頸椎椎間板ヘルニアによるC7神経根症と診断されてから、一週間が経過した。そしてわたしは、ついに発見したのである——そう、頸椎ヘルニア患者のための最高の寝方を!!
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まず初めに「ヘルニア」という言葉について触れておこう。起源は古代まで遡り、ラテン語の「Hernia(ヘルニア)=突出、膨らみ」が、そのままの意味で使われている。有名なものとして「椎間板ヘルニア」が挙げられるが、読んで字のごとく、椎間板という組織が突出して神経を圧迫している状態を示している。
なお、医学的にヘルニアと言った場合は、単なる突出のみならず”飛び出た組織・臓器が神経に触れている状態”を指し、神経に触れていないヘルニアは「膨隆(ぼうりゅう)」と呼び分けているのだそう。
要するに、頸椎椎間板ヘルニアというのは、頸部にある椎間板という組織が壊れることで、脊髄や神経根を急激に圧迫する症状を指している。それに伴い、首や肩、背中にかけての痛みや腕のしびれがあるため、地獄のような苦痛に24時間見舞われ睡眠もままならない——そう、これこそが椎間板ヘルニアの最も恐るべき事態といえるだろう。
わたし個人としては、しびれと痛みで腕を10秒と下げていられないことで、パソコン作業やピアノの練習ができない・・という不便さを最も苦痛に感じているが、一般的には睡眠時の激痛で寝不足になることのほうが、ストレスが溜まり体調不良を招く様子。よって、どうにかして睡眠を確保しなければならない・・となるわけだ。
ということで、このわたしが救世主となる日が訪れた。一体どうすれば、この激痛から逃れて安眠を確保できるのか——その術を伝授しようじゃないか。
まずは寝る場所について、これはベッドではなく「ソファ」でなければならない。
わたしの場合、体の左サイドに痛みやしびれが起こるため、左半身をソファの背もたれに当てて、やや横向きの姿勢かつアルマジロのように丸まって寝ている。そうすると、必然的に右腕がしびれたり巻き肩になったりする——そこで、クッションの登場だ。
低反発または高反発のクッションを複数用意して、脇の下や尻の下、両膝の間、くるぶしの下など、あらゆるところに敷いたり挟んだりすることで、体とソファの座面との接地状態がフラットになるのを防止する。そうすることで、下敷きになった肩への荷重や、骨盤への負担を軽減できるのだ。
さらに、ソファには背もたれがついているため、腕のしびれが緩和する角度を確保することができる。たとえば背もたれに腕を引っかけてもいいし、背もたれに肘を当てる形で楽なポーズを作ってもいい——このように、ベッドでは維持することが難しい角度やポーズを、ソファならば再現できるのだ。
そして、もう一つのアイテムは「パーカー」である。パーカーといえばフードがマストだが、そのフードをかぶった状態で横になることで、アンカーの役割を果たしてくれるのだ。
仮に、ソファの背もたれを使って左腕にとってちょうどいい角度やポーズを作れたとしよう。しかしながら、そのままでは腕がグラついていつしか崩れてしまう——そんな不安定な状態をサポートするのが、パーカーのフードなのだ。
わたしの場合は、左手の中指と薬指をフードの内側にグッと引っかけて、指先がフードに残る状態にする——これが「アンカー」の役割を果たし、セルフで維持が可能となるのだ。
フードをかぶった状態でソファに横になり、腕の痺れや肩甲骨周りの痛みが緩和する角度・位置を探し、そのままの状態で「指」というアンカーを打ち、あとは目を閉じるだけ——。
たったこれだけで睡眠を確保することができるのだ。無論、長時間同じ姿勢でいるのは苦しいので、時に寝返りを打つなどして状態は変化するが、それでも「痛くて寝れない」という悪夢からはおさらばできる。
なによりもこれはわたしの実体験であり、信用に値する寝方として自身をもって提案したいのである。
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念のため、これは頸部のヘルニアで苦しむ者へ推奨したい寝方なので、その他の部位のヘルニアにも適合するかどうかは分からない。
だが、どこかへもたれかかることで痛みが軽減するのであれば、それを使わない手はないわけで、自宅にソファがある者はぜひとも試してもらいたい。




















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