体温29度でもアクティブに動ける生命体であるために

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新型コロナ対策として、スポーツジムやアパレルショップの入り口で、検温をしてから入場する方法が主流となっている。

 

私の所属するトライフォース赤坂でも、練習前に検温を行い、37度以上の人は帰宅しなければならない。

 

使っている体温計は非接触型で、おでこの表面から発せられる赤外線量を測定するものだ。

 

他人が検温する姿を見ていて思うのは、若干、ロシアンルーレットぽい。

体温計の形がピストル型のため、自らのおでこにリボルバー(回転式拳銃)を突き付けてるように、見えなくもない。

 

カチッ

 

運命の引き金を引き、体温を測定する。

 

 

昨日の私は、少々人間離れしていた。

体温計でおでこを撃ち抜き、温度を確認すると、

「34.7度」

という数値が現れた。

 

「その体温計、少し低めに出るから気にしなくていいよ」

 

と、ジムの仲間は言う。

しかし、彼女らの言う「低め」は、0.5度とかそのレベルなわけで、1度も違わない前提だ。

 

もう一度、おでこを撃ち抜く。

 

カチッ

 

「33.6度」

(さっきより1度下がった・・)

 

それを見ていた、大学病院勤務の薬剤師の友人が、

 

「これね、検温モードにもよるんだよ」

 

と、私の手から拳銃を、いや、体温計を奪った。

そして得意げにモード選択をし、

 

「これで正しいおでこの温度が測れるから」

 

と、自らのおでこに向かって「カチッ」とお手本を見せてくれた。

 

その結果、彼女の体温は36度台と普通だった。

 

私は体温計を奪うと、再度、おでこを貫いた。

 

カチッ

 

「29.7度」

 

もはや、重度の低体温症だ。

人間は体温が30度を切ると、半昏睡状態となり、瞳孔は散大する(私が得意なやつ)。

心拍は微弱、呼吸数は半分以下になる。

 

薬剤師の友人に表示部分を見せつけた。

 

「あらー、それ測り方が下手なんだよー」

 

そういうと、今度は彼女が体温計を奪い、私のおでこに狙いを定めた。

 

カチッ

 

「ウフフ(今度は正しく測れたはずだよ)

 

彼女はからかうように微笑んで、数値が出るのを待った。

 

「33.2度」

 

(・・・・・・)

 

その場にいた誰もが絶句し、もはや私に再検温を促す者は、いなかった。

 

 

 

そういえば少し前、都内の某ユニクロへ行ったときのこと。

入り口でおでこに体温計を当てられ、検温された。

 

一列に並び、店員さんにカチッカチッと測ってもらう。

結果、熱がなければ入店できる。

 

そして私の順番が来た。

 

カチッ

 

「・・あれ」(店員さん)

 

カチッ

 

「・・あれ・・どうしよう」(店員さん)

 

なぜか私の時だけ、上手く検温ができないようだ。

それが、高温すぎるのか低温すぎるのか、はたまた温度が測定できないのかは分からない。

しかし、彼女は焦りながら何度も、カチッカチッと私のおでこを撃ち抜いている。

 

「あの、すみません。

ちょっと体温計が壊れてしまったので、お待ちください」

 

そういうと、小走りでバックヤードに駆け込んで行った。

 

 

背後からは苛立ちと殺気を帯びた冷たい視線を感じる。

私のせいで、何十人ものお客さんが足止めをくらっているのだから、当然だ。

 

ーーこのままでは暴動が起きる

 

危険を察知した私は、すばやくユニクロ店内へ消えた。

すると、暴徒化しかけた来店客らも一斉に、店内へとなだれ込んだ。

 

(ま、いっか・・)

 

 

 

とどのつまり、あのときも私の体温が異常に低かったのだろう。

20度台とか、ありえない体温だったため、店員さんは焦ったのだと推測できる。

 

そんな私は今日も元気いっぱいだ。

 

 

ちなみに、日本パラグライダー協会(JPA)のサイトには、低体温症の症状が詳しく記されている。

 

軽症(35~33度)
無関心状態、すぐ眠る。歩行よろめく。口ごもる話しぶり。ふるえ最大。(協力的にみえて協力的でない。まともそうに見えてまともでない。)

中等症(33~30度)
33~32度 会話がのろい。閉じこもる。逆行性健忘。意思不明。運動失調。

31~30度 錯乱状態。支離滅裂。しだいに応答しなくなる。震え停止。歩行や起立は不可能。

重症(30度以下)
30~28度 半昏睡状態。瞳孔散大。心拍、脈拍微弱。呼吸数は半分以下。

28~25度 昏睡状態。心室細動。

25度以下 腱反射消失。仮死状態。

20度以下 脳波消失。心停止。

16度 救命しえた成人の偶発性低体温症の最低体温。

このように、体温ごとに出現する症状は異なる。

 

これを見ると、私は危うく昏睡状態に陥るところだったわけで、体調管理には今まで以上に気を配るようにしたい。

 

 

Illustrated by 希鳳

 

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3件のコメント

なんだその映画は!
見たことないけど、まぁ1/6で私が死ぬってことはわかった笑

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