「今年こそは暴飲暴食をしない」という新年の誓いを立てたわたしだが、大方の予想どおり、そんな決意を反故にする日々を送っている。
それにしても、なぜこうもあっさり覚悟を翻すのか、自分のこととはいえ不思議である。せめて三日くらいは守ってみたらどうかと思うのだが、たったの一日ですら達成した日がないのだから、もはや嘘つきを通り越して記憶喪失の域にある。
しかしながら、「ドカ食いをしない」や「甘い物を控える」という覚悟が、いかに半端な気持ちではないのかを裏付ける証拠として、例年とは異なる言動および行動に出たのは事実。その一つに、明確な意思表示として周囲の者へこう宣言しているのだ。
「わたし、糖尿病だから甘い物食べられないじゃん?」
——これは、ケーキやクッキーなど美味そうな甘い物を発見した際に、それらを我慢しなければならない理由として口にする決め台詞。すると、ほとんどの者(初見に限る)は、
「え! ついに糖尿病になっちゃったの??」
と、驚きつつも心配した表情でわたしを見る。そこでわたしは、誇らしげにこう返すわけだ。
「今までずっと『こんな食生活じゃいつか糖尿病になる』って言ってきたじゃん? でも、いつかいつか・・で『まだ大丈夫』ってなるでしょ? だからいっそのこと、『もうすでに糖尿病になっている』と仮定して生きていこうと思ってさ」
そんな種明かしを聞いた友人らは、「・・あぁ、そうなんだ」と呆れ顔でスルーするが、糖尿病に罹患した前提で生活を送るのは、やはり気が重いし楽しいものではない。そんな重大なストレスを自らに課しながらも、甘い物と接するわたしの覚悟というものは、やはり並大抵のものではない・・ということがお分かりいただけるだろう。
そしてもう一つは、「にもかかわらず、誘惑に負けてついドカ食いをしてしまった時」に、事後対応策として取り入れた”糖の消費を強制的に増加させるムーブ”の実施だ。
糖尿病を恐れるわたしは、暇があれば糖尿病関連の動画を見漁っているのだが、多くの糖尿病専門医がこの「魔法のムーブ」を紹介していることに着目した——その名も、7秒スクワット。
読んで字のごとく、5秒かけてゆっくりと腰を下ろし2秒静止した後にゆっくりと立ち上がる・・という極簡単な動作の繰り返しだが、このスクワットをすることでお尻や太ももといった大きな筋肉を刺激し、糖の消費量が増加する仕組み。
筋肉というのは、血液中のブドウ糖をエネルギーとして使用するため、下半身の大きな筋肉を動かすことで短時間でも効果的な筋刺激を得ることができる。その結果、血糖値の上昇を抑えられる・・という特性を利用して、薬やサプリメントの力を借りずに「なかったこと」にする、最強の魔法ムーブを手に入れたわたしは、食後15分が経過する頃からせっせと7秒スクワットを実施するようになったのだ。
運動嫌いなわたしにとって、いわゆる「筋トレ」は苦痛以外の何物でもない。それでも、やってしまったことを悔やむくらいならば、自己責任でどうにかするのが誠意というもの。
——そう、犯罪者が罪を償うかのように、食べてしまった大量の炭水化物や糖をエネルギーとして消費することで、少しでも約束を反故にした罪を償いたいのである。
そして、7秒スクワットという裏ワザを会得したわたしは、ガツガツ食べては黙々とスクワットをこなすという、「無駄に取り込んでは強引に消費」を繰り返す日々を送っているのだ。
7秒スクワットさえ実施すれば、血糖値の上昇を抑えることができる。そんなチート技が存在するはずもないが、己の欲深さに打ち勝つことができないのであれば、それなりの代償を支払うしか方法はない——そうだ、方法があるだけまだマシじゃないか!
*
口だけは立派なことを言う「やるやる詐欺」にはなりたくない・・と思っているわたしにとって、「(仮に)糖尿病であることを宣言して自らに警鐘を鳴らす」と「7秒スクワットでなかったことにする」という、2つのアクションを起こしたのは大きな変化といえる。
さて、これらの努力の結果として、わたしの血糖値はいかに変動するのだろか。




















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