電車内でアゴマスクの思考回路と精神状態の考察

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友人は極度の対人嫌悪症で、極度のコロナ差別主義者だ。

彼は2次元の世界をメインに活動しているため、3次元の世界をあまり必要としていない。

さらに資産家であるため、金を稼ぐために外出する必要などない。

 

週に1回、ヒマつぶしと冷やかしを兼ねてアルバイトに出かける。

バイト先までの移動途中、日比谷線の車内で友人を激昂させた人物がおり、すぐさま私へ連絡が来た。

 

「あのさぁ、アゴマスクで電車乗ってる奴ってなに考えてるの?」

 

さぁ。

私もたまにアゴマスクのときがある。

たとえば飲み物を飲むときや、スマホのフェイスロックを解除するときにマスクをアゴへずらし、ついついそのままにしてしまうことがある。

 

今どきの乗客は、ほぼ100%マスクを着用している。

つまり私一人がマスクを外していても、感染拡大の影響などない。

 

そう思っているから、厳重にマスクを着け続けることを忘れるのかもしれない。

 

考えてみると、電車内でマスクを着用しているほとんどはサラリーマンやOL、学生だと思う。

要するに、ある一定の規律のなかで生きている人はマスク着用を厳守する

 

しかし私のようにフリーで同調を嫌う人間は、身勝手な考えでマスクをしたりしなかったりするのかもしれない。

 

とりあえず友人の主張はこうだ。

 

・マスクを忘れたとか今持ってないとかならわかる

・だがなぜアゴマスクの必要があるんだ

・マスクを着けるならアゴではなく口にしろ

 

たしかにそのとおり、納得のご意見。

 

それからしばらく、私は電車内の人間観察を行った。

主に銀座線と南北線で調査した結果、一つの事実が判明した。

 

夜のアゴマスクは間違いなく酔っ払い。

 

夜遅い時間帯の地下鉄車内、アゴマスクでベラベラとしゃべるのは、見るからに酔っぱらったサラリーマンだ。

その相手を見ると、ちゃんとマスクをしている。

 

なぜおまえは注意しないんだ?

あぁ、こいつも酔っぱらってるからか。

もしくは相手が上司で言いにくいのか。

 

飲酒をすると胃腸から全身へ、血液を通じてアルコールがいきわたる。

大部分は肝臓で分解されるが、脳に到達したアルコールが神経細胞に作用して麻痺させる。

そのため、声や態度がデカくなったりフラフラしたり嘔吐したりと、確実に他人に迷惑をかける状態になる。

 

いずれにせよアルコールの入ったサラリーマンが、高確率でアゴマスクをしている。

 

よって、酩酊状態で正常な判断ができないため、口ではなくアゴにマスクを着けていると推測される。

 

とはいえ擁護する必要はない。

クソみたいなエロ話を興奮気味に話すから、暑苦しいマスクをアゴへとずらす。

そうやって言葉もツバもペッペと飛ばし、相手にも周囲にも迷惑をかけているだけだからだ。

 

 

私が思わず声をかけてしまった「アゴマスクの事例」が2件ある。

 

1件目は、アゴマスクで鼻をほじる太った中年男性

鼻をほじるためにアゴマスクなのか、と納得したが許せない。

 

「その指で次どこさわるの?」

 

スマホをいじっていた太った男性は驚いてこちらを見た。

 

「少なくとも公共の物には触れるなよ」

 

男性は「はい」と小さく頷き、鼻をほじっていた手をグーにした。

 

 

2件目は、いろいろな角度から自分を確認しつつメイクを続ける女性

顔面の状態を確認するためのアゴマスクなのか、と理解した。

しかし納得はできない。

 

私は彼女に小声で質問した。

 

「ブス?」

 

よく聞こえなかったようで、え?と聞き返された。

今度はマスクを外し口元を見せながらハッキリと、

 

「ブスなの?」

 

と問うた。

すると彼女はむっとした表情でマスクを着けて無視をした。

 

ブスだからマスクをしたのか、アゴマスクに気がつき口に戻したのか、どちらが正解なのかは聞けなかったが、結果としてマスクを口に着けた。

 

 

現実問題として、発達障害の患者に対するマスク着用には配慮の必要がある。

 

発達障害の中でもASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)の場合、感覚の過敏さからマスク着用が困難な場合があるのだ

 

ASD患者らが努力をしていないわけではない。

コロナ感染拡大防止のためにも、それよりなにより周囲から白い目で見られることを避けるため、苦しさを我慢してマスクを着用していることがある。

 

これについて厚生労働省から、

 

「障害特性によりマスク等の着用が困難な方に対する、国民の皆様のご理解をお願いいたします」

 

とアナウンスもされている。

 

いわゆる「マスク警察」のような偏った正義感と同調圧力に傾倒する人には、是非とも知っておいてもらいたい事実だ。

 

 

友人の言う「アゴマスク」は、当然だがマスク着用が困難な人々のそれを指しているわけではない。

 

口にマスクを着けられるのにあえてアゴマスク。

くしゃみや咳をするときになぜかアゴマスク。

 

マスク着用の意味を理解していないアゴマスクらに対して怒っているのだ。

 

その事実と真相を暴くため、該当者へは今後も積極的にインタビューを続けようと思う。

 

 

Illustrated by 希鳳

 

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3件のコメント

工場や現場で使う防塵防毒マスクして
山手線乗ったが反応が無くてがっかりした。

あれはヤバすぎるから誰も関わりたくないと思ったんでしょ😂
革マル?浅間山荘事件の一味みたいな雰囲気だった!

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