どんなに鬱陶しがられようが、声を大にして伝えておきたいことがある。それは「わたしは無類の抹茶好きである」ということだ。そんなことを言われたところで、「だからなに?」というのが大方の感想だろうが、とにかく抹茶の商品を見かけると片っ端から購入してしまうほど、わたしは抹茶とともに生きている。
そして、抹茶と同じくらい好き・・というか口にする機会が多いのがコーヒーだ。量的には抹茶よりもコーヒーを明らかに摂取しているので、わたしの血液はグリーンではなくブラックかもしれない——そのくらい、毎日大量のカフェインを取り込んでいる”中毒者”でもある。
この二つがあれば「わたしの人生はバラ色!」といえるほど、意外と簡単に幸せが手に入る安いオンナではあるが、じつは抹茶についてちょっとしたこだわり・・いや、願望がある。それは”抹茶は、抹茶単体で商品化してもらいたい”ということだ。
よくある組み合わせは、抹茶×あんこ(小豆)という最悪のコンビ。誰がこんな忌まわしい組み合わせを思いついたのか、今となっては過去の偉人を恨むしかないが、「葉っぱと豆」というマッチングに対して、わたしは嫌悪感を抱いている。
茶葉は茶葉のままで最高の風味を満喫できるにもかかわらず、豆という個性の強い物体を混ぜ込むことにより、抹茶が持つ本来の輝きを鈍らせている・・という事実になぜ気づかないのだろうか。
本日も、サンマルクカフェで「期間限定・京抹茶パフェ」を食べたが、抹茶信者のわたしは暗黙の了解で「あんこは取り除いてください」という注文をつけた。言うまでもないが、あんこ(小豆)のせいで抹茶の風味が損なわれたら、それこそ何のためにわざわざここまで足を運んだのか分からなくなるからだ。
そんなわけで、京抹茶パフェとプレミアムチョコクロ京抹茶、そして京抹茶スムージーという最強の抹茶トリオを制覇したわたしは、お口直しにコーヒーでも飲もうか・・と、スターバックスのサイトを見ていた。
だが、今思えばなぜスタバのメニューを見たのか、いや、見てしまったのか——悔やんでも悔やみきれないのである。なぜなら、知る必要のない情報を無意識に知ってしまったからだ。
・・繰り返しになるが、わたしは抹茶が大好きであり、抹茶単体で味わうことに無上の喜びを感じている。さらに、豆類によって抹茶が汚染されることを殊に嫌っている。
そんなわたしに対して——もっと言うと、超優良顧客であるわたしに対して、スターバックスは正面から喧嘩を売ってきた。その喧嘩とは、「抹茶 ピスタチオムースティーラテ」および「石臼抹茶 ピスタチオムースティーラテ」という、とんでもない狂気のメニューを叩きつけてきたことだ。
そもそも、ピスタチオに対して疑心暗鬼というか一ミリも心を許していないわたしは、抹茶の近くにピスタチオが存在すること自体が許せない。
例えば、コンビニのチョコレートの棚やスイーツが並ぶオープンケースに目をやると、あたかも抹茶であるかのようにピスタチオがのさばっていることがある。しかもここ最近、この不吉な現象が頻発しているため、個人的には「ピスタチオ・ハラスメント、略してピスハラ」と呼んでいるのだ。
そんなピスハラが、まさかのスターバックスでも起きていたとは——。もはやこの世の終わりである・・あぁ、そういえば7月5日に大災害が起きるとかなんとか言っていたな。
だが唯一の救いは、この「ピスハラ」が横行しているのが都内では4店舗のみという事実。その哀れな4か所とは、六本木ヒルズハリウッドプラザ店・恵比寿ガーデンプレイスセンタープラザB1店・渋谷サクラステージ店・キラリナ京王吉祥寺店・・これらの店に足を運ばなければ、ピスハラを目の当たりにすることなくスタバを楽しむことができるのだ。
それにしても、
抹茶の旨味とほのかな苦みが、ふんわりとしたピスタチオフォームのまろやかなコクに包み込まれたティーラテ。カップの底には、フレッシュクリームとホワイトチョコレート風味のシロップが加わり、甘くクリーミーな味わいを楽しめます。濃厚な風味でありながら、最後まで心地よく飲み続けられる一杯です。
・・と公式サイトで紹介されているわけだが、ピスタチオフォームさえ除けば抹茶とホワイトチョコの美しく可憐なタッグが堪能できるというのに、なんとも残念でならない。スタバはなぜ、このような嫌がらせを思いついたのだろうか——。
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ピスタチオさえ入っていなければ、今すぐにでも試してみたい抹茶ティーラテだったが、とりあえずわたしがこのビバレッジに手を出すことはない・・ということだけは確実なのである。
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