およそ2年ぶりに海外へと出国した。そして久々の渡米の新鮮さに加え、渡航時のベターな通信・支払い手段を再確認できた旅でもあった。といっても米国(本土、ハワイ、アラスカ等)限定の話ではあるが。
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まず一つは、ソフトバンク携帯ならばポケットWi-Fiは不要。
わたしは出国前日、ポケットWi-Fiのレンタル予約をしていないことに気づいた。いつもならば割引を効かせるためにも、わりと早めに予約をするのだが、海外が久々となる今回に限ってついうっかりしていたのだ。
海外渡航時に毎回使用しているグローバルWi-Fiのサイトへアクセスするが、コロナの影響もあり成田空港でWi-Fiを受け取ることができない。イモトやWi-Ho!も同じく、出国前日では空港の受け取りロッカーへ預けることができないため断られた。
そこでわたしは孫正義にすべてを託すことにした。実業家であり投資家の彼が、散々叩かれながらも米Sprintを買収した後に、AT&TやT-Mobile USAなど、ほとんどのネットワークを無料で使えるようになったアメリカ放題。奇しくも来年3月末で、CDMAネットワークの閉鎖によりSprintがアメリカ放題から外れるが、他の回線は使用できるので問題ない。
こうしてわたしは、初めてポケットWi-Fiをレンタルせずに出国を果たした。その結果、なんの不便も不自由も感じることなく旅を終えた。
まずはアメリカへ上陸すると、最適なネットワークへ自動的に接続される。その後も適宜ネットワークが選択されて快適な状況が続くのだ。
ホテルに入ればホテルのWi-Fiを使うこともできるし、スタバがあればスタバのWi-Fiを使うこともできる。それでも通信会社のネットワークが優る場面も多く、逆にテザリングでパソコンをネット接続させたことも何度かあった。
こうなるとポケットWi-Fiなど不要も不要。一日2,000円払ってまで荷物を増やす必要などまったくない。これからは孫正義に足を向けて寝られないなと、感謝の念を示さずにはいられない一週間となった。
そしてもう一つの不用品は、現金。
厳密には1ドル紙幣を2~3枚持っていけば十分。これは部屋の清掃時のチップだ。ちなみにわたしは毎日掃除をしてもらわないので、1週間滞在しても掃除は3回程度。客室清掃員の正式な収入の一部であるチップを払わないなど、社労士の風上にも置けない野郎だが、そこはまぁ目をつぶってもらいたい。
ちなみに東京は、今でこそ多くの店舗でキャッシュレス決済の導入が進んでいるが、アメリカでは10年以上前からクレジットカードによる決済が主流。そのおかげで毎回、使わずに持ち帰るアメリカ通貨が増えていく。
さらに「念のため、現金を少しだけ持っていこう」などという余計な気遣いが、自宅の米ドル紙幣を増やす。さらに最後の最後で駆け込みショッピングをした際の釣り銭たちが、長い年月をかけて溜まっていく。
その結果、レジ袋貯金を続けたアメリカ通貨たちは、まるでズッシリと詰まった「犬のうんち」のようにぶら下がることとなる。
これはどう見ても無駄な行為だ。両替するときは手数料を払い、円高だと日本円に戻すことも憚られる。だったら米ドルのまま置いておくほうがいいだろう。
――この繰り返しが犬のうんちを増やしていったのだ。
仮に現金を持たずに出国したとして、チップの支払いが必要となっても慌てることはない。クレジットカードでキャッシングすればいいだけのことだからだ。キャッシングの金利を恐れる素人も多いが、為替手数料を二度払う費用と手間を考えたら、キャッシングのほうが安くて簡単。
つまり、わざわざ手数料の安い両替所を探して現金の準備をしなくても、現地調達でどうにでもなるということ。海外でもどこでも錬金術は可能なのだ。
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というわけで今後は、ソフトバンクがアメリカ放題を続ける限りはポケットWi-Fiを借りることはない。そして最低限のチップ(現金)以外はクレジットカードのほうが安全なため、現地通貨を持っていくこともない。
これがURABE流、旅のおきてだ。
サムネイル by 鳳希(おおとりのぞみ)
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