サムターン回しかピッキングか・・私ならサムターン回し!

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わたしには、サムターン(ドアの内側についているツマミ)回しおよびピッキングができる友人がいる。無論、若気の至りによる悪ふざけのため、オトナ・オブ・オトナの今はもうそんなことには手は出さないだろうが。

とはいえ、空き巣目的ではなく人命救助や緊急事態の対応としては、サムターン回しができたほうが役に立つ。かつて、愛車のインロックを開けたことはあるが、玄関の鍵をこじ開けたことのないわたしは、いつかはピッキングやサムターン回しの技術を身につけたいと考えている。

 

そんなわたしは夜な夜な、わが家のサムターンが回る瞬間を目撃しようと、玄関のドアをじっと見つめる習慣がある。加えて、ドアスコープが暗くなる瞬間も確認したいので、内側からじっと外の様子を観察するクセがあるのだ。

残念ながらこれまでに一度も、サムターンが回ることもドアスコープが暗くなることもないが、いつかそうなる日がくるのではないか・・と淡い期待を抱いているわたし。とはいえ、実際にサムターンが回ったら恐ろしいわけで、「どうせそんなことにはならない」と高を括っている自分が気に入らない。この世に"絶対"はないわけで、いつでも警戒に警戒を重ねるに越したことはないのだから。

 

というわけで、むき出しのサムターンにカバーを付けるのはどうだろう・・と思い立ったわたしは、サムターン回しの友人に尋ねてみた。

「それも解除できるよ」

まぁ、犯罪と防犯対策は永遠の追いかけっこであり、科学技術の進歩と同じスピードで人間の脳みそもアイディアを絞り出すのだから、遅かれ早かれセキュリティーは突破される運命なのだ。

 

ちなみに、サムターン回しを行うための方法はいくつかあり、たとえば「ドアの隙間から薄い工具を突っ込んで、サムターンを横にする」などは、器物を破損することなくすんなりと開錠できるやり方だ。次に穏便な方法は「ドアスコープを特殊工具で外して、その穴からハウスオープナー(専用工具)などを突っ込んでサムターンを倒す」である。ドアスコープは、再度取り付けてしまえば分からないので、こちらも"立つ鳥跡を濁さず精神"のやり方といえる。

ほかにも、「ドアポストからハウスオープナーを突っ込む」「電動ドリルでドアに穴を開ける」などが挙げられるが、ドアポストのある玄関は少なくなっていることや、ドリルでドアを破壊する際の騒音を考えると、ちょっと選びにくい方法に感じる。

だがこれは、臆病者で"事なかれ主義"に浸された凡人の感想であり、本気でドアを突破する気があれば、迷うことなくドリルで穴を開けるのかもしれない。犯罪だろうがなんだろうが、本気のニンゲンには敵わないのである。

 

そういえば、前のマンションのドアには「防犯スイッチ式サムターン」が設置されていた。通常のサムターンは単純にツマミを回すだけで施錠と開錠が実行されるが、スイッチ式はツマミを押しながら回さなければ開錠できない仕組みとなっている。

当時は「(鍵を開けるのに)なんでわざわざ押し回さなきゃならないんだ、めんどくさい!」と煩わしく思っていたが、サムターン回し対策としては優秀なアイテムだったのだ。

 

こちらもあくまで個人的な感想だが、ピッキングとサムターン回しならば、サムターン回しのほうが成功率が高いのではなかろうか・・と思っている。ピッキングは鍵穴にダイレクトに針金などを突っ込んで開錠するが、ディンプルシリンダー錠など最近の鍵は開錠するまでに10分以上かかるため、挑戦者のモチベーションも下がるはず。

もちろん、突破するドアの選定も入念に行わなければならないが、構造が単純なサムターンのほうが、実際に見えなくともイメージしやすいので安心感がある。そんなことからも、わたしならばピッキングよりもサムターン回しを選ぶだろう。

「オレはサムターンかな」

——両刀使いの友人も、サムターン回しのほうが得意な様子であった。

 

 

というわけで、もしも我が家にサムターン回しのプロがやってきたら、ドアの隙間かドアスコープからのトライとなるわけで、その様子をドアの内側からじーっと観察するわたしがいる・・というシュールな場面が想像できる。

そうなったら、わたしは解体作業用の鉄製バールを片手に、動画を回しながらプロの仕事を見物させてもらうわけで、果たして何分で開錠できるのか見ものである。

 

・・などという妄想を抱きながら、今日もまた動くことのないサムターンと、光が陰ることのないドアスコープをじっと見つめるのであった。

 

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