わたしは今日、新たな真実を知ってしまった。
これまでも散々、スマホやアプリに関する陰謀論的なウワサを耳にしたり、未確認ではあるがほぼ事実であろう現象を体験したりしてきた。
それらはどれもこれも、言われてみれば当たり前だが「まさかそんなはずは・・」と信じられない気持ちが優先された結果、「あり得ない話」として片付けられてきた。いや、信じられないとかそういう話ではなく、単純に「直接的な被害を被っていないから、事実であろうがなかろうが、どっちでもいい」というのが本音だろう。
具体的にどのような現象を指しているのかというと、「ソーシャルメディアのアプリが、われわれの会話を盗聴したり監視したりしている」という話だ。
よくある例として、「友人と旅行の話をしたら、インスタグラムで旅行代理店や旅先の宿に関する広告が急に現れた」など、その話題に関するネット検索やメッセージ送信をしていないにもかかわらず、会話後になぜかピンポイントで広告が表示される・・という経験はないだろうか。
最初は「Googleとかでネット検索をしたキャッシュから、関連広告をランダムに出しているのだろう」くらいに思っていたのだが、とある書き込みを見て眉をひそめた。それは、
「ペットが亡くなった知らせを電話で受けた直後に、ペット葬儀の広告が表示された」
というものだった。書き込みをした本人は、メールやLINEでペットの死亡についてのやり取りはしていないし、言うまでもなくペット葬儀について検索をしたこともない——とのこと。
無論、この話自体が嘘であれば振り出しに戻るわけだが、趣味や食べ物、ファッション、インテリアなど、日常生活に関連するありふれた話題ではないにもかかわらず、しかも「電話を切った直後」というピンポイントすぎるタイミングで広告が表示されるというのは、やはりアプリが会話を聞き取りその情報を分析した結果、”ペットの葬儀”というタイムリーな広告を選択したと考えるのが妥当。
とはいえ、この現象もよくよく考えてみればそれほど突拍子もない話ではない。なぜなら、アレクサやシりといった音声アシスタント機能を使うには、発動条件となる「トリガーワード」を識別する必要があるため、彼ら・彼女らは常にわれわれの会話に聞き耳を立てているからだ。
もちろん、だからといって24時間常に会話を収集し解析しているとは思えない。そんな大それたことを実行するにはとてつもなく莫大なデータを処理する必要があり、ソーシャルメディア側にそれほどの技術や資金があるとは思えない——というか、今現在それだけの処理を継続することは不可能だろう。
だが、もしもこのようなプログラミングをされたAIが裏で暗躍しているとしたら、すべての辻褄が合う。そして今日、わたしは「(ソーシャルメディアが)明らかにわたしを認識している」という場面に遭遇したのである。
それは電車内でのことだった。隣に座る友人にわたしのインスタグラムを見せていたところ、普段ならば数回のスクロールで必ず一度は現れるコミックアプリの広告が、なぜか一度も出てこない——あれ?おかしいな。あの広告を見せたくてスクロールしているのに、なぜ今日に限って出てこないんだ。
わたしはいつも、TL(ティーンズラブ)やBL(ボーイズラブ)といった、キュンキュン系のエッチ話や妄想を掻き立てられるドエロ系コミックを、試し読み・・つまり無料で読んで楽しんでいる。そして、同じくエロス耐性のある彼女に「過激な性的描写満載の成人向けコミック」のおススメを見せようと、いつものごとくエロいカットが現れるのを待っていたのだ。
ところが、待てど暮らせどエロい広告は出ていない。それどころか、そもそも広告自体が出てこないではないか——。
「もしかして、私が見てるから出さないようにしてるんじゃない?」
そう笑いながら茶化す彼女の言葉に、わたしは一抹の不安を覚えた。
(・・いや、本当にそうなのかもしれない)
そして間もなく電車を降りたわたしは、エスカレーターに乗りながら改めてインスタを開てみた——ウソだろ。
そこには、2投稿に一回の割合でいつものエロ漫画の広告が登場し出したのだ。さっきまで、何十回とスクロールしても一度も出てこなかった広告が、わたし一人になった途端に急に現れ始めたわけで、これはさすがに「偶然」という言葉では片づけられない。
要するに、インスタグラム(メタ社)は気を利かせてくれたのだ。表示される広告は個人の趣味趣向が反映されているため、他人に知られたくない情報を意図的に伝えてしまう可能性がある。それらを考慮して、スマホのカメラを使い本人のみが見ている時だけ表示するように設定されているのだろう。
これもAIの策略か——。
*
知らず知らずのうちに、われわれの生活はAIにコントロールされるようになってきた。ましてや、スマホやアプリを使わない日はない・・というほど、この小さなデバイスにどっぷり浸かってしまった現代人は、あらゆる面で「AIの管理下にある」といっても過言ではない。
もはや、情報漏洩がどうのこうのと騒いでいる場合ではないし、むしろ個人情報の保護などあってないようなもの。そう考えると、物理的になんでも隠せた古き良き昭和の時代が、今となっては懐かしいのである。




















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