしの鼻の穴と鼻の下(人中:じんちゅう)へと浴びせかかった。

 

結構な量のほうじ茶が顔面にぶちまかれ、鼻やアゴからボタボタと滴り落ちる。

当然ながら、茶色いほうじ茶が白いTシャツに吸収されていく。

 

もはや、拭き取る気力も起きなかった。

 

今日はきっとこういう日なのだろう。いや、もしかするとわたしは、ほうじ茶との相性が悪いのかもしれないーー。

 

そうか!「水」を選んでいれば、仮にこぼしても人畜無害なわけで、よりによって色の付いたお茶などを選んだのが諸悪の根源。

 

わたしは試合や旅行の際、飲み物は必ず「水」を選んでいる。

 

その理由として、もし足にアイスをこぼしたとしても水があれば洗い流せる。揚げ物をつまんで指先が油まみれになっても、水があればすすぐことができる。

コンタクトに異物が付いて目が開けられないような時、水でチャチャッと流したりもできる。

 

ーーこれは、水を選ばなかった罰だ。

 

おニューの白Tシャツを葬ったことで、わたしは水の重要さを改めて学んだ。

 

 

Illustrated by 希鳳

 

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