新年を迎え、いよいよ本格的な寒さの到来を迎えようとしている。感覚的な話ではあるが、街や建物自体が寒さを溜め込んできたかのような、数字上は同じ1℃でも先月とは異なる「厳格な冷たさ」を放つようになったのだ。
(これが2月になると、さらに拷問のような寒さになるんだよな・・)
とにもかくにも寒さが苦手なわたしは、回避不可な恐ろしい未来を想像しながら、とある質問を友人に投げかけた。
「刑務所って、暖房ついてるの?」
すると友人は、
「んー、部屋(独房・雑居房)にはついてないけど、刑務作業のところにはついてる」
と即答してくれた。なるほど、要するに日中の作業は暖房のある部屋で行うことができるが、朝晩の寒さは自力で凌ぐしかない・・ということか。
すると、わたしの考えを見透かしたかのように、友人はこう畳みかけてきた。
「しもやけになったことある? 手足が痒くて真っ赤に腫れて、グローブみたにパンパンになるんだよ。あと、耳も(寒さで)ガサガサになるし」
そ、そんな状況でちゃんと寝られるのか——?! 体を動かせる日中はまだしも、就寝の際はジッとしてるわけで、加えて「単に暖房のない部屋」というだけでなく、手足がしもやけになるほどの寒さの中、固くて薄い毛布を数枚をかぶったところで眠りにつけるとは思えない。
それでどころか、シベリアのような極寒エリアにまともな防寒具なしで放置されたのでは、それこそ生死を彷徨うことに——まぁ、罪を犯して服役しているわけで、ぬくぬくと天国のような生活を送らせたのでは刑務所の存在意義が問われるが、とにかく寒さゆえの懲罰だけは勘弁願いたい。
さらに刑務所が・・いや、法務省が徹底しているのは”布団の掛け方”だった。
「寒いからって、布団にもぐったり顔や頭を覆(おお)ったりできない。顔は出しておかないとダメだから・・あ、生存確認のためね。だから横向いて耳を抑えながら寝るんだよ」
な、なんという拷問的状況なんだ!? 寒いときくらい、頭までスッポリと布団にもぐらせてくれてもいいじゃないか!
まぁ確かに、顔が見えないと体調に異変が起きても気づかない可能性があるので、「首より上は出しておかなければならない」というルールは「非人道的」というほど常識を逸脱したものではない。とはいえ、「枕と手で耳を抑えながら寝るしかない」という状況を想像すると、それだけで架空の寒さに背筋がゾクゾクしてしまうが・・。
それにしても、友人から聞く独房の作りというのは、どことなく我が家を彷彿とさせる——そう、”部屋の壁がコンクリートでできている”という部分が、否が応でも我が家を想起させるのである。
旧・最先端オシャレマンションであるわたしの部屋は、見事なコンクリートの打ちっ放しでできているため、冬寒く夏暑い。「そんなふざけた作りの家があるかいっ!」 とつっこみそうになるが、事実そうなのだからどうしようもない。
そして、天井まであるバカでかい単板ガラスの窓や、熱伝導率の高いアルミサッシを使用しているせいで、断熱性が著しく劣る空間となった結果——冬でも夏でも窓付近は大結露、フローリングがビショビショになり黒いカビが生えるという、異常かつ最悪な環境が形成されるのだ。
おまけに、エアコンは天井しか温めないので、座って作業をしていると足元はヒンヤリ冷たくなる。そのため、室内にいながらにして上はダウンジャケットまたはフリースを羽織り、下は裏起毛のズボンにブランケットを巻きつけておかなければ、寒くて仕事もままならない・・というのが、シロガネーゼたるわたしの冬の常識。
加えて、就寝時は頭まで布団をかぶらなければ寒くて眠れず、懲役を強いられているわけでもないのに、なぜこのような仕打ちを日々受け入れなければならないのか——。
(引っ越せばいい、という正論はこの際置いといて)
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我が家の自慢(?)である冷たくて分厚いコンクリートの壁を見つめながら、「刑務所で生活したことはないが、どことなく親近感が湧く日常を送っているのは間違いない」と、妙に納得するわたしなのであった。





















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