ポルチーニリゾットとマシマシネギラー油という美味そうなネーミングに釣られてせんべいを買ってみた

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強欲かつ食への執着が強いわたしは、健康に悪かろうがジャンクフードだろうが、食べたいと思ったものを口に入れる習性がある。そんなわたしが帰宅途中に立ち寄ったコンビニで、一瞬にして目を奪われるパッケージの菓子を発見してしまった。

しかも、あえてレジ横に陳列するあたり、明らかに「テンション・リダクション効果」を狙っての戦略だろう。とはいえ、わたしはそんな手法には引っかからない。そもそも、なにか買いたいものがあったわけでもなく、ただブラブラと店内を物色していただけなので、レジ横商品の"ついで買い"に引っかかるほど、暇人でも注意力散漫でもないからだ。

そんな"ついで買い"をするような適当な気持ちではなく、「これこそが、わたしが探し求めていた商品だったのかも」と思わせるほどの魅力を放つパッケージに、わたしは躊躇なく手を伸ばした。

 

その菓子の名前は「ポルチーニリゾット風味せんべい」と「旨ッ!!マシマシネギラー油せんべい」である。

 

なんといっても、パッケージのカラーリングと写真がズルい。ポルチーニリゾットなど、それはもうめちゃくちゃ美味そうな出来栄えであえり、写真の元となるリゾットを掻っ込みたいくらい魅力的な一枚が、バーンと貼りつけられているのだ。

対するネギラー油のほうも、濃い緑色をバックに背負い、平皿に山盛りのネギにたっぷりとラー油がかけられた写真がデカデカと貼られているわけで、「生のネギを食べたいとは思わないが、ネギとラー油の相性が抜群なことは本能的に理解できるし、なによりもどんな味なのか試してみたい」という、食欲と購買意欲をそそるのであった。

 

これといって買いたい物もないわたしは、すぐさまこの二つの菓子を手に取ると、無人レジにて会計をすませた。そして、帰宅途中に歩き食いをするのではなく、テーブルに向かい背筋を伸ばして味わうんだ・・とつぶやきながら、そそくさと家路を急いだのであった。

 

 

帰宅してすぐに二つの菓子袋を開封すると、まずはポルチーニリゾットのほうをつまんだ。こちらは厚みのあるソフトせんべいで、例えるならばハッピーターンに似た歯ごたえ。

食レポとしては、せんべいの表面に付着する各種味の素となるパウダーが、見事なそれっぽさを醸し出しており、「ポルチーニリゾット味のせんべいを食べているんだ」と念じながら咀嚼すると、不思議とその味がするのである。

ただ、ポルチーニリゾットというワードを取り除いて食べてみると、「これはいったい、なに味なんだ?」というくらいに、よく分からない味に感じるのも本音。なんせ、コショウとガーリックの風味だけは認識できるが、これがなんの料理なのかを当てにいっても、およそ正解にはたどり着かない気がするわけで。

 

続いて、緑の袋である"ネギラー油"へと手を突っ込んだ。こちらのせんべいは、先ほどのものとは違いフワフワ&サクサクしており、商品名は忘れたが「えび味のふんわり揚げせんべい」みたいなものと、同じ硬さというか柔らかさをしている。

そして実食、——ん?

ネギラー油のイメージが、わたしとこのせんべいとでは異なるのだろうか。どう頑張っても「ネギラー油」に結びつかない味わいが口の中を漂う。だが、原材料を見ると「ねぎ風味シーズニング、乾燥ねぎ、ピリ辛ラー油風シーズニング」などが使用されており、これならばちょっとくらいはネギラー油が浮かんでもよさそうなものだが——。

 

思うところはあれど、ポルチーニリゾットとネギラー油をせっせと交互に食べ比べるうちに、わたしはとある事実に気がついた——これって、それぞれの歯ごたえが逆だったら、もっとそれっぽいんじゃ・・。

 

素人の戯言を本気で受け止める必要はないが、とはいえ「ポルチーニリゾット」といえば、熱々の白米をフゥフゥしながら食べるのが定番であり、だったら歯ごたえも柔らかめでよかろう。

その代わり、ネギラー油のほうはシャキシャキとパンチの効いた食感がウリなわけで、であればしっかりとした歯ごたえのほうがイメージに合うのではなかろうか。

(・・いやいや、余計なお世話だ。商品開発の過程で散々吟味した結果、これらの菓子が誕生したのだから、歯ごたえなんてとっくに検討し尽くしたはず)

 

食の好みなんて主観的なものだから、わたしがそう感じただけで一般的には満足できるお味&食感なのだろう。なんだかんだ言っても普通に美味かったし、さすがは日本が誇る菓子メーカーの技術力・・と言わざるを得ない、良質なせんべいであることは間違いないわけで。

(もう一度買うとしたら、ポルチーニリゾット風味せんべいのほうかな・・)

 

 

こうして、今夜の食事は二種類のせんべいのみという、貧しい内容で終わったのである。

 

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