雇用保険の取得は翌月10日までに届出、というルールなのだが・・・

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一週間のうちに20時間以上働く学生以外の人は、アルバイトやパートなどどんな名称であっても「雇用保険」に加入しなければならない。といっても、会社が手続きを行うので、労働者自らが何かをする必要はないのだが。

なので、会社から「雇用保険番号」と「マイナンバー」を聞かれたら、ぜひとも教えてやってほしい。それらの情報を元にわたし(社労士)が資格取得の申請を行うからだ。

 

ちなみに、会社がこの手続きを行う期限は「被保険者となった日の属する月の翌月の10日までに提出」することとなっている。

回りくどい言い方だが、たとえば4月1日から働き始めた人の場合、5月10日までに資格取得届を提出しなければならない、ということだ。

 

ちなみに、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続きは、健康保険証を早めに入手したいことからも、入社当日に申請することが多い。

わたしの場合、入社日の0時に電子申請することにしているが、まれに「携帯も繋がらないので、バックレたんだと思います」という連絡を昼頃もらい、慌てて取下げ依頼を事務センターに連絡するということもある。

 

とはいえ、当日0時に電子申請するのと、当日昼に電子申請するのとでは、審査するのにかなりの人数差があると思われる。とくに新年度となれば、莫大な人数の新入社員の資格取得をさばくことになるので、やはり少しでも早い時間に申請してあげたいと思うのが親心(?)。

まぁできるだけ、入社日に無言でバックレるような真似はしないでもらいたいものだ。

 

 

「先生、まだですかね?」

顧問先からメールが届いた。言われる前からわたしも気になっていたことだが、4月3日に電子申請した雇用保険の資格取得届が、いまだに「審査中」のまま動かないのである。

 

じつは今朝方、4月1日0時に電子申請した分に対して、「前職未喪失のため保留とします」というメッセージを確認したところだった。これは、

「前職の勤務先で雇用保険の資格喪失届が提出されていないため、新たな資格取得ができないので保留します」

という意味だ。雇用保険は一カ所でしか加入できないため、ダブルワークやトリプルワークの場合は、週20時間以上でメインとなる勤務先で雇用保険に加入することとなる。

 

冒頭で触れたように、入社日の翌月10日までに資格取得届を提出すればいいわけで、仮に一か月経って審査が終わっていなくとも問題はない。届出自体はとっくに済ませているのだから、あとは審査が完了するのを待つだけだからだ。

しかし一般的には、どんな手続きであれ一か月も待たされたら「どういうこと?」となるだろう。ましてや社会保険のほうは、早ければ翌日に審査終了となる速さのため、雇用保険の処理の遅さが際立ってしまうのだ。

 

(わたしが申請を怠ったと思われかねない・・・たのむ、早く処理してくれ)

 

いくら制度上急ぐ必要がないといえど、実務担当としては気が気ではない。しかも被保険者期間が重複していない限り、サクサクさばけそうなものだからこそ、審査に手が回らないことに疑問符が付くのである。

もしも新規で雇用保険番号を振るとしても、そんなものは処理順に自動で付番されるわけで、なぜ一か月近くかかっても審査が終わらないのだろうか――。

 

考えられるのは、「雇用保険の喪失および離職票の発行を先行するから」という理由だ。

退職者は再就職先を探すためにハローワークへ赴く。そして、失業給付を受給するために離職票を提出し、受給資格者証という書類を発行してもらうのだ。これがなければ失業給付を受給できないため、失業者にとってなによりも大切な書類が「離職票」であり「受給資格者証」なのだ。

 

こちらのほうが圧倒的に優先順位が高いため、ハローワーク職員総出で離職票発行のためのチェックをしているのかもしれない。たしかに、離職票は記載内容が細かく数字も多い。そのため、機械で判定するのは現時点では難しく、マンパワーフル回転でさばくしかないのだ。

以上のことからも、4月のハローワークは殺伐としているだろう。だったら、コロナ禍で雇調金をばらまくよりも、雇用保険資の格取得や喪失にかかる電子化のために予算を割けばよかったのに・・・。

 

そんなこんなで、4月3日申請分までの審査が終了した。しかしまだ、4日申請分は「審査中」から動かない。

(あぁ、4月も今日で終わるというのに・・)

人間の処理能力には限界がある。だがそれは「悪」ではないわけで、情報処理の得意なコンピューターに任せたらいいじゃないか。人間は人間にしかできない仕事、たとえば倫理的な判断や最終的な意思決定などを担えばいい。

 

(とはいえ、翌月10日までに届出をすればいい書類なんだから、今月中に処理する必要もないんだよなぁ・・・)

 

法律と実務の狭間で、ヤキモキする深夜であった。

 

Illustrated by 希鳳

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