本場アメリカのスタバで学んだこと

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元カフェ定員としては、いわゆる「普通のコーヒー」のことを「ドリップ」と呼ぶのは当たり前。ドリップは淹れ方の名称だが、和訳すると「ポタポタと滴る」という意味があり、まさにその言葉の通り"コーヒーメーカーからコーヒーが滴り落ちる"わけで、なるほど合点がいく。そのため、トールサイズのホットコーヒーを注文したければ「トールドリップ」と言えばいいわけで、再確認される必要がなく簡単確実なのである。

「え、再確認って?」というのは、ホットコーヒーは実は二種類あり、一つはいわゆるドリップコーヒーで、もう一つはアメリカーノという、似て非なるブラックコーヒーが存在するのだ。ドリップは先述した通りだが、アメリカーノはエスプレッソにお湯を注いで薄めたもので、簡単な見分け方としては「白い泡が表面を覆っているとアメリカーノ」という判断で間違いないだろう。

 

というわけで、ドリップ方式で淹れたコーヒーを注文しようとしたわたしは、ラスベガスのスタバで「Two tall drips」と、紫色の髪の毛のオバチャンに告げた。すると「What?」と聞き返されたのだ。そこでわたしは、「トゥー タール ドゥリッ!」と、ゆっくりと大きな声で言い直した。ところがオバチャンは、相変わらず怪訝そうな顔で「何のことかわからない」と言うのだ。

(スタバでドリップコーヒーが置いてないはずがない、いったい何が違うんだ・・)

とりあえずわたしは「Two tall starbucks coffees」と、メニュー通りの呼び方で言い直したところ、「Okay, two tall starbucks coffees」と復唱されたのだ。

 

(・・え、まさかメニュー通りの言い方じゃなかったから、意地悪されたのか?!)

そんなはずはないと、わたしはオバチャンに「ドリップコーヒーが通じない理由」を尋ねてみた。するとどうやら、アメリカではドリップ方式で淹れたコーヒーは「Brewd coffee」と呼ぶのだそう。たしかに、コールドブリュー・コーヒーは「ブリュー」という単語を使っている。

ちなみにドリップとコールドブリューの違いは、ドリップが熱湯を注いで抽出するのに対して、コールドブリューは水を注いで抽出する・・という差がある。そのため、コールドブリューは苦みや渋みの少ないサッパリとした味になるのだ。

さらに、Brewは(コーヒーや紅茶を)淹れるという意味があるので、確かにブリューコーヒーでドリップコーヒーを意味することになる。

(淹れ方を限定し過ぎたわけか・・)

 

何はともあれ、今後は「Two tall brewd」と注文することを覚えたわたしは、また一つ賢くなった気分である。余談だが、シアトルのパークプレイス・マーケット内にある「スターバックス1号店」にちなんで、「Pike Place® Roast(パイク・プレイス・ロースト)」という名前の豆があり、それにちなんで「Tall pike」と注文してもトールサイズのドリップコーヒーが出てくる模様。

その後、アメリカ版スタバのメニューサイトを見たところ、確かに「Brewed Coffees」と書かれた列に、豆の種類(焙煎の種類)別でドリップコーヒーが紹介されていた。・・これでまた一歩、わたしはアメリカかぶれに近づいたわけだ。

 

 

ラスベガスは砂漠の真ん中を開拓して作り上げた都市のため、室内にいても皮膚は乾燥するし水分は逃げていく。そのため、ただ息をしているだけで体重が減っていくから不思議である。

よって、コーヒー中毒であるわたしは、それはもう朝から晩までコーヒーを飲みながら過ごしているわけで、こんな幸せな生活が可能となるアメリカは、控え目にいっても最高だ。なんせ日本では、いつもの癖でコーヒーを注文するだけだが、こちらにいると必要に迫られてコーヒーを摂取するのだから、なんとなく「良いことをしている」ような気分になれるのだ。

(あぁ・・値段は高いけどコーヒー最高!!)

 

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