堂島といえばロールケーキ・・いや、バウムクーヘンだ

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クリスマスイブからクリスマスにかけて、わたしは部屋で一人、ローソンのメガアイスコーヒーをラッパ飲みしながら過ごした。

今さらだが、コンビニのアイスコーヒーはクオリティが高い。わざわざスタバへ行かなくとも、これほど上質なコーヒーが近所のコンビニで買えるわけで、深夜の時間帯はいつもメガアイスコーヒーの世話になっているのである。

 

それにしても、この"メガサイズのコーヒー"というのは非常に優秀な飲み物といえる。なんせ、サイズ感としてはМサイズ2杯分であるのに対し、価格はたったの320円で超お得なのだ。

ちなみにMサイズは220円なので、ボリュームだけでいえば440円分の価値がある。そこから120円も安く売ってくれるのだから、ローソンに足を向けて寝ることはできない。

 

そんなこんなで、後輩からの手土産を貪り食いながらメガアイスコーヒーを飲む・・という、優雅なひと時を堪能しているのであった。

 

 

大阪からやってきた後輩が、「堂島カラメルバウムクーヘン」なるものをくれた。こやつはなかなかの猛獣使いで、上京するたびに見事な餌付けを披露してくれるので、今回も期待に胸を膨らませていた。

わたしは昨日、今年はもう、(できる限り)ケーキ類を食べないことを心の奥で誓ったのだが、その誓いはたった一日で破られた。だがこれは後輩が悪い。わたしの固い意志を無視して、堂島カラメルバウムクーヘンなどを買ってくるからだ。

 

そして、やはり食べ物をもらったからには、まずは味見をして礼を言わなければならない。いくら賞味期限が2月末とはいえ、リアルな感謝を伝えるためにはいち早く味わう必要があるのだ。なぜならそれこそが礼儀であり、信頼関係をより強固なものとするための重要な要素でもあるからだ。

(・・・うん、こりゃ美味い!!)

土産品としてはずば抜けたレベルで満足できる味に、わたしは思わず叫んだ。バウムクーヘンなど、牛乳なしでは咀嚼できないわがままな洋菓子だと思っていたが、これは違った。

 

天面に塗りたくられたカラメルソースのほろ苦さが、バウムクーヘンの甘さをそっと包み込むかのように、甘すぎず苦すぎずちょうどいい頃合いの風味を醸し出している。

さらに、昨日のパウンドケーキもそうだったが、最近の洋菓子はしっとり加減が絶妙に素晴らしい。バウムクーヘンといえば、「飲み物で押し込まなければ、喉に詰まってしまうスイーツ」として有名だが、いまどきの商品は飲み物いらずであることに驚かされた。

・・いや、これもすべて"なにわ屋"の企業努力なのかもしれない。とにかく、割り箸で切り分けてもボロボロになることなく、しっかりとした形でつまむことができるあたり、さすがは天下の台所・大阪である。

 

カラメル味の切り株を半分食べた段階で、残りを業務用冷凍庫へと移動させた。このバウムクーヘンは、冷やすことでさらなる境地へとたどり着くに違いない——と踏んだからだ。

どうせならば最高の状態で満喫したい。加えて、新しい食べ方を発見できたならばなお満足できる。ひんやりバウム、いいじゃないか——!

 

 

バウムクーヘンを冷凍庫で寝かせる間、わたしは「堂島カラメルバウムクーヘン」について調べた。多くの消費者からの高評価には「さすが」の一言だが、それよりも、目が飛び出しそうなほど"驚きの事実"を発見してしまったのだ。

なんと、堂島カラメルバウムクーヘンの製造元であるなにわ屋では、同じ形状の商品として「京都抹茶ラテバウムクーヘン」なるものを販売していたのだ!!

 

(・・なぜだ。あいつはわたしの好みを熟知しているはず。つまり、抹茶のバウムクーヘンが並んでいれば、そっちを買うはずだ。それなのになぜ、カラメルバウムクーヘンを選んだのだろうか——)

 

やはり大阪の洋菓子といえば、ロールケーキの火付け役となった「堂島ロール」だろう。そして堂島イコール"ケーキの聖地"という印象からも、後輩は「堂島」と名の付くこちらのバウムクーヘンを選んだに違いない。

なんせこれは大阪土産なのだから、大阪っぽいもののほうがいいに決まっている。そんな彼女の考えや思い入れを、踏みにじるような真似をしてはならない。

 

だが、なぜ抹茶じゃなかったのだろうか——。

 

 

もらいものにケチをつけるかのような、意地汚い精神の持ち主であるわたしは、悶々としたまま朝を迎えるのであった。

 

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