降水確率90%かつ一時間に15ミリの降水量に加えて、雷注意報まで発表されていたはずが・・

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朝起きてアレクサに天気を尋ねたところ、「今日は断続的に雨が降るでしょう」とのこと。しかも「午後8時まで雷注意報が発表されています」というおまけ付きだった。

外では土地開発の工事にまつわる作業音が轟いている。だが、その合間に鳥のさえずりも聞こえてくるので、今はまだ雨が降っていないのだろう。とはいえ、そのうち雨が降り始めていずれ雷雨となり、家でぬくぬくしているわたしは"勝ち組"となるのだ。

——そんなことを思いながら、パソコンに向かってせっせと指を動かすのであった。

 

時刻は昼を迎えたが、外からは鳥のさえずりと共に子どものはしゃぎ声がする。ということは、やはりまだ雨は降っていないのか。

ちなみに、わが家に設置されたブラインドを滅多にめくらないわたしは、室内に居ながらにして外の天気を知ることはない。なぜなら、ブラインドを開けたところで断熱用のプチプチが窓一面に貼られてあるため、空も景色もぼんやりとしか見えないからだ。

とはいえ、晴れているのか曇っているのかくらいは、ブラインドの隙間から漏れる明るさで判断できる。そして今、空はどんよりグレーの曇天だろう。鳥さえ鳴いていなければ、「もうすでに雨が降っている」と思うほど、薄暗く物悲しい雰囲気を感じるのであった。

 

(あとは時間の問題だ・・よし、これで夜の予定はキャンセル確定だ!)

 

ただでさえ、ビルケンシュトックやKEENといったサンダルタイプの靴しか持ち合わせていないわたしが、土砂降りの雨の中を出歩くということは、"足にビニール袋を履かせる必要がある"ことを意味する。

最初はサンダルごとレジ袋で包んでみたが、それだとすぐに脱げてしまうことや見た目が明らかにダサイことから、靴下がわりに透明なポリ袋を履いてからサンダルに足を突っ込んでみた。その結果、足や靴下が濡れることはなくなったのである。

とはいえ、歩くたびにシャカシャカと摩擦音がするのは、あまり気分のいいものではない。よって、雨の日はなるべく外出を控えたい・・というのがわたしの本音なのだ。

 

「そもそも、かかとのある靴を買えばいいじゃないか」

という声が聞こえてきそうだが、足の形が歪な上にサイズも大きいわたしにとって、スニーカーはもちろんのことランニングシューズですら長時間履いてはいられない。そんな苦痛を味わうくらいならば、一年中サンダルでいるほうがよっぽどマシなのだ。

このような事情からも、履き物として機能するのはサンダルのみ・・というわたしは、とにかく雨の日は室内でジッとしていたいのであった。

 

だが今日は、夕方から夜にかけての降水量が15ミリを超えるという予報で、なおかつ雷注意報まで発表されているのだから、これは大人しく自宅待機するのが正解といえる。

そもそも悪天候の中をわざわざ出かけて、頭のてっぺんからつま先までずぶ濡れになるなど愚の骨頂。おまけに、落雷が直撃しないとも言い切れないのだから、そんなことで命を落としたら悔やんでも悔やみきれないわけで——。

だからこそ、外出をキャンセルするための正当な理由として、「大雨と雷」に期待しているのだ。偉大なる自然のチカラによって、わたしは自宅待機を余儀なくされる・・というシナリオを、是が非でも実行するのである!

 

そして時刻は夕方を迎えた。耳を澄ますと締め切った窓の外から雨音が聞こえてくる——よし、いいぞ。その調子でもっと降ってくれ!あとは、雷がそこらじゅうで落ちまくってくれれば、なお良しなのだが・・・。

——とその瞬間、至近距離ではないがそこそこの近場で落雷があった。バリバリバリという恐ろしい雷鳴と共に、ズドーンという野太い衝撃音が轟いたのだ。

 

(うぉぉぉぉ!ついに主役の登場だ!!)

 

そういえば昨年のいつ頃か、毎分どこかで雷が落ちる・・という、とんでもなく賑やかで危険な日があった。スマホの雷雨アプリで確認したところ、自宅周辺のあちこちに雷マークが表示されており、もはや「特撮か何かの現場なのではないか?」と疑いたくなるほど、自然現象とは思えないレベルで雷が落ちたのだ。

よって本日も、あの時のようにバリバリズドーンと連発してもらえれば、それはもう速攻で予定をキャンセルすることができる。さぁ、遠慮なくやっちゃってくれ!!

 

 

ところが、期待に胸を膨らませたわたしを嘲笑うかのように、雷鳴はそれっきり二度と聞こえることはなかった。それどころか雨脚も弱まってきたため、ポリ袋を履かなくても靴下を濡らすことなく歩けそうな雰囲気に——。

(クソッ・・これじゃあ、雨も雷も理由にできないじゃないか)

 

普通に考えれば、雨が止み雷も静かになったのだから、むしろ万々歳のはず。そのくらい、ニンゲンにとって「天候」ほど思い通りにならないものも少なく、こればかりは天に委ねるしかないわけで。

——そんなことを思いながら、苦々しい表情で出掛ける準備を始めるのであった。

 

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