日本はもはや外国なのだということを、いい加減認めるべき時がきた

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(結局、生きる環境によってたくましさは身につく・・というか、生き抜ける者しかここには残れないんだろうな)

ラスベガスで暮らす日本人女性二人と話をしながら、それぞれの持つ”異なるたくましさ”をひしひしと感じるわたしは、日本という国がいかに危険な状態にあるのかを思い知らされた。

 

アメリカではドラッグが横行しており、言わずも知れた銃社会である・・というのが大前提ではあるが、こちらの人々は誰もが「自分の身は自分で守る」ということを、当たり前に理解し実践している。

無論、危険なエリアに立ち入らないとか、ドラッグ中毒者のそばへ近づかないとか、まずは危険との距離を保つことが重要ではあるが、とはいえ”もらい事故”的にトラブルに巻き込まれる可能性も十分あるため、「どこにいれば安全」などという異空間のような場所は存在しない。

そして、もしもの時にわが身を守ってくれるのは、他でもない自分自身——そんなことは誰でも分かる答えなのだが、そのために「銃やナイフを所持して・・」などと具体的な策を講じられる日本人が、どれほどいるだろうか。

 

護身用の銃やナイフの所持・携帯が違法である日本において、「身を守るために武器を備えよ」というのは、社会的にもいささか過激な発言に聞こえるだろう。

だからこそ並列で比較できない難しさはあるのだが、とはいえ一人の女性が自分の身を守るために、どれほどの準備と覚悟を持っているのか・・と問われれば、ほとんどが「誰かが助けてくれる」「警察に通報すればいい」というように、完全に他力であるのが現状。

さらに、ネチネチと陰湿にメンタルを追い込むのが得意な日本人は、何かあればすぐに誰かのせいにしたがる。悪いのは自分じゃない、相手だ!——そう思いたい気持ちは分かるが、仮にそれで殺されたのでは割に合わないじゃないか。

 

明らかに貧富や人種による差別を体感できるアメリカにおいて、友人以外でわたしを助けてくれる者はいない・・いや、場合によっては助けてもらえないかもしれない。そう思わざるをえないほど、この国には個の強さと圧力、そして圧倒的なクレイジーさを感じるのだ。

それに比べて日本人の生ぬるさといったら、本当に「平和ボケ」という表現がピッタリである。そりゃそうだ、170年前までは右も左も日本人しかいない穏やかな島国だったわけで、高度経済成長を経てグローバル化した上に、移民だのインバウンドだのを積極的に受け入れるようになったのは、つい最近のことなのだから。

 

そして今、感覚的に他国の脅威——正確には「他国から来た人間による脅威」に徐々に気づき始めた日本人は、それでもなお「きっと誰かが守ってくれる」と、謎の自信に満ち溢れているから不思議である。

日本人同士ならばまだしも、相手は海外の人間・・しかも、日本人に少なからず敵意を抱いていたとすれば、同じ空間(エリア)にいること自体が非常に危険。それでも、性善説で成り立っている日本人にとっては、「あらあら、遠い国からわざわざやって来て、それは大変だったでしょう」などと、茶を出しかねない呑気さなわけで。

とはいえ、巷では今頃になって「外国人は自国へ帰れ!」とか「ビザを厳しくしろ!」などと騒ぎ始めた様子だが、それらと同時に、眼前に迫る危険から身を守る方法を考えるべきだろう・・いや、むしろその「覚悟」を持つべきである。

 

ヒトはむやみやたらに襲ってはこない——そんなおとぎ話を信じていたら、いくら平和ボケの国・日本といえでも、そう長くは命が持たない。だからこそ、いつどこでどうやって襲われたとしても最低限の反応ができるよう、老若男女問わず全国民が準備と心構えをする段階にきているのだ。

「いくらなんでも、それは過剰だよ」

そう感じる者もいるだろう。しかしながら、相手が外国人であることを忘れてはならない。海外へ行けば分かるが、日本の常識は通用しない・・つまり、場所は日本であっても相手は外国人なわけで、その瞬間に関しては「外国にいるのと同じ」なのだ。

 

しつこいようだが、日本人はもう少しリアルに危機感を持つべきである。「自分には関係ない」とか「自分だけは大丈夫」とか、そんな妄想に近い戯言を口にしているバカは、すぐさま考えを改めてもらいたい。

かつて、人種の坩堝(るつぼ)と呼ばれた当時のニューヨークの状況は、今の東京とそっくり。要するに、居住する者が多国籍だからこそ日本の常識など通用しない・・ということを、早い段階で理解し受け入れなければ、いずれ「日本人」はいなくなるだろう。

 

 

「だって・・ねぇ、いざとなったらやるしかないっしょ?やられるくらいなら」

護身術や格闘技の経験など皆無の女性が、いざという時の行動について語る姿に、わたしは改めて「外国で生き抜く覚悟」を思い知らされるのであった。

 

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