(いやぁ、日本のDXは日進月歩で成長しているんだなぁ)
と、感じる出来事があった。
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私は今日、久しぶりに「MY SOSアプリ」を開いてみた。これは新型コロナの水際対策として導入された、海外帰国者の健康フォローアップのためのアプリである。
昨年の帰国時には、空港内でスタンプラリーを経験したり、自宅待機期間中に頚椎ヘルニアを発症するも受診拒否をくらったり、まったくひどい目にあった。
あの頃の帰国者はほぼ犯罪者扱いだった。ウイルスについて不明点が多かったとはいえ、いかに大袈裟で極端な対策を強制していたのかと、今さらながら呆れてしまう。
とはいえ今でも、にわかに信じがたいルールを課す競技規定は存在する。
全国高校総体の男子サッカーでは、メンバーに一人でもPCR検査で陽性者が出た場合、そのチームは出場を辞退しなければならないのだそう。
屋外や混雑していない室内では、マスクを外すよう政府が呼びかけるまでに緩和されたコロナ対策。せめてチーム全員を検査して、陰性の選手だけでも出場させてあげるなど、「出場辞退」以外の選択肢はないのだろうか。
同様にバスケットボールでも、全員がマスクをしながらシュートやディフェンスをする姿に、違和感と不憫さしか残らなかった。
いったい、何のためのワクチン接種だったのか。
話をMY SOSに戻そう。
アプリが刷新されたようで、既存のアプリをアンインストールしてから再インストールすることに。見た目はほぼ同じだが、中身はまるで変わっていた。
真っ赤なトップ画面を開くと「検疫手続事前登録」を選び、質問票や誓約書なるものを入力。すると何らかのQRコードが現れた。きっとこれをかざすことで、どこぞのゲートを突破できるのだろう。
さらに、「ワクチン接種証明書」と「出国前72時間以内の検査証明書」を事前登録することで、帰国後の検査と自宅待機が免除されるのだそう。
(これは、かなり進化したなぁ)
軽く感動を覚えながら「ワクチン接種証明書」の登録ページを開くと、見慣れない文言が目に飛び込んできた。
「3回目接種日」
こ、これは・・・。
そう。つまり、このアプリを完全に使いこなせるのは、ワクチン接種を3回完了している人なのだ。そんな選ばれし勇者に与えられた特権なのだ。
3回接種していない私は、あえなく撃沈。そこですぐさま、入国者健康管理センターとデジタル庁へ質問、いや、疑問と意見を届けた。
なぜ3回以上の接種完了者でなければ、アプリ登録ができないのか?これは何らかの差別に当たるのではないか?
――久々に、クレーマー根性に火がついた。
とはいえ、ワクチン接種証明の登録ができなくても、ファストトラックと呼ばれる時間短縮経路は通過できる模様。これはきっと、ディズニーランドのファストパスのようなものだろう。
ちなみに、検疫手続事前登録が正常に完了すると、アプリ画面が緑色または青色になる。そして手続きが完了していない私は、黄色い画面となっている。
(とりあえず、私にありがちな「赤=不備がある」じゃなくてよかった・・・)
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余談だが、昨年まではワクチン接種証明にQRコードなど記載されていなかったが、最近取り寄せた証明書には「国内用」と「海外用」の二種類の二次元コードが記載されていた。
なお、デジタル庁発信の「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」なるものを発見したので、嬉々としてアプリをインストールしたところ、
「マイナンバーカードをご用意ください」
という紋所により門前払いを食った。
あぁ、マイナンバー(12桁の数字)だけでなく、「マイナンバーカード」がなければ利用できない行政手続きがある、とは聞いていたが、まさかここでその恩恵に与れないとは・・・。
かつて区役所で窓口業務を委託されていた頃、区民に対して偉そうに、
「マイナンバーカードを持っていると、こんな使い方ができるんですよ」
などと語っていた自分が恥ずかしい。
とは言え、日本政府も確実にDXを進めていることが分かり、ちょっと見直したのであった。
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