洗濯機破壊事件簿

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ーーサイズの大きい柔術着があり、縮めるためにも乾燥機にかけたい。そうだ、友人の家にあるじゃないか!

 

ということで練習後、夜中に友人宅を襲撃した。

 

「それさ、水分含んで重たくならない?」

 

どんな意図の質問かと思えば、友人の洗濯乾燥機は外国製のため、もしも壊れると修理に莫大な費用と時間がかかるとのこと。

ーーそんな不便な家電製品、これを機に壊して日本製に買い替えればいい。

 

とその時、洗濯機にまつわる衝撃的な思い出が2つほど、脳裏をよぎった。

 

**

 

数年前のこと。

コインランドリーを通りかかると「靴が洗える洗濯機」と書かれた看板が目に留まった。

 

室内に入り縦型洗濯機を覗くと、お手製ブラシがくっ付いた軸棒が見える。

ーーなるほど、このブラシと靴が擦れて汚れが落ちる仕組みか。

 

しかしこの程度の仕組みならば、自宅の洗濯機でもやってできないことはない。

 

わたしは早速、試してみることにした。

 

 

友人の洗濯機はドラム式。

どうやら、除菌イオン洗浄で「靴が洗えるモード」というものが、元から付いているらしい。これは好都合だ。

 

持参したランシューやスニーカーを何足かぶち込むと、スタートボタンを押す。

 

およそ15分後。

リビングでくつろいでいた我々の耳に、明らかに強盗が侵入し、洗濯機を叩き割る音が聞こえた。

 

急いで洗濯機の元へ駆けつけると、なんと、洗濯機のドアが外れて吹っ飛び、洗っていた靴が転がり落ちていた。

ーー誰かが壊したんじゃなくて、靴がドアに当たって吹っ飛んだんだ。

 

強盗じゃなくてよかったね、と友人をなだめるも、頬はみるみる紅潮していく。

 

どうやらわたしが「靴を洗うモード」を選択しておらず、通常の洗濯モードだった様子。

そのせいで靴は激しくかき回され、勢い余ってドアを蹴り破ったのだ。

 

わたしはそっと靴を取り出すと、素早く逃げた。

 

**

 

かれこれ3年は経つだろうか。

我が家は狭くて貧乏ゆえ、安価な縦型洗濯機を使用している。

 

ーー洗濯機など消耗品。メンテナンスするくらいなら、その都度買い替えたほうが最新型が手に入ってお得だ。

 

そんな歪曲した都合のいい考えから、「安くて壊れにくい」とレビューが好評だった、韓国製の洗濯機を購入。

 

ある日の昼寝後のこと。

わたしはお気に入りの低反発まくらに、ヨダレを垂らしたことに気づいた。

しかも最悪なことに、枕カバーの付いていない部分に顔をすりつけていたため、まくら自体を洗わなければならない状況。

 

とりあえず表面をウェットティッシュで拭いたり、ファブリーズを打ち込んだり、色々と対処してみるも気分的にスッキリしない。

 

ーーこれごと洗うしかないか。

 

「小さめの枕だし、なんとか洗えるだろう」と考えたわたしは、低反発まくらを洗濯機に放り込むと、その他の衣類と一緒に洗濯を開始した。

 

ーー脱水が終わるまで時間がある。コンビニでも行ってくるか。

 

近所のコンビニで立ち読みし、適当な食糧を調達して帰宅すると、室内はシーンとしていた。

ーーおっと、洗濯が終わったのか。

 

早速、衣類を取り込みに洗濯機が置かれている部屋のドアを開けた。

その瞬間、一体何が起きたのか、わたしには理解できなかった。

 

洗濯機置き場は、浴室と隣接するスペースに配置されている。ところが、さっきまでそこに立っていた洗濯機がいない。

恐る恐る視線を下げると、そこには、浴室のドアを蹴破った洗濯機がゴテンと寝ているではないか。

 

洗濯機が、横になっているーー。

 

まったく意味が分からない。一体、誰が何のためにこんな嫌がらせをしたのか。

 

身の危険を感じたわたしは、すぐさま家中を捜索した。

クローゼットからベランダから、人間が隠れそうな場所を片っ端からチェック。

浴室の天井を外して配線だらけの屋根裏まで、懐中電灯を頼りに隈なく確認した。

 

しかし誰も隠れていない。

 

恐怖よりも、怒りと不快感でイライラする。

だがこのままでは仕方ない。とりあえず洗濯機を起こし、元通りに設置。

そして念のため、スタートボタンを押してみる。

 

ヴーーーン。

 

さすがは「壊れにくい」と定評のある韓国製。わたしは、この安い洗濯機を誇らしく思った。

 

とその時、バスタブの中に何やら黒い物体が。

よくよく見ると、あのヨダレを垂らした低反発まくらではないか!

 

ーー謎が解けた。

 

水を吸った低反発まくらが、脱水のタイミングで遠心力により洗濯機をなぎ倒し、その勢いで上蓋を突き破りバスタブまで飛んで行ったのだ。

 

後から気づいたのだが、まくらに付いている注意書きには、

「絶対に洗濯機で洗わないでください」

と書かれている。

 

なるほど、こういうことだったのか。

 

**

 

ということで、ふと思い出した「衝撃的な洗濯機の思い出2選」は、このような内容だった。

 

教訓としては、ドラム式よりも縦型洗濯機のほうが、何かと壊れにくくて便利だということ。

 

倒れても、フタが取れても、水道ホースが抜けても、縦型ならば復活する。

あんな大ケガを負った直後とは思えないほど、軽快に洗濯を続けてくれるのは「縦型ならでは」だろう。

 

とは言え、低反発まくらは洗濯機で洗わないほうが良い。

 

 

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