男性にとったらタブーな話題というか、あまり知りたくもない情報かもしれないが、女性にとったら間違いなく画期的な生理用品が、ユニクロから発売された。その名も「AIRism・次世代型吸水サニタリーショーツ」。
いま流行りのサステナブルの波に乗り、また「生理の貧困」という深刻な社会問題の解決策として、生理用ナプキンやタンポンを使わずに経血を吸収するショーツの開発が進んでいる。
一足先に他のメーカーからも同じようなサニタリーショーツがリリースされているが、値段が高かったり吸水部分に不満があったりする。
「まぁ生理用品を使わずに済むのなら、初期費用がかかってもしかたないか」
と思えなくもないが、それでも一枚5,000円となるとなかなか手が出ない。さらに横モレや伝いモレの不安からも、ショーツだけで本当に大丈夫なのかと疑心暗鬼にもなる。
そんな最中(さなか)、天下のユニクロが「吸水サニタリーショーツ」なるものを、全国の生理女子に向かってドーンと発信してきたのだ。しかも伝家の宝刀「エアリズム」素材ゆえ、通気性や履き心地も抜群な上に、強力なフィット感まで兼ね備えた完璧なサニタリーショーツ。これは競合他社も戦々恐々としているのではなかろうか。
さらに驚くべきは値段だ。なんと1,990円という低価格により、サニタリーショーツ業界に挑戦状をたたきつける形となった。
男性陣にとったら、
「パンツ一枚で2,000円は高い!」
と感じるかもしれないが、毎月の生理用品にかかる金額を考えると、ショーツに付着した経血をお湯で洗い流し、その後は洗濯機に放り込むだけで繰り返し使えて2,000円というのは、非常にお手頃価格といえる。
ちなみに生理というのはピタッと予定通りには訪れない。およそいつ生理が来る、という計算はできるし、生理数日前から腹痛や下腹部の違和感、ダルさ、眠気などから生理が近いことは察知できる。だが、
「一時間後に生理になる!」
というようなドンピシャ予測は、地震や噴火と同様にまず不可能。そのため生理が近づいてきたら、いつ出血しても衣服を汚さないように「パンティーライナー」や「おりものシート」というものをパンツに装着する。
これは「薄くて小さな生理用ナプキン」で、少量の経血ならばキャッチできる。なぜ最初から生理用ナプキンを付けないのかというと、生理前からゴワゴワの立派なナプキンを付けていては、履き心地も悪いしムレやすくなるし、何よりストレスの原因となる。それをパンティーライナーが軽減してくれるのだ。
このように、生理まっただ中だけでなく生理前や排卵日などにもケアが必要な女性にとって、これら「生理用品が不要」というのはものすごく魅力的な話なのだ。そして早速、生理が近づくタイミングで、わたしはユニクロへ向かった。
実物を手に取っての第一印象は、
「デカくて立派だなぁ!」
という感じ。サニタリーショーツなのだからティーバックでは困る。よって、ダサくてもへそまで引っ張りあげられるハイウエストで問題ない。また人によっては、尻からウエストをスッポリ包み込むこの形は、ボディラインの補正に役立つかもしれない。
そして思わずニヤリとなったのは、ショーツ内側の吸水部分の広さだ。椅子に座ったりベッドで横になったりすると、どうしても尻の割れ目に沿って経血が「伝いモレ」しやすくなる。そのため、朝起きると尻というか腰近くに血痕が付着していた!なんていう失敗は、誰しもが経験したことだろう。
それがこのショーツ、尻だけでなく腰まですべて吸水エリアなのだ。これならば逆立ちしてても伝いモレしないぞ。
さらに「女性の心理を捉えているなぁ」と感心したのは、吸水部分の色が黒色であることだ。パンツは白がオーソドックスとされ、生理用品も当然ながら白。白ならば僅かな経血にも気がつく利点はあるが、やはりまじまじと「血」を見なければならないのは、それなりにいい気分ではない。
血の色も様々で、真っ赤であったりどす黒かったり、それらを生理の期間中ずっと目にしなければならないストレスが、男性諸氏に想像できるだろうか。
ところがこのショーツは吸水部分が黒色であることから、トイレの際も気分が憂鬱にならないのが素晴らしい。ある意味、わたしにとってはここが一番のポイントだったかもしれない。
そして肌触りもまったく問題ない。生理初日、ここぞとばかりにいろいろと観察を続けたが、吸水部分の表面に経血は浮いてこなかった。さすがに指で触れてはいないが、吸水部分の表面はサラサラしている様子。もちろん、ショーツの裏側からも経血は漏れていない。
そもそもこの吸水部分、30~40ミリリットルの水分を吸収できるつくりになっている。一般的な女性の一日の経血の量は、多い人で50~70ミリリットル程度。一回の生理での総経血量が20~140ミリリットル(働く女性の健康応援サイト/厚労省より)なので、生理開始から3日目くらいまでにほとんど排出されることから逆算できる。
よって、経血量の多い人が丸一日履いていると吸水オーバーとなってしまうが、朝晩で履き替えたり、ナプキンと併用したりすることで十分カバーできる。
なによりも、このピタッと包み込むようなフィット感は「安心」以外のなにものでもない。サニタリーショーツ特有の「股やウエスト部分の締めつけ」もまったくなく、これぞ正にユニクロ・クオリティーといえる。
とくに生理後半の経血量が減ってきた頃など、このショーツのみで問題ない。太鼓判を押そう。
*
というわけで、ユニクロの回し者でもなければ案件でもないのに、滔々(とうとう)とサニタリーショーツについて語ってやった。
とにかく、フリース、ウルトラライトダウンに次ぐ大ヒット商品となるのは間違いない。女性陣はぜひ一度、履き心地と性能を確かめてみてほしい。とくに格闘技のような激しいスポーツの際、これはかなりの安心を与えてくれるはず。
なお、どうしても試したくてしょうがない男性は、40ミリリットル程度の尿漏れならばこのショーツがキャッチしてくれるから、個人の責任で試してみてはどうか。
サムネイル by 鳳希(おおとりのぞみ)
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