老婆の驚愕

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(意外とみんな、「おかかえ治療院」を持ってるんだな・・・)

 

私は日頃から、怪我をしても病院や整骨院に通わないタイプのため、いざ腰を痛めただの膝を傷めただの、本格的な怪我をした場合に大慌てとなる。

とはいえ、所属ジムの提携治療院があるので、いざとなったらそこへお世話になるのだが。

 

しかし元から頑丈なフィジカルを持つ私は、ちょっとやそっとこのことでは壊れない。だがこれが、最悪の事態を招くのだ。

小怪我の時点で気がつけば、早めの治療からの早めの回復が望める。ところが大怪我になるまで気づかずに生活していると、回復にもそれなりの時間がかかるのだ。

 

今回、極度の腰痛で歩くことすらままならない私は、重度の筋膜炎ということで鍼治療を受け、なんとか歩けるようになった

それはそれでよかったのだが、腰とは別に右側の骨盤が外れているという、驚愕の事実を突きつけられたのだ。

(・・・こ、骨盤って、外れるものなのか?)

しかも以前から外れていたようで、通常では歩いたり運動したりといった動作は難しいらしい。

いやいや、私は数日前まで普通に歩いていたぞ。

 

そして極めつけは筋肉である。

なぜか無意味に筋肉質な私は、なにかと筋肉に例えられることが多い。そして今回もまた、筋肉が大活躍だった模様。外れた骨盤を補うかのように、全身の筋肉が頑張ってサポートしてくれたのだ。

さらに右サイドの肩や手首、肘までもが、骨盤とのバランスをとるために外れやすくなっていた様子。おかげで、自ら外れた肩や手首をはめるという作業を余儀なくされ、原因が分からないので不思議に思っていたところだった。

 

そんなこんなでボロボロのフィジカルモンスターは、見るも無残な老婆の歩様。

それでもなんとかアスファルトを踏みしめながら、通行人らの冷たい視線と舌打ちを浴びつつ、ヨボヨボと歩いていた。

 

 

「××にゴッドハンドがいるから、紹介しようか?」

 

スポーツや怪我とは無縁そうな友人から、突如メッセージが届いた。同時に、都内某所の治療院のリンクも送られてきた。

 

「ギックリ腰やって起き上がれなかった時に、ここの治療院で一発で歩けるようになったんだよね」

 

へぇ、ぎっくり腰になったことがあるんだ!それは初耳。とはいえ、ぎっくり腰とは異なる苦痛と激痛が、そうも容易く改善されるのだろうか…。

しばらくすると、海外で暮らす友人からメッセージがあった。

 

「アタシが帰国したら必ず行く治療院だよ。一度行ってみて」

 

またもや、都内某所の治療院のリンクが貼ってある。彼女は非常に健康で活発で、怪我などとは無縁に見える。だが全身のメンテナンスを兼ねて、帰国時は治療院で整えてもらうのだそう。

しかし、海外からわざわざ老婆の歩様について気にかけてくれるとは、なんとありがたいことか。

するとまた、別の友人からメッセージが。

 

「ものすごく腕のいい先生だから、予約とって行ってきなよ」

 

今度は埼玉県某所の治療院だ。彼女は職業柄、立ちっぱなしの時間が長いので腰を痛めやすい。それでも仕事は休めないわけで、そんな時にここの先生に診てもらうことで、腰の調子が戻るのだそう。

ていうか、みんな腰を痛めすぎじゃないか・・・?

 

「わたしの名前を言えば伝わるから、よかったら行ってみて」

 

埼玉の治療院のサイトを見ている最中に、またまた別の友人からメッセージが飛んできた。いったい何なんだ?なぜこんなにも治療院の情報が集まるんだ?

しかも今度の治療院は、鍼治療だけでなく「レイキ療法」も用いるようだ。

 

そういえば友人たちから紹介された治療院は、どこも一般的な「整骨院」や「接骨院」というだけでなく、プラスアルファの何かがある所ばかりだった。

みんな、どうやってそのような場所を探し当てたのだろうか。やはり紹介なのか?

 

以前、某治療院の先生が言っていた。

「施術を受けた人の紹介で来る方は、必ずといっていいほど、紹介した人よりもひどい状態の人が来るんだよね」

なるほど、これは一理あるかもしれない。もしも私が老婆の状態で、友人らが紹介してくれた治療院のどれかを訪れれば、その法則に当てはまるからだ。

 

病院や治療院に不信感を抱いていたり、諦めモードだったりしても、目の前で驚異的な回復を見せつけられたら信じるしかない。

治療前は立つこともできなかった車いすの女性が、帰りは一人でテクテクと歩く姿を目の当たりにしたら、一体どう思うだろうか。

 

(・・・老婆の歩様状態の私が、いきなりスタスタ歩きはじめたらギャグである。驚きを通り越して恐怖を感じるだろう)

 

だが世の中には、現代の科学や医学では証明しきれない事実もある。そして誰もが全員、同じ結果となるわけではない。

よって、もしも私が若者のようにハツラツと歩いていたら、思う存分驚愕してもらいたいのである。

 

サムネイル by 希鳳

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